2024/08/31 12:30
北海道生活
北海道白糠町 チーズ工房「白糠酪恵舎」のミルクを活かしたチーズづくり
北海道の東部、白糠町にあるチーズ工房「白糠酪恵舎(しらぬか らくけいしゃ)」は、帯広畜産大学の「ミルク&チーズコンソーシアム」に参画し、今年7月に1年生約60人を対象にしたモッツアレラチーズ実習を行ないました。
白糠酪恵舎は、釧路空港から車で約40分の自然豊かな中茶路地区に位置するチーズ工房です。“食べた人を幸せにしたい”という想いを込めて、日々本気でチーズづくりに取り組んでいます。
代表取締役の井ノ口 和良(いのくち かずよし)さんは、元北海道庁職員(農業改良普及員)から転身し、イタリアでの修行を経てチーズ職人に。井ノ口さんがチーズ職人を志した背景には、当時の北海道の「地元の牛乳を地元の人が飲めない」という状況がありました。
戦後の政策により、北海道で生産された牛乳は主に東京で消費される構図が長く続き、北海道は酪農王国でありながら、地元での乳製品を食べる文化が根付いていなかったのです。こういった背景もあり、井ノ口さんは「地元で乳製品を食べてもらうためにも、チーズで郷土料理をつくろう」と考えたのです。
白糠酪恵舎・代表取締役 井ノ口 和良さん。「民族や気候風土、歴史なども理解していくと、イタリア人がチーズに対してどう考えているかおのずと腑に落ちる」と語る
酪恵舎のチーズづくりで最も重視していることは、「ミルクを活かす」こと。ミルクの本質である「お母さんの愛」を大切にし、やさしさと強さを技術的に裏付けたチーズづくりを心がけています。井ノ口さんは「ミルクを活かす」ことを最も重視し、「ああ、おいしい」「また食べたい」と思ってもらえる、安全で栄養があり、おいしくて買いやすい“食べ物”としてのチーズを提供することに力を注いでいます。
青空の下、のびのびと過ごす「対木牧場」の牛たち。ここの牛乳が酪恵舎のチーズに使われている
酪恵舎の直売所は、まるで絵本の世界に飛び込んだような可愛らしい店構えで、チーズをはじめ、ソフトクリームや手づくりバターなども販売しています(ソフトクリームは期間限定)。ショーケースに並ぶさまざまな種類のチーズには、それぞれの美味しい食べ方が記されており、食材としてのチーズであることがよくわかります。
酪恵舎のチーズ工房に隣接している直売所
直売店にはさまざまな種類のチーズが並ぶ
さらに、町内の飲食店では酪恵舎のチーズを使ったメニューを味わうことができ、例えばレストランはまなすでは「酪恵舎モッツァレッラの白いチーズ・カレー」が提供されています。
レストランはまなすの「酪恵舎モッツァレッラの白いチーズ・カレー」
酪恵舎の敷地内では、時間によっては窓越しにチーズ製造を見学することもできます。ミルクのやさしい味わいが広がるチーズと、見わたす限りの大自然。酪恵舎は、訪れた人の心をほぐすチーズ工房です。
チーズ工房「白糠酪恵舎」
住所/北海道白糠郡白糠町茶路東1線116番地11
TEL/01547-2-5818
アクセス/(帯広から)白糠IC出口から車で約9分、(釧路から)白糠IC出口から車で約9分、(白糠町から)JR白糠駅から車で約13分、(釧路空港から)車で約40分
チーズ工房 白糠酪恵舎(直売店)
- 住所/北海道 白糠郡白糠町 茶路東1線116番地11
- 電話/01547-2-5818
- 営業時間/9:00~16:30
- 定休日/不定休・年末年始
- 駐車場/-
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・白糠町
北海道白糠町は北海道の東部に位置する人口約7,100人のまち。豊かな自然に恵まれ漁業、林業、酪農などが盛ん。太平洋沖の暖流と寒流が交わる絶好の漁場にあり、1年を通じてさまざまな海産物が獲れ、茶路川、庶路川、音別川と鮭が産卵に帰ってくる川が3本もある恵まれた立地から「秋鮭」「いくら」の漁獲量が高く、ふるさと納税の返礼品としても高い人気を誇ります。近年は「ブリ」の漁獲量が増え、「極寒ブリ™」として新たな名産品の一つになっています。
白糠町、チーズ工房「白糠酪恵舎」/エリア近郊の空港「釧路空港」