2024/10/30 15:00
北海道生活
ポタジェ|健康茶の定番の一つ!ゴボウ茶のつくり方と栽培
あたたかい飲み物などが欲しくなる季節。今回は、ゴボウ茶のつくり方とゴボウの栽培についてご紹介します。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
北海道では例年に比べると2週間も早く初雪が降り、あたたかい食べ物や飲み物が嬉しい季節になりましたね。そこで今回は、ゴボウ茶のつくり方とゴボウの栽培についてご紹介したいと思います。
さっぽろ農学校でゴボウを栽培した時の様子
●今では健康茶の仲間入り
食物繊維が多いことで知られるゴボウを使った「ゴボウ茶」は、10年ほど前から流行し、今では手軽に飲めるティーバックなども市販されるようになって、すっかり健康茶の定番になった印象ですね。ゴボウ茶の効能は便秘改善や利尿作用、血糖値上昇を抑える、生活習慣病の予防にも効果があるといわれています。ただし、キク科アレルギーのある人や持病のある人は、医師に相談の上飲むようにしましょう。
ゴボウ茶のつくり方
[ 材料 ]
・ゴボウ 2本
[ つくり方 ]
1.まずは、ゴボウをたわしなどでこすり洗いして汚れを落とし、小さめのささがきにします。アク抜きはしません。
たわしなどで土をきれいに洗う
2.ささがきにしたゴボウは、重ならないようにザルなど並べて半日ほど乾燥させます。8割ほど乾燥させましょう。
日の当たる窓辺に置くと早く乾燥する
3.ゴボウが乾燥したら、フライパンにゴボウを入れ、弱火で10分ほど乾煎り(からいり)します。焦げないように絶えず箸でかき混ぜます。水分が抜けてカラカラの状態になったら取り出します。乾煎り用に、使い古したフライパンを使うとよいでしょう。
弱火で乾煎りする
4. ティーポットに乾煎りしたゴボウ茶(ティースプーン 2杯)を入れ、熱湯(300ml)を注ぎ、約3分抽出したら完成です。
抽出し終わったゴボウは、お味噌汁などの料理にも利用できます。無駄がないのも嬉しいところですね。
優しい味わいのゴボウ茶
ゴボウの栽培
ゴボウはユーラシア大陸北部が原産といわれ、日本には平安時代に入ってきたとされています。ゴボウの品種には、根が長い「長根種」と根が短い「短根種」などがあり、最もポピュラーなゴボウは長根種の「滝野川ゴボウ」。短根種は奈良の「宇陀金(うだきん)ゴボウ」や千葉の「大浦ゴボウ」などの品種があります。
ゴボウは全国各地にその土地ならではの伝統ゴボウが存在していて特産品となっているものも多く、札幌の伝統野菜「札幌白ゴボウ」もその一つです。一般的なゴボウに比べ、皮や果肉が白く、香りと歯ごたえがよいのが特徴です。
●タネまきと育て方
タネをまく場所は、なるべく深く耕しておきましょう。北海道では、5月下旬ごろにタネをまきます。株間は20cmほど、1カ所に3~4粒を点まきします。好光性種子のため覆土は薄めにしましょう。10日ほどで発芽しますが、発芽するまでは乾燥しないように水やりをするのがポイントです!
レイズベッド風にレンガで囲んだ中で育てている
本葉が3枚くらいになったら、草勢がよいものを残しましょう。1カ所に1本になるように間引きをし、土寄せをしておきます。その後も、草丈90㎝ほどで中耕と土寄せを行ないます。
元気なものを残して間引きする
その後の収穫は、株元を確認し根(ゴボウ)の直径が2cmほどになったら行ないます。北海道では10月中旬~11月初め。そのまま引き抜くと途中で折れてしまうので、株元に縦穴を掘ってから両手で引く抜くようにしましょう。
ポタジェでは少量多品種で育てるので、ゴボウの収穫期を待つ楽しみや、掘り起こす作業も楽しみに!
●ゴボウのタネ採り
ゴボウはキク科の二年草です。根を掘り起こさずにそのまま畑に置いておくと、翌年、枝分かれしながら草丈2m近くにまで成長して、花が咲き、タネができます。我が家のポタジェでは、大きく育った2年目のゴボウが「モニュメントのようだね」と毎年評判になっています。成長する様子を眺めるのも楽しいので、ゴボウを育てる際はすべての株を収穫してしまわずに、1~2本残してタネ採りに挑戦するのもおすすめです。
6月中旬の様子
7月中旬の様子
夏になるとアザミに似た紫色の花が咲く
9月初め、葉が紅葉してきた
9月中旬、ガクが茶色く色づいたらタネを収穫する
ガクの中にゴボウのタネが入っている
乾燥したゴボウの実(タネ)は、トゲのようなにガクに覆われていて、近くを通ると服についてしまいます。子どもの頃、「くっつきムシ」とか「くっつきボンボン」といいながら、服につけて遊んだという人も多いのではないでしょうか。植物にとっては、子孫を残すことは最大の使命。そのためにも、トゲなどでくっついてタネを離れた場所に運んでもらうための戦略だったのですね。
家庭菜園でゴボウを育てるのは珍しいかもしれませんが、栽培期間中は土寄せを数回するだけなので、手間がかからない野菜です。収穫時は、スコップで掘る手間が少しかかりますが、長いゴボウが収穫できた時の喜びは格別ですよ。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401