2024/12/05 15:00
北海道生活
北海道 バラの育て方|12月 つるバラの冬囲い!枝折れ・防寒対策
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
越冬時のつるバラの枝折れ防止、防寒対策のための冬囲い
今回は、「つるバラ」のさまさまな囲いについてご紹介します。
バラの冬囲いは、基本的に住んでいる地域の寒さと、品種の耐寒性の強弱によって保護の仕方を変えていきます。つるバラも同様で、その品種の耐寒性によってさまざまな手法がとれます。
まずは、ネットやコモなどの掛け物をしない手法です。
耐寒性が強く、雪の外に株が出ていても凍害にならないつるバラは、誘引もそのままにしておき、折れそうな枝だけをまとめます。冬の本格的な雪が降るまでに、時間があれば剪定も済ませておくと来春の作業がラクになります。
雪の外に株が出るのが不安な品種については、束ねて雪の下になるように寝かせます。
雪で折れそうな枝のみまとめて、あとは何もかけない。余裕があれば冬期間に剪定を済ませる。品種:ボニー
いわみざわ公園バラ園ではウサギの食害があるので、よく食べられる品種は上部だけネットをかけて食害対策をしています。
ウサギの食害対策で、上部のみネットをかけている(下方は雪に埋まる)。品種:アメリカンピラー
また、つるバラが大株になり寝かすことのできない品種や、雪の中にする必要はないけれど多少心配な品種は、防風ネットを巻くと安心して越冬することができます。
誘引は外さず、ネットを巻いて越冬させる。品種:ローゼンホルム
次に、掛け物をして対策をとった方がよい株についてです。
耐寒性が弱い品種や、返り咲きする多くのクライマーは、ネットやコモなどの掛け物をした方がよい場合が多いです。掛け物の素材は、透湿・防水シートやPP袋がよいでしょう。PP袋に関しては、春に中が蒸れてしまうといけないので、雪解け後に少し開いて湿気を逃がしてあげるとよいです。
さらに、つるバラの株を寝かせて雪の下で越冬させる場合は、雪解け水が溜まるようなところでは、株を寝かせる際に少し浮かせるように注意してください。
透湿・防水シートで巻いたバラ。品種:ジャスミーナ
雪が載った際に折れそうな箇所は、下に台のようなものを入れる
コンパネで囲ったトレリス。上部にもネットを張っている。除雪で押されたり、屋根からの落雪があるなど、枝折れが多く起こるような場所ではこのような対応も
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プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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