2024/11/06 15:00
北海道生活
北海道余市町とフランスの世界的ワイン銘醸地が友好都市協定へ
北海道余市町は10月15日、フランスのブルゴーニュ地方に位置する世界的なワイン産地、ジュヴレ・シャンベルタン村との友好都市協定締結に合意したことを発表しました。締結式は2025年2月にフランスの現地で執り行なわれる予定です。
果物の王国・余市町、ワインづくりへの挑戦
余市町内に広がるブドウ畑の風景。奥には海も望む (写真:余市・仁木ワインツーリズムHP内 フォトギャラリーより)
余市町(よいちちょう)は北海道西部、積丹半島の東の付け根に位置する、人口約1万7,000人のまち。日本海に面した温暖な気候を生かし、明治初期から果樹栽培が行なわれてきた地域です。リンゴ、ブドウ、梨(なし)、桃(もも)などの生産量は道内でもトップクラスを誇っています。
さらに、2011年には北海道で初めて「北のフルーツ王国よいちワイン特区」に認定され、ワイン用ブドウの生産者やワイナリーの新規参入が相次ぎました。現在では、50軒を超えるブドウ栽培農家と19のワイナリーが存在し、全国でも注目される新興ワイン産地となっています。
・公式HP/https://www.town.yoichi.hokkaido.jp/
・余市・仁木ワインツーリズムプロジェクト
余市町内には19のワイナリーがある。写真は、初めてワイン特区制度により開業した「RITA FARM&WINERY」 (写真:余市・仁木ワインツーリズムHP内 フォトギャラリーより ※以下同)
歴史と伝統が息づく「王のワイン」の故郷
一方、協定を結ぶジュヴレ・シャンベルタン村は、フランス東部ブルゴーニュ地方を代表するワイン産地の一つです。ピノ・ノワールを主体とした赤ワインの生産として世界的にも有名で、その歴史は古代ローマ時代にまで遡るといわれています。
ブルゴーニュワインの最高峰とされる9つのグラン・クリュ(特級畑)を有し、かつてナポレオン・ボナパルトが愛飲したことでも知られ、「王のワイン」と称されることも。豊かな土壌と理想的な気候条件が、卓越したワインを生み出す基盤となっています。
技術交流からマーケティングまで、幅広い連携へ
今回の協定では、両地域のブドウ農家・ワイン生産者間の相互交流や、栽培・醸造に関する共同研究を推進します。さらに、世界に向けた共同マーケティング戦略の構築や、住民同士の交流を通じた日仏間の文化交流も目指しています。
余市町長の齊藤 啓輔氏は、「世界的に名高いワイン産地との友好都市協定の合意ができ、大変光栄に感じています」とコメント。昨年6月から協定に向けた交渉を開始し、今年6月には現地を訪問。地元生産者との対話を重ねる中で、余市の魅力や将来性について理解を深めてもらい、協定実現にこぎ着けたそうです。
特にジュヴレ・シャンベルタン村長との信頼関係構築が、今回の成功につながった重要な要素だったと強調しています。また、ワイン産業にとどまらず、観光や地域振興の面でも大きな可能性が広がることへの期待を示しました。
新興ワイン産地として着実に成長を遂げる余市町と、世界的な銘醸地として名声の高いジュヴレ・シャンベルタン村。今回の協定を通じて、両地域が生み出していく相乗効果と、今後の展開が楽しみです。
余市町のブドウ栽培農家は19軒のワイナリーを含めおよそ70軒
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