2024/11/09 13:30
北海道生活
ハーバルライフ|リースづくり!初雪の頃になると毎年スタート
今回は、毎年初雪の頃になるとスタートする、リースづくりを紹介します。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。
取材協力:かりの あさの さん(herbarist・ハーブ研究家)
制作したリースを玄関先に。飾りたい場所を決めてからデザインを考えると、イメージが湧きやすい!
初雪の便りが届く頃から始まるリースづくり。毎年たくさんのリースを手がけますが、その年によって自分の作風も変化しています。好みもありますが、さまざまなものから受けるインスピレーションでその時のマイブームがあり、自分自身が楽しみながら制作しています。
今年のリースづくりの様子と合わせてリースの作り方、いくつか作品もご紹介してみたいと思います。
まずは、いくつか作品を。
フラワーガーデンをイメージして花色をふんだんに
このリースは、花の彩りをふんだんに取り入れてみました。フラワーガーデンのようなイメージです。色味がケンカしないように、斑入りのツルマサキで全体を引き締めています。竹を細く削いだ資材(紐・ひも)を使い、美しい花の惑星のような世界観もプラス。
自由な発想で、作品を仕上げていくのは楽しいですよ。
次のリースは、オレンジ色を主役に、元気が沸いてくるようなイメージでつくったものです。
オレンジ系の色を主役に、元気が出るようなイメージに
花材は、レモンイエローのリューカデンドロンとオレンジ系のローズヒップ、ヘリクレサムの花の加工品や、締め色のエリンジウム、斑入りのツルマサキなど。元気色のさまざまな花材で華やかに仕上げています。
リースのつくり方もいろいろありますが、これらのリースは、リースワイヤーを使って土台に花材を巻きつけていくタイプのものです。つくっている様子をお見せしたいと思います。
[ 土台づくりの下準備 ]
土台となるリース状の輪をつくるところから始まります。使用するのはブドウのつる(蔓)や、ツルウメモドキのつるなど。イメージする作品のサイズに合わせて輪をつくり、何重か巻きます。これが土台となります。
リースの土台は市販のものもありますので、利用するのもよいと思います!
土台ができたら、用意した花(ドライフラワー)や実もの、枝ものなどの花材を、リースワイヤーを使って土台に巻きつけていきます。まずは、枝ものでベースをつくります。
[ リースづくり ]
数種類のヒバ、コニファーを使いやすい長さにカットして用意します。これらは乾燥させずにそのまま切り枝で使用します。乾燥させてからですと、葉がぽろぽろと落ちてしまいます。
巻きつけやすい長さにカットして使用する
カットしたものを5本くらい束ねてひとまとめにし、リースワイヤーで土台に固定します。リース状の土台に沿って、円を描くようなイメージで順に固定していきます。
5本くらいを束ねてひとまとめにし、土台に固定していく
束にした枝の下方にリースワイヤーを巻きつけて固定。順にこれを繰り返す
リース状に1周したら、最後にリースワイヤーをしっかり留めて、はずれないようにします。きれいな円形になっていなくても、あまり気にしなくて大丈夫です! 花材を足していきながら、いらない部分をカットしたり、足したりしながら調整できます。
あらかじめ用意した、使ってみたい花材をそばに置いて色合いやイメージを確認。メインカラー、同系色、差し色や中間色など、デザインを考えます。
できあがったベース(リース)の近くに花材を置いて、デザインをイメージしよう
今回は、セピア系やゴールドを取り入れてみます。最初にアクセントになる大きめの花材(松ぼっくりなど)から取りつけると、バランスが取りやすいです。
松ぼっくりは、前回ご紹介した要領で、松ぼっくりの部品をつくってからベースに取りつけます。
松ぼっくりの下側にワイヤー(フラワーワイヤー「#24番」前後が使いやすい)が隠れるように巻きつけ、捻(ひね)って留めます。また、いくつかつなげ合わせると、動きが加わってよい雰囲気に仕上がりますよ。前回参照
・前回参照 自然素材をふんだんに使った、スワッグづくり!
フラワーワイヤーを使用。ワイヤーが見えないように、松ぼっくりの中にワイヤーを入れて巻く
松ぼっくりをいくつかワイヤーでつなげることもできる。動きが加わる
松ぼっくりの部品ができたら、リースに留めます。三角形を描くように 3カ所に配置すると、バランスよく仕上がりますよ。
松ぼっくりの部品をリースに留める
次に、ローズヒップを足していきます。できるだけ立体的に仕上がるように、花材はグルーでつけていきます。
そして、昨年から壁に吊るしておいたルスカスがいい感じに褪色していたので、セピア色の花材として使ってみました。
立体感が出るようにくっつけるとよい
色褪せたルスカスを再利用。グルーでリースにつける
そのほかの花材もひと通りグルーでつけてから、全体的なバランスを確認してみます。つくり込んでいる最中はリースの正面に気持ちが集中しているので、時々、作業途中に壁に飾ったり、離れたところから見てみるとよいですよ。
いろいろな角度から眺めると、花材を足した方がいい箇所や、バランスを確認することができます。
そのほかスターチスやカイガラギク、ヘイクリサム、ニゲラのタネ袋などの花材もプラスして華やかに
最後に、竹素材の極細な紐(ひも)で惑星風に仕上げてみました! 上記でも紹介した、フワラーガーデンをイメージしたリースにも使用した紐です。
コニファーのしっぽと、惑星風は、今年の私のマイブームです(笑)。
竹素材の紐に動きをつけて、グルーで接着
完成したリースにクリアラッカースプレーを数回に分けてかけておくと褪色が遅くなり、きれいな色味を長く楽しめます。せっかくつくるのだから、長く美しい状態を保てる方が嬉しいですよね。
皆さんも、リースづくりを楽しんでみてください。
私がいろいろ手がけている、ほかのリースもご紹介!
花類はローズヒップのみ。ナチュラル系のリースに!
このリースは、花類を少なめにしたナチュラル系に仕上げました。数種類の枝ものとローズヒップ、松ぼっくり。綿の実もブラウン系を使うと落ち着いた雰囲気になります。しっぽのように枝ものも使っています。
そうそう、松ぼっくりは毎年拾いに行ったものを使っています。生徒さんも届けてくれたりするので、ふんだんに使うことができています。いつも感謝でいっぱいです。
グリーン系の自然な雰囲気のリース
こちらは、色味を抑えたグリーン系の自然な仕上がりの大きめのリースです。ブルーアイスの枝葉をリボン代わりのイメージで使用しています。
赤系の大人っぽいイメージのリース
赤色を基調としたリースです。白いボールやバラは木の素材でできおり、バラを模した花材が大人っぽい雰囲気ですね。
ブルーと白をベースに、ゴールドをプラスして品よく
花材や飾りを、ブルーと白をベースにしたリースです。クールな印象になりがちな寒色系には、ゴールド系の色味をプラスして品よく、華やかに仕上げていました。このリースは、家の玄関に飾っています。
このような感じで、今の時期はリースづくりに励んでいます。ご家庭やお店などの施設の装飾用にご注文いただいたものなど、いろいろな雰囲気のリースを手がけています。
最後にお知らせ。今年のリースづくりの講座は、自宅開催でのみ行なっています(札幌市南区)。1回3人までの講座で、Facebook、Instagramで受け付け(下記参照)。日時、サイズ、料金などをメッセージでやりとりします。興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。
プロフィール
かりの あさの
herbarist・ハーブ研究家。北海道札幌市内に在住。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。
・かりのあさの lit.link(リットリンク)https://lit.link/karinoasano
HP「ハーブまるごと活用生活」、Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「karinoherb」をまとめて掲載中