2024/10/03 14:30
北海道生活

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

朝晩の冷え込みが増してきた北海道。秋の庭で咲く花々をご紹介しましょう。
札幌近郊の長沼町(ながぬまちょう)で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。

撮影:走川 正裕 ・ 貴美   文:走川 貴美


あの暑かった日々が嘘のように、朝晩の冷え込みが増してきました。さすが北海道です。
夏の花が終わって庭はしばし静かな様子でしたが、秋の花たちが咲き、また賑わいを見せています。

少し前まで、センニンソウが、白い花をたくさん付けてパーゴラの上を飾っていました。日本原産のクレマチスです。簡単に育てられ、秋のはじめになると雪を思わせるような白花をたくさん付けるので、見応えがあります。散り際も、本当に雪が降っているかのように風に舞い、散った花が地面に広がってきれいです。
タネの形が白い髭(ヒゲ)を生やした仙人を連想させることから「センニンソウ(仙人草)」と名づけられました。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

センニンソウ(仙人草)

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

繊細な花の姿も魅力的

そして、秋といえば「ハギ」ですね。ハギは、マメ科ハギ属の総称で「秋の七草」でも有名な、落葉低木です。枝は細く枝垂れて小さな花をたくさん付け、風にそよぐ姿は風情があります。我が家にあるのは、白花のミヤギノハギ。冬の間に大きく切り詰めておくと、翌年春から枝をどんどん伸ばして、私の背丈を超えるほどに大きくなります。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

ミヤギノハギ(白花)

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

よく見ると、マメ科の特徴的な花姿

宿根アスターは、この時期にはどこでも見られる花の一つですね。枝先にたくさん花を付けるので、切り花としても重宝しています。日当たりがよく、風通しのよいところを好みます。耐陰性もある程度備えており半日陰でも生育しますが、光量によっては花付きが悪くなります。また、風通しが悪いとうどん粉病が発生しやすくなります。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

宿根アスター。咲き始めの様子も愛らしい

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

ピンクや紫、白など花色や咲き姿もさなどさまざまある

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

大きく茂るので、この花が咲くと庭が賑やかに

ガウラは、白鳥草とも呼ばれ、夏ごろから秋にかけて花を咲かせます。年々大株になり、風にそよぐ姿は可憐で美しい花です。最近は小型で赤みの強い花の品種が出回っているので、それを数株植えています。背が高くならず、花付きがとてもよいので花壇の中でも目立っています。倒れる心配はありませんし、日なたに植えておけば手間いらずでよく咲いてくれます。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

このガウラはほどよい草丈で、しかっりとした株の姿。濃い花色がアクセントになる

シュウメイギク(秋明菊)は「菊」とつきますが、キク科ではなくキンポウゲ科アネモネ属です。英名は「ジャパニーズアネモネ」といいます。猛暑や地温が高すぎると株が弱ることがあるので、北海道向きだと思います。半日陰でもよく育ちます。花後の丸いタネも可愛いのですが、早めに切り取って、今の時期は栄養分を株づくりに使う方が来年のためによいと思います。性質は丈夫で、育てやすい花です。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花 北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

シュメイギク。花色はピンクや白花がある

ホスタ タマノカンザシは、中国北部原産です。長い花茎に付ける真っ白な花は、夜のうちに開花します。花には芳香もあります。次々と咲いてくれるので、結構長く楽しめる花ですよ。ホスタの仲間の中では開花時期が遅く、真っ白なユリに似た花は上品で美しいです。株が大きく成長するので、たまに株分けをしています。それをあちらこちらに植えて増やしています。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花 北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

ホスタ タマノカンザシ。大きく育った株に、ユリのような真っ白い花を咲かせる。とても美しく見応えもある

そのほか、秋に咲くのはワレモコウ、ユーパトリウム、フロックスなど。一年草では三尺バーベナ、センニチコウ、ジニアなどがあります。夏に比べると花数は減りますが、花色の濃いものが多く、背も高くなるものが多いので庭は賑やかです。秋バラも咲き続け、花がら摘みをこまめに行ないながら、冬に向けて樹形を整えているとこです。

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

左/白花のワレモコウ 右/ユーパトリウム。アゲラタムのような花が特徴的

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

ホトトギスも秋を代表する花の一つ

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

左/宿根ヒマワリは、小振りな花が愛らしい 右/秋の一年草も咲く。ころんとした丸い花のセンニチコウ(千日紅)

北海道の庭|今週の花(10月2日) センニンソウと秋の花

三尺バーベナは夏の中盤から秋にかけて咲き、自然な雰囲気が魅力の一年草

気温が下がって過ごしやすくなったこの時期、庭仕事が体力的にもラクになりました。庭を眺め、草取りをしながら、来年に向けて「どんな春咲きの球根(秋植え球根)を植えようかな?」と考えているところです。

プロフィール


走川 貴美

「オフィスサムグリーン」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。



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