2024/11/10 10:30
北海道生活
北海道 バラの育て方|11月 冬に向けたバラの保護「囲い」
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
雪害・凍害から守る!葉むしり後の「囲い」作業
いよいよ雪虫(ゆきむし)も飛び始め、冬が迫ってきました。今回は、前回の「葉むしり」のあとに行なう囲いについてお伝えしたいと思います。
前回お伝えした、「葉むしり」したあとの株
・関連記事 北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」
枝の保護や防寒のための作業
●枝の結束
葉むしりが済んだ株は、枝の広がりを抑えるために株を結束します。この際に使う縄は、枝のダメージを考え化繊(化学繊維)のロープではなく、自然由来のわら縄にしましょう。雪で枝が折れないようにしっかりと絞って結束します。
枝をまとめて結束。縄で数カ所固定するとよい
●支柱立てとコモ巻き
枝・株を結束したら、そのあと支柱を立てます。基本的には支柱は3本で、除雪や屋根からの落雪で重さがかかるような場所なら後ろ側を2本、前1本で正三角形になるように挿します。支柱の先端を結束する際は「割り」を入れて男結びで結ぶと、支柱が雪で押されたりしてもがっちりと留まります。
支柱立ては正三角形に。通路側から花壇に雪を投げる場合、通路側に支柱を1本、奥側に2本で立てる
支柱を結束する際は、2重に縄を回し、下をくぐらせて「割り」を入れる
下をくぐらせた縄を上から出す。この状態で手を放しても留まっている。これでしっかり縄が効いている、最後は男結びをするとがっちりと留まる
耐寒性の強い品種は、支柱に縄を巻き上げて補強するだけで終了になります。
越冬に不安がある品種は、さらに「コモ巻き」を施しましょう。何の素材をコモ巻きに使用するかは品種の性質や地域よって変わってきますが、プチプチシートのような通気性がほぼないものは避けた方がよいでしょう。一般的に手に入りやすいのは防風ネットですが、それでもまだ物足りないという株に関しては、化繊の袋や透湿防水シートがおすすめです。
耐寒性の強い品種は、縄を支柱に回し終了
コモ掛けを行なった株。使っているのはPP袋(樹脂袋)
バラはこのあと半年くらい囲いの中で過ごすことになります。きれいに囲うことができると、それが一つの庭の風景となって風情を楽しむことができます。冬前の最後の仕事です。来年も元気に咲くバラの姿を楽しみにしながら、気を抜かずに作業を行なってくださいね。
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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