2024/09/04 11:30
北海道生活
北海道の庭|今週の花(9月3日) 夏の終わりの‟実もの”たち
夏の終わりの北海道。実ものの彩りと、その収穫や加工を楽しんでいます。食べらるものはジャムなどに。
札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
北海道にしては暑い夏でした。お盆を過ぎるといつもでしたら急に秋の風になるのですが、今年は残暑も厳しいようです…。でも、少しずつ空も高くなり、秋が近いづいてきていることを感じます。
庭には多くの実ものがなり、収穫と加工を楽しんでいます。
ブルーベリーは庭に7本あります、種類は3種類。一度に2kgくらい収穫できます。実をきれいに洗ってゴミや茎などを取り除き、ちょっとゆるめの甘さの少ないソースをつくって冷凍保存。毎朝のヨーグルトにかけて食べています。水道水がこの時期になっても生ぬるく、残暑の中での水仕事は涼しくてよいものです。
ブルーベリーの実。グリーンの未熟期から少しずつ赤みを帯び、青~紫みのある黒く熟した実になる。その色の変化も面白く、収穫に向けてワクワク感を高めてくれる
ブルーベリーは割と育てやすく、場所もとることなく、手軽に楽しめる小果樹。生食はもちろん、ジャムなどにしても美味しい
ブラックベリーも庭のあちらこちらで実がなり、手の届かないところは鳥に食べてもらっています(笑)。こちらもジャムにしますが、タネがあるので濾さなくてはなりません。それがちょっと手間なのですが、きれいな色と甘酸っぱい味わいが好きなので頑張ってつくっています。
テーブル脇の壁面に、実を付けたブラックベリーのつるが垂れ下がっている。後ろの木に絡んでいる?!
赤い実が、黒くなったら食べごろ!生食も美味しいし、ジャムに加工し冷凍保存するのもおすすめ
ほかには、実ものではないですがルバーブのジャムもつくります。赤くなった茎を使うのですが、すごく簡単で、茎を小口切りにして砂糖を加え、ちょっと置いてなじませたら、20分ほど煮込んでおしまいです! 仕上げにレモンを少し入れます。簡単に食物繊維の多いジャムができあがります。腸内環境を整えてくれるので、便秘改善やデトックスに効果が期待できるのだそうです。
日本ではあまり馴染みがないようですが、主に北海道や長野県で栽培されています。イギリスでは特に好まれて食されています。ジャムやケーキに入れたりしていますね。
ルバーブの大きな葉っぱ。赤くなった茎を収穫して、ジャムづくりに利用にする
これからはトマトのジャムなどもつくるので、冷凍庫がほぼいっぱいになります。秋から冬にかけて毎日少しずつ食べていくと、春にはちょうどなくなります。お土産にあげるものもあるのでたくさんは残りませんが、夫婦二人で食べるには十分です。
ブラックベリー(左)、ルバーブ(右)のジャム。色もきれい! つくった日付も記載して冷凍保存しておく
庭では、大きく育ちすぎたキュウリもちらほら。これらは佃煮にしています! 醤油漬けの漬けもの「きゅうりのキューちゃん」に似たような味わい。こちらも小分けにして冷凍します。甘辛くて、ご飯によく合います。先日、友人から「納豆に混ぜて食べるとおいしいよ」と教えてもらいました。野菜嫌いな夫も「おいしい」と言って、食べていますね。
さて、庭の宿根草は一段落して、一年草のアスターやジニア、ダリアが咲いています。ピンク、ワインレッド、紫、グリーンなど色合いもきれいで、花瓶に挿したり、小さくまとめてお仏花にしたりしています。
食べられない実ものは、その様子を楽しんでいます。アメリカ(洋種)ヤマゴボウが大きく育ち、たくさん実を付けますが食べられません。タネが飛んでいろんな場所から芽を出すので、小さな株の姿を楽しんだあとは抜いてしまいます。放っておくとものすごく大きくなるので、数カ所だけに留めています。
アメリカ(洋種)ヤマゴボウ。緑色の実から青みを帯びてきて、その様子がアクセントに。さらに、熟す頃には房の軸や柄は赤く色づき、実は黒くなり、その色の変化を楽しめる。実は毒性があるので注意!!
ブドウも5カ所に植えていますが、消毒もカットもしないので食べません。庭に遊びに来る鳥さん用です。伸びたつるは秋に収穫して、リースづくりの土台に利用。クリスマスやお正月のドア飾りに使います。
実もまばらなブドウは鳥たちが実を食べ、つるはクラフト用に利用
そのほか、アマドコロやウドの実、赤いヒペリカムなど、食べられませんが可愛い実を眺めて楽しんでいます。ローズヒップの色づきももうすぐですね。
左/アマドコロ 右/ウドの実
ヒペリカムの可愛い実
ローズヒップはまだ緑色。赤く色づくのが楽しみ
グラス類の穂がちらほら見えてきて、少しずつ秋を感じさせますが、秋は果物(くだもの)や野菜もおいしい季節です。隣り近所からいろいな野菜をいただいたり、近くに産直のお店もたくさんあるのですぐに手に入ります。都会に近い「田舎暮らし」の楽しい時期です。
稲穂も頭を下げてきましたから、もうすぐ新米も出てきますね。台風などにあわないように…と、願っています。
プロフィール
走川 貴美
「オフィス グリーンサム」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。