2024/11/14 13:30
北海道生活
北海道の庭|今週の花(11月13日) 晩秋を振り返って、グラス類とシンボルツリー
今回は、この秋の庭を振り返ってみます。オーナメンタルグラスは穂を出すのが遅かった。
札幌近郊の長沼町(ながぬまちょう)で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、お庭の様子とともに「今週の花」を月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
北海道はいよいよ冬の足音が聞こえてきましたね。この秋は、季節が深まってきたなと思ったら暖かくなったりして、気候の変動を感じてしまう天候でした。
少し前の庭を振り返ると、地植えにしているオーナメンタルグラスは穂を出すのも遅く、ミスカンサス類は背が伸びず横に倒れていました。まったくキレイではなかったけれど、それでも健気に穂を付けてくれた車庫横のススキを褒めてあげました。これもお天気のせいなのでしょうね…。
細葉ススキ、10月下旬の様子。例年では、きれいな穂が楽しめる頃
我が家の庭は数種類のオーナメンタルグラスがあります。ブルー系の葉色が晩秋になると紅葉するアンドロボゴン プレーリーブルース、ボリュームのある穂がキツネのしっぽのようなカラマグロスティス ブラキトリカ、シマススキやタカノハススキなど。楽しみにしていた姿は、今年はほどほどの状態でしたが、最後の刈り込みも行なってまた来シーズンに期待ですね!
庭の植栽としは、その姿は空間のアクセントにもなり、穂を出すと風情ある景観を演出してくれるオーナメンタルグラス。庭の広さに合わせてグラス類を取り入れてみるのもよいと思います。
アンドロボゴン プレーリーブルース。葉が紅葉するときれいなのだが…
カラマグロスティス ブラキトリカは、ボリュームのある穂が素敵。でも今年は、10月下旬でこの状態
パニカム。ビーズのような小さな粒々の花穂が魅力的なグラス
ファラリス アランディナセア‘トリカラー’(トワダアシ)。草丈は低めで、緑の葉に白と薄ピンクが入る。この秋は発色が少し控えめ
タカノハススキ(ミスカンサス シネンシス‘ゼブリナス’)は、大きく成長する前に穂を付けてしまった
そして、庭の悲しい出来事が一つ。我が家のシンボルツリーのゴールデンアカシア(フリーシア)が、ついにダメになってしまいました。6年前の胆振東部地震の前日、台風の暴風でばったり倒れてしまったのですが、植木屋さんに起こしてもらい、時々手を入れて何とか保ってきました。
10月24日、晩秋に吹いた強風で大きく傾いてしまったため、危険なので翌日枝を切ってもらいました。これで倒木の心配はなくなりましたが、後日 幹もバッサリと。
このフリーシアは、ずいぶん前に蓼科のバラクライングリッシュガーデンを訪ねた際、入り口にあるフリーシアの大木を見て「我が家にもぜひ迎えたい!」と思って入れた2本のうちの1本です。最初の1本は植えてすぐに枯れてしまい、この木だけが残っていました。とうとうお別れすることになりましたが、今度は日当たりがよくなるので、「何を植えようかな~」と前向きに考えているところです!
強風で傾いたフリーシア
翌日、枝をすべて切って幹だけに
庭は、来春に向けてチューリップ、ムスカリ、スイセンの球根を植えました。チューリップはフリンジ咲きのものや2色咲き、八重咲きの種類を少し多めに。春の庭を想像してワクワクしています。
宿根草の株の間に、秋植え球根を植え付け。春が楽しみ!
今は、刈り込みや冬囲いの作業の最中です。無理しない程度に少しずつ進めているので、しばらくかかりそうです(笑)。
大きなグラス類は上部を縛ってから根元をカット。そのまま抱えて一輪車に乗せて運ぶと散らばらなくてよいですよ。昨年とおととしは夫に刈払い機で刈ってもらったら、アジサイやハクロニシキも根元からきれいに刈り取られたので、今年はポールを立てて目印を付けてから刈り取ってもらうことに(笑)。バラの囲いなど、冬を迎える前の一仕事、頑張らなくちゃね。
プロフィール
走川 貴美
「オフィス グリーンサム」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。