2024/11/25 23:20
「北海道生活」編集長
北海道初の<食の映画祭>HFFFに行ってきました!
2024年11月22日(金)~24日(日)の三日間、札幌にて北海道初の食の映画祭「北海道フードフィルムフェスティバル(HFFF)」が開催されました!
札幌のまちに映画スターや料理のプロたちが集結、料理が出てくる映画を観て、美味しいものを食べるという、夢のようなイベントの幕開きです。
今年3月と9月にはプレイベントも行なわれて期待値MAXの私も、イベントを大いに楽しもうと休みを三日間取って参加してきました!
<1日目>華やかなオープニングから、「シネマバル」で夜のまちへ
11月22日(金)イベント初日は、メイン会場となる「東1丁目劇場」へ。
以前、北海道四季劇場として劇団四季の公演が行なわれていた場所で、行ってみると長蛇の列!
たくさんの人たちが、この初のイベントにワクワク期待しているのが伝わってきました。
そしてオープニングが始まると、客席を通って映画スターやタレント、料理人のみなさんなど、このイベントにかかわる方々が次々と現れ、会場は大興奮!
撮影はできないので、これ以降の画像はメディアの方に譲るとして……
オフィシャルサポーターの大泉洋、森崎博之、安田顕、音尾琢真、私の客席のそばには俳優の小雪さん、小林薫さんが通り、そのオーラに思わず歓声を上げてしまいました。
チームナックスの森崎博之さんとバービーが司会で盛り上げ、開会でのあいさつは北海道知事の鈴木直道さん、札幌市長の秋元克広さん、トークショーもにぎやかで豪華でした。
終了後は、食の映画祭の先駆者でもあるスペインのサンセバスティアン映画祭から、ドキュメンタリー映画「ムガリッツ」を上映。
約4時間にわたる、四尺玉花火のようなスケールのオープニングイベントでした。
終了後、会場を出ると、すぐそばのテレビ塔や大通公園はホワイトイルミネーションで輝いていました。
そう、この日は、さっぽろホワイトイルミネーションとミュンヘンクリスマス市の初日でもあったんですね。
たくさんの人たちがイルミネーションに見とれている脇を通り、お次はススキノのまちへ。
札幌市内の飲食店では「シネマバル」が開催されていて、ワンドリンク+おつまみ=1,100円で各店をまわることができます。
なじみの店へ行くと1杯ではおさまらず、思わず追加注文したりして、この日はススキノで3軒回って酔っぱらってしまいました…(汗)。
<2日目>映画を見て食べて♪食の映画祭をとことん満喫
11月23日(土)イベント二日日も、メイン会場の「東1丁目劇場」へ。
大泉洋・原田知世の北海道映画「しあわせのパン」が上映されました。
終了後は主演の大泉洋さん、監督の三島有紀子さん、プロデューサーの森谷雄さんが登壇し、大爆笑のトークイベントが。(取材カメラではないので、撮影できませんでしたが)原田知世さんの動画メッセージがすばらしくて感動していると、大泉洋さんが「トークやり直したい!」と悪あがきしているようすに会場も爆笑に次ぐ爆笑でした。
この映画祭のすごいところは、映画を観た後で、映画にちなんだ美味しいものが食べられるところ。
映画「しあわせのパン」では美味しそうなパンが次々登場するのですが、このパンづくりを大泉さんに指導した厚真町「此方」のカンパーニュと、舞台になった洞爺湖町の焙煎珈琲のセットがついてきます。
さっそく家に持ち帰り、映画に出てきた作家さんのうつわをつかって、映画に出てきたカボチャのポタージュとコーヒーとともに、特製のカンパーニュをいただきました。
映画館を離れても、映画の世界観にどっぷりひたって、映画の美味しいものをいただく醍醐味がたまりませんでした。
そして夕方は、ススキノへ。
ススキノ交差点に昨年誕生した「cocono susukino」の上階に映画館があり、そこでススキノを舞台にした「探偵はBARにいる」の上映が行なわれたのです。
朝は「しあわせのパン」で妻をやさしく見守る役の大泉洋さんが、夜には探偵になって猥雑な街でぼこぼこに殴られているのですから、そのギャップがすごい。
この映画のラストはかなり泣けるのすが、映画の終了後に、なんとヒロインの小雪さんが大泉洋さん、プロデューサーの須藤泰司さんと登場し、撮影のウラ話などをいろいろお話してくれたのには感激でした!
