2024/09/07 10:30
北海道生活
北海道 宿根草の育て方|9月 初秋の庭の管理と秋植え球根
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
文・写真:高林 初さん(苫小牧市・観光庭園 イコロの森)
初秋の管理と2度目の株分け適期! 秋植え球根も並ぶ時期
9月の北海道は、夏の名残と秋の気配が入り混じり、天気や気温の変化が大きな季節です。植物の状態の変化もこまめに観察しながら、以下の作業を行ないましょう。
イコロの森では、ヘリアンサス‛レモンクイーン’が見ごろ。宿根性のヒマワリともいえる太陽に負けないような明るい花色
ボーダー花壇にはセダムの花が咲き、ススキが穂をあげて少しずつ秋めいている
●除草はオールシーズン行なう
除草はオールシーズン、最も大切な作業です。この瞬間の景色を整えるとともに、植物の生育を促し、病虫害を未然に防ぐことにもつながります。園路沿いや花壇前面の小さな雑草と、宿根草の中から出る背の高い雑草を見つけたら都度取り除きましょう。
花壇の前面と植物の間から出てくる背の高い雑草さえ取り除けば、整然とした花壇に見える
●ダリアは花切りすると次々咲く
この時期に開花する種類の多く(フロックスやセダム、ワレモコウ、ユーパトリウムなど)は、ほとんど花切りを行なう必要はありません。タネの結実まで鑑賞できますので、放置して秋まで楽しみましょう。ただし、ダリアは都度花切りをしましょう。花切りをすることで、次々と開花してくれます。
ダリアは花切りをすることで次々と開花し、秋に向かう庭を華やかに演出してくれる
●秋は移植や株分けの2度目の適期!
秋は、春に次ぐ移植や株分けの適期です。晴れて暑い日は避け、曇りや小雨の日を狙って行ないます。作業後の数週間は植物に変化は見られませんが、観察を続けてください。
この季節に移植や株分けを行なう種類は、寒さに強く、春から初夏に開花するものがおすすめです。プルモナリアやヘレボルス、プリムラやアイリスなどで、大株になり込み合っているものや、花数が少なくなってしまった株などを対象に行ないます。作業時には根を傷めますので、地上の枝葉は半分~2/3程度切り落として蒸散を抑えるとよいでしょう。
株分けの際、掘る前に茎や枝葉を半分程度に刈り取って蒸散を抑える
作業はなるべく9月中に済ませ、気温が本格的に下がる前に少しでも根を成長させると越冬が安心です。今まさに開花中のものや、耐寒性の心配な種類は、春に行なうように計画を立てておきましょう。
●秋植え球根が店頭に並ぶ時期!
秋植えの球根が園芸店などで見かけられるようになります。既存の宿根草の中に植えても根の成長を邪魔せず、春から初夏に彩りをプラスできるので、ぜひこの機会に球根を買い求めて、植え付けに挑戦していただきたいと思います。
多くの種類がありますが、主なものは以下の通りです。
・スノードロップ
雪解けとほぼ同時に白い小さな花が咲きます。小さいので少し多めに植えるか、限定されたエリアにまとめて植えると見栄えがします。
スノードロップ
・ミニアイリス
草丈10㎝程度ですが、花は鮮やかで花壇でもよく映えるミニアイリス。球根で流通しています。春はほかの宿根草が動く前に開花するので、花壇のどこに植えても目立ちますが、日当たりのよい場所に植えましょう。植木鉢でも上手に育てられます。
ミニアイリス 写真は人気の品種‛キャサリン ホジキン’
・フリチラリア
種類が豊富で、その性質や見た目も種類によって大きく異なりますが、赤紫色で蛇の目柄の花が咲くメレアグリスは定番の人気種。
フリチラリア メレアグリス
・カマッシア
5月中旬以降に開花するので、同時期に開花する宿根草との組み合わせを楽しめます。青花と白花があります。北海道でも丈夫に育ち、分球して増やしやすいのも嬉しいです。
カマッシア
・スイセン
近年は小輪のものや白花の種類が人気! 動物の食害にもあうことも少なく、丈夫で育てやすいです。
スイセン ‛ミノウ’
スイセン ‛サン・ディスク’
・原種系チューリップ
小型で開花期が早いです。自然な雰囲気が魅力で、植えっぱなしで長年楽しめます。
原種系チューリップ ‛ホンキー・トンク’
原種系チューリップ トルケスタニカ
・チューリップ(園芸品種)
豊富な種類の中から花の色・形、草丈の高さや開花時期など、好みのものを選ぶことができます。それぞれの特徴を生かして組み合わせるのが最近の楽しみ方。丈夫さは種類によって異なり、植えっぱなしでも長く楽しめるものもあれば、一年で球根が消耗してしまうものもあります。
数種類のチューリップと、フリチラリアを組み合わせた寄せ植え
林床の散策路に咲くナチュラルな演出。木々の芽吹きとともに春らしい雰囲気
ボーダー花壇のチューリップの彩り
・アリウム
豊富な種類があり、秋植え球根で流通するものも多いです。花の大きさや高さ、開花時期も微妙に異なるので、好みに合うものを選んで楽しみましょう。日当たり、水はけのよい場所を好みます。
アリウム ‛グローブマスター’
球根はそれ自体に多くの栄養を含んではいますが、植えっぱなしで何年も咲かせたい場合はやはり土づくりが大切です。腐植をたっぷりすき込んでから植えるとよいでしょう。できれば10月までには植えてしまいたいです。
植える深さは、球根の大きさの2~3倍が目安。球根によって形は異なりますが、上下をしっかり確認しましょう。庭に植えた場合、土に含まれる水分や自然の降雨で充分なので、潅水は不要です。あとは春に花が咲くのを待つばかり。宿根草の苗を植えるのとは一味違ったワクワク感を味わえますよ。
プロフィール
高林 初
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
Instagram ikor_no_mori
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