2024/09/07 10:30
北海道生活
北海道 バラの育て方|9月 来シーズンに向け、バラの「植え床づくり」
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
来シーズンの庭計画とともに、10月には植え床の準備を
8月中は後半じめっとした天気が続き、バラにとっても人間にとってもあまり気持ちのいい天気ではなかったですね。病気を抑えるのに苦慮したかと思います。薬散、忌避剤散布を行なっている方はあと少しの辛抱です。最後までしっかりと対策と作業を続けていきましょう。
8月末頃のバラ園の様子(いわみざわ公園バラ園)。四季咲きのバラが咲き続いている
今回は、秋に行なっておくと来春に余裕を持てる、「植え床づくり」について説明していきます。
作業自体は、植物が休眠に入る10月下旬くらいに行なっていただきたいのですが、使う資材の検討・準備などもありますので、前もってお伝えしておきたいと思います。
9月頃からはナーサリーや園芸店などでも苗の予約が始まりますし、来年のお庭の計画を行なうにはいいタイミングです。新しく植物を植える際には、しっかりと植え床をつくっておきたいです。だからといって、植え床(植える場所)の土をすべて新しい土に入れ替えるてしまうと、周りの土との馴染みが悪くなりますので、たいだい3割程度は元々の土を混ぜてあげるとよいです。
土の状態によって、何を混ぜればよいかは変わりますので細かく言及はしませんが、堆肥類は全体の土の量に対して3~4割程度を目安に混ぜ込むとよいでしょう。動物性ならば馬ふん堆肥や牛ふん堆肥、植物性なら腐葉土やもみ殻堆肥などは土壌改良の効果が高い資材になります。腐熟のものは土の中に入れると発酵して熱を持つので、完熟の堆肥を使いましょう。
●植え床づくり
1. マルチングしている場合はしっかりと取り除き、チップなどを土の中に入れないようします。
表土を覆っているチップなどのマルチング材は取り除く
2. 直径30㎝の円柱状に掘っていきます。広くできるのであれば、これよりも広く掘って大丈夫です。
広さは周りの植物にも配慮して決めるとよい
3. 深さは50㎝が目安。すり鉢状にならないように注意してください。スコップに目印をつけておくとわかりやすいです。
深さ50cm(スコップの緑テープライン)が目安
4. 元々の土と堆肥を均一になるように混ぜながら、少しずつ踏んでいきます。
土と堆肥を混ぜながら、少しずつ踏み固める
5. 最後は、植え床がわかるように、目印を挿しておくとよいでしょう!
秋に植え床をつくっておくと春の作業がラクになるだけではなく、新しい土が周りの土とよく馴染んで、春にバラを植えた際の生育もよくなってきますので、ぜひ秋に行ないましょう。
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
Instagram iwamizawa_rosegarden
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