興奮冷めやらぬうちに、同じビル内にある札幌ストリームホテルのレストラン「Splish」へ。
ススキノ交差点を見下ろすこのレストランで、映画を観た人だけが参加できる「シネマディナー」が開催されたのです。
席に着くと、なんと北菓楼の「開拓おかき」が‼
探偵の相棒の高田君が全編でボリボリボリボリ食べてるおかきで、北海道の様々な魚介のフレーバーがあり、私もおみやげでよく買うほど美味しいのです。映画を観ていて「ポップコーンよりも、開拓おかきを食べたい……」と思っていたので、テーブルに一人ずつ置かれていていたのはとってもうれしかったです。
そしてマカロンはオセロになっていて、これも映画を観た後なら「あ!」と気づく、映画の中で出てくるオセロをアミューズにしているところが気が利いています。
ここでも、大泉洋さんと小雪さんが出てきてくださって、須藤泰司さんと児島シェフとともに乾杯のご挨拶。
お二人の姿をスクリーンでも見て、ディナーでも見られて、とても贅沢な時間を過ごせました。
レストランでのメニューは、エゾシカや望来豚など北海道のいいお肉から新鮮な海鮮、野菜まで、ずらりと並んだブッフェを自由に。
朝食でしか食べられない炭鉱メシのカレーそば(夕張)やガタタン(芦別)なども味わえるとあって、ビールにワインに料理に……好きなだけ飲んで食べて、近くの席の人たちともわいわいとお話していました。
そしてメインは、なんとナポリタン!
これも映画を観た人なら感動する、「探偵BAR」の舞台となった「純喫茶トップ」(劇中では「喫茶モンデ」)のナポリタンなのです。
このお店はすでに閉店しているので、今は食べられないナポリタン。そしてこのお店の娘は、いまや人気イタリアン「クロッキオ」オーナーシェフの児島加奈子さん。この日のためにナポリタンを復活させてくれたのでした。
児島シェフと須藤泰司さんによるトークイベントも行なわれ、原作では「まずそうなナポリタン」と描かれていたことから、映画ではうどんでまずそうに作ったために、その後、喫茶「トップ」に来たお客さんに「まずいナポリタンです」とマスターが笑って出していたとか。
しかし本当は、ファンの多い美味しいナポリタンで、2作目・3作目では本当のナポリタンを出すようになったそうです。
個人的には、2作目で尾野真千子さんがナポリタンにがっついている姿が大好きでしたね~。
映画の余韻とともに、映画にちなんだ美味しいものをお腹いっぱい食べ、映画にも出てきた雪がちょうど吹雪になったところで、二日目も楽しく終わりました。
<3日目>食を支える料理人たちが主役!北海道の食に感動
11月24日(日)イベント三日日(最終日)は、メイン会場「東1丁目劇場」で、世界料理学会の札幌版が開催されました。
料理学会については、この前の10月に函館で行なわれた本家の学会をたっぷり紹介したので、ここではざっと紹介します。
まずは発起人の「レストランバスク」深谷宏治さんによる挨拶と、美食の街サンセバスチャンとの出会いが話され、イベントの一日目でも紹介されたサンセバスチャンでの映画祭と話がつながってきます。
札幌のお客さんは初めて学会を見る方も多いと思うので、これまで11回にわたり函館で行なわれてきた学会のさわりの部分を見せていく感じで進行されていきました。
唯一場内撮影自由だったのが、山形「アル・ケッチァーノ」奥田政行さんの講義。
博覧強記でマニアックかつ面白い講義を短い時間でまとめるのは大変だったと思いますが、初めて見る方にはとても印象的だったように思います。
そのほか、札幌からは「Miya-vie」横須賀雅明シェフ、東京からは「六雁」秋山能久シェフ、元「料理通信」編集長の齋藤壽さんや、スペイン・サンセバスチャンからのゲストも迎えて行なわれた、ダイジェスト版の料理学会。
料理人の料理人によるイベントで、行政に頼らず、自分たちで資金集めをしているので、興味のある方は、深谷さんたちが資金のため制作している「料理人カレンダー2025」を買って応援しましょう!
なお会場では、サンセバスチャンのあるバスク料理にちなんで、札幌のスペイン料理店「ボケリア」によるピンチョス(おつまみ)と地酒のチャコリを販売していました。
ここで軽く腹ごしらえをして、いよいよラストの映画とコラボディナーへ参加です。
最後に登場するのは、北海道の4人の料理人たち。
左から札幌のフレンチ「ラ・サンテ」の高橋毅さん、栗山町の日本料理店「味道広路(あじどころ)」の酒井弘志さん、料理人と生産者の二足の草鞋をはく「アグリスケープ」の吉田夏織さん、札幌のすし店「○鮨」の川崎純之亮さんが登場する、新作映画「北の食景」がジャパンプレミアとして初めて日本で上映されました。
4人の料理人たちが主役の映画「北の食景」を見てから、雪の大倉山ジャンプ競技場のそばにあるレストラン「ヌーベルプース」へ場所を移しての最後のディナーについては、とても書ききれないので、この後のブログで紹介します。
三日の間、映画を観て美味しいものを食べて、その間に雪が降って来て、秋から冬にかけての美しいまちの風景を感じながらの札幌での映画祭は、思い出に残る楽しいイベントでした。
これからも、この映画祭がますます発展して、全国から雪まつりやYOSAKOIソーラン祭りのように、たくさんの人が訪れるといいなと思います。
(「北海道生活」編集長)
ブログ続編⇒映画「北の食景」ジャパンプレミアと4人のシェフのフルコース