2025/01/06 09:00
「北海道生活」編集長
世界遺産・知床の流氷の海へ!羅臼クルーズに行ってきた。
「北海道生活」冬号では、特別企画として流氷と野鳥を見に行く「知床ネイチャークルーズ」の冬のクルーズをご紹介。
流氷が見られるオホーツク沿岸沿いでは、大型船の「ガリンコ号」や「おーろら」が知られていますが、知床半島の右側・羅臼には流氷と野鳥の両方が身近に見られる観光船が人気です。
羅臼港に停泊している「エバーグリーン号」は最新鋭の船で、安全であることは当然のこと、プロの船長とガイドによる、その日にしか見られないリアルな船の旅が楽しめます。
乗船すると、ライフジャケットを身に着けて船長から丁寧な説明を受け、いよいよ出発!
目の前には流氷はなく、真っ白な空とグレーの海が広がっているだけ。流氷は氷が浮かんでいるだけなので、その日にならないとどこにあるかわかりません。
それでこの小回りの利く最新鋭の船で流氷のある所まで行き、さらに野生生物を追い求めていくのです。
航行中は、船長のお父さん(テレビによく出てくる名物船長で、今はキャプテンといいます)の愉快なお話を聞きながら行くので退屈しません。
時おり海を見て、空を見て、「今日は(流氷や野鳥が見える場所まで)ちょっと時間かかるぞ……」とプロの厳しい目が光ります。
キャプテンとは「北海道生活」の取材で十数年お世話になっていますが、少しでも波があると「船は出さない!」と首を横に振り、撮影が空振りになったことも。それでも安全に取材ができるのは、こうしたプロたちのおかげだと感謝しています。
あ!一面の流氷!そして、鳥がわーっと飛んでいる!
観光客のみなさんは一気に外へ。
「いや、ゴメだわ……」と、つまりはカモメ(ゴメ)しかいないとこのこと。
お目当てはカモメではないので、さらに先を進みます。
「いたぞーーー!」
そこには、カモメの群れに交じって、お目当てのオジロワシや天然記念物のオオワシがいました。
同行のカメラマンはバズーカみたいな大きなレンズで、次々と撮影しています。私はスマホなのでこの程度……。
真冬のクルーズは観光客だけでなく、プロアマ問わずカメラマンが訪れます。
特に早朝から朝にかけては、エサを狙う鳥たちがより多く見られるので、プロのカメラマンが多いです。
知床半島に流れ着く流氷は、西側にびっしりとおおいつくすため、知床でも斜里側は漁の船が出られません。
それは野生動物も同様で、エサを求めて流氷密度の低い羅臼側の方にオオワシやオジロワシが姿を現わします。
テレビでしか見たことのない天然記念物の鳥たちが、すぐ近くに見えるようすは圧巻でした!
もうひとつの楽しみは、漁師町ならではの海の幸。
地元のお店で、「スケあっから食え!」と出されたのは、「マスノスケ」いわゆるキングサーモンのルイベ。
サーモンというと海外産のものしか知らない方には、このマスノスケの抜群の旨みは衝撃的かもしれません。
冬の海は凍てつく寒さですが、いったん建物の中に入ればあたたかくて、美味しい食べ物も待っています。
今回は流氷がなかなかなくて、撮影に大変苦労しました。
羅臼の「知床ネイチャークルーズ」のほかに、紋別の「ガリンコ号」、網走の「おーろら号」がありますので、どの場所で流氷が見られるかはその日次第。
流氷の旅をしたい方は、各船の運航情報や、流氷に関する地元の情報をチェックしてからおでかけしてくださいね!
(「北海道生活」編集長)
知床ネイチャークルーズ
*冬季クルーズ (出航30分前までに受付)
運航期間: 2025年1月25日(土)~3月10日(月)
HP https://www.e-shiretoko.com/
※この記事は「北海道生活」本誌2024年冬号より一部転載しています。