2024/10/08 13:30
北海道生活

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。

文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)



葉むしりは病害や虫の防除・休眠促進の効果がある


今年は、朝晩の気温が急激に下がったという印象で、秋も急にやってきたような感じがします。昼夜の寒暖差があると、バラは発色がよく、香り高く咲いてくれるので、現在はきれいな秋バラを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

秋バラが咲く。写真は、Distant Drums(ディスタント ドラムス)。ブラウンが入ったアンティークチックな色彩が美しいバラ (いわみざわ公園バラ園)

今回は10月中旬から行なっていただきたい、バラの「葉むしり」について説明したいと思います。
「葉むしり」は、耐寒性・耐病性に心配があり、雪囲い時に防風ネットやコモを巻く品種には必ず行なってほしい作業です。葉むしりを行なってから株を消毒することで、病気や虫の越冬を防ぐ効果があります。また、葉むしりを行なうことで休眠を促すことになり、枝が早く固まる(しっかりとした枝に仕上がる)ので、越冬の面から見ても効果があります。葉を付けたまま越冬すると、春先の忙しい時期に枯れ葉の清掃もすることになりますので、できるだけ秋にこの作業を行なった方がよいでしょう。

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

作業前の株

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

葉むしりを行なって、枝だけになった株。このあと消毒を行なうと効果がある

葉むしりをする際は、葉を上から下に引くことで葉柄(ようへい)ごときれいに取れます。葉柄を残してしまうと、病気の除去や休眠促進の効果が薄くなってしまうので、できるだけきれいに取り去ってください。中輪・大輪品種については、株の内側にあるすぐ折れるような細枝は来春の剪定時で切ってしまう枝なので、秋のうちに手で折り取っても大丈夫です。

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

葉柄が残っている(赤線の部分)。「葉むしり」は、これごとしっかり取り除く

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」 北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

枝を持って、葉を上から下に引くようにして葉をむしる

また、むしった葉はそのままにせず花壇からしっかり回収しましょう。残しておくと、病気や虫の越冬場所となってしまいます。
一連の作業時には皮手袋をはめて、バラの棘(トゲ)などで怪我をしないように進めてください。

北海道 バラの育て方|10月 秋に行なっておきたい「葉むしり」

むしった葉は園芸用の手箕(てみ)などに集めて回収し、花壇をきれいに保つこと

いわみざわ公園バラ園では、10月7日から順次葉むしりの作業が始まりますが、整形式花壇では花自体は10月20日くらいまで見られると思います。もしかしたら一部は作業が進んでいるかもしれませんが…、秋バラの花の様子も素敵ですよ。

プロフィール


曽根 浩太

酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。

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