北海道ワーケーション② 士幌町で新しい働き方。「農園付き住宅」好評

新しい働き方の定番は、北海道でワーケーション。北海道は豊かな自然環境や食・観光に加え、コワーキングスペースを設置する自治体や、サテライトオフィス開設企業が日本一というワーケーション受け入れのベースが整っている。
今回は、十勝エリアから「士幌町（しほろちょう）」のワーケーション例をご紹介。新しい旅のスタイルと働き方のヒントが見つかるかもしれない。

｜士幌町｜「農園付き住宅」で、ワーケーションを楽しむ

広々とした農園付きの住宅。電源付きの物置き小屋もあり、農作業に便利

豊かな自然と内陸性の気候で畑作が盛んな十勝北部のまち、士幌町（しほろちょう）。特産品のジャガイモと『しほろ牛』は全国的に知られている。士幌町がワーケーションや新しい働き方を求める人に提案しているのが、家庭菜園を楽しめる「農園付き住宅」だ。2018年に建てられて以来、多くの人に利用され好評を博している。

市街地にある、士幌町社会福祉協議会が運営する共生型常設型居場所「みんなのもりのくまさん」。店内にはテーブル席や小上がりなどあり、Wi-Fiも使用可能。ドリンクも1杯100円で用意されている。誰でも気軽に利用できるのが魅力で、交流を求めて地元の人たちが自然と集まる。

「どんな方々も気楽に立ち寄れる癒しの空間」と、自身も移住者であるコーディネーターの中村 靜さん。町民の作品も展示されている

高い建物がなく、見晴らしのいい市街地

「士幌高原ヌプカの里」は、十勝平野を一望する士幌高原に広がるネイチャーリゾート。大雪山国立公園内にあり、キャンプ場やコテージ、木製遊具、植物園など雄大な自然の中で楽しむことができる。白雲山の登山口にも近く、野生動物や高山植物の観察もできる。

「ロッジヌプカ」に隣接する高山植物園では、大雪山系で見られる貴重な高山植物を見ることができる

運がよければ、希少動物のナキウサギなどの野生動物に出会えることも

テレワーク・ワーケーションなどの新しい働き方にチャレンジしたい人、恵まれた自然環境の中にオフィスを構えたい人、農園づくりを楽しみながら暮らしたい人に向けて、士幌町では2018年に「農園付き住宅」を新築。家具・家電付きの2LDKで、一人はもちろん家族でも利用できる充分なスペースを確保。仕事に必要な事務カウンターや書庫、インターネット環境も整っている。さらに全４棟のいずれにも約100㎡の庭が用意され、家庭菜園やガーデニングが楽しめる。場所は市街地から少し離れ、静かな山里でゆったりとした気分で仕事ができる。
「しほろ温泉プラザ緑風」が目の前にあり、北海道遺産認定の「モール温泉」を堪能。とろりとした質感のお湯で肌がしっとりすると評判だ。ほかにも足湯やパークゴルフ場もあり、気分転換には最適。“しほろ暮らし”を体験するベストチョイスといえそうなのが「農園付き住宅」だ。

作りつけの事務カウンターはデスクワークにぴったり

足湯で仕事の合い間の気分転換を

2LDKの住宅は家具・家電完備ですぐに生活が始められる

「農園付き住宅」 体験利用者インタビュー

2018年にキャンピングカーで道内を周遊し、最終の車中泊地で帯広に初めて来ました。「帯広の森」では「リス注意」の看板があり、足元を自由に走り回るリスに感動。ナキウサギやモモンガが見られる場所も近くにあり、夏・冬に何度も足を運ぶうちに顔馴染みの方もできて、野生動物の事などをいろいろ教わり、人のあたたかさを感じました。

間近で野生のエゾリスが見られ写真が撮れることもうれしい

訪れる度に十勝に住みたい思いが深まり、移住体験をしようと調べたところ、十勝管内の3自治体を候補に検討。中でも士幌町の施設が一番充実していて家庭菜園ができることから、一番の候補になりました。2024年度に移住体験を予定していましたが、偶然お会いした農園付き住宅の居住者が2023年3月に退去することを知り、予定を繰り上げて定年退職後すぐの2023年6月に入居、妻も有給休暇の消化で定年退職前の8月から入居し、体験生活がスタート。一年を通した季節の移り変わりや北海道生活を経験でき大変楽しく、移住体験を利用して本当によかったと思っています。

初めのうちは手探りだった畑仕事も、今では耕運機の扱いも手慣れたもの

釣りが趣味の西澤実さん。自分のペースで存分に釣りを満喫

冬は近所の斜面などを利用してミニスキーなどを楽しめる

ACCESS

東京より空路でとかち帯広空港まで約1時間40分。空港より車で約1時間。

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