2024/08/23 15:00
北海道生活
夏の疲労回復レシピ!ハスカップとハーブで仕込むミョウガの甘酢漬け
今回は、旬のハスカップとフレッシュハーブで仕込む、ミョウガ(茗荷)の甘酢漬けをご紹介。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。
取材協力:かりの あさの さん(herbarist・ハーブ研究家)
北海道も暑い日が続くようになってしまいましたね…。お盆が過ぎて少しだけ暑さが和らいだ気もしますが、蓄積された‟暑さ疲れ”が出始めるころかと思います。
今回は、ハスカップとフレッシュハーブで仕込む、ミョウガ(茗荷)の甘酢漬けをご紹介します。ミョウガを食べあとの漬け込み液も炭酸やお湯割りでドリンクとしても美味しくいただけるので、無駄なく楽しめます。
ハスカップとハーブのミョウガの甘酢漬け(右)と、ハスカップの塩漬け(左)
ハスカップは、アイヌ民族の間でも「不老長寿の実」として重宝されていた、北海道に自生する果実の一つです。道内では苫小牧(とまこまい)や厚真(あつま)などで栽培が盛んですが、近年では道内各地で栽培されるようになり、さまざまな加工品に利用されています。
酸っぱいイメージが強いハスカップですが、品種によっては甘さを十分に感じられるものもあり、私はブルーベリーとともによく使う果実です。その魅力の一つに、赤ワインのような色素があります。そして、眼精疲労や視力維持に役立つとされる抗酸化作用の高いアントシアニンや、意外にもカルシウムも含まれていること、アンチエイジングのビタミンEやお肌の健康に役立つビタミンCなど、疲労回復に必要な栄養素が豊富に含まれていてスーパーフードと呼べるものなんです。
ハスカップの実
私は余市(よいち)にある果樹園に、冷凍されたものを買いに行きます。余市はさまざなま果樹栽培のまちでも知られています。ハスカップをつくっている果樹園もあるので、一年分を購入して冷凍保存しておき、何か仕込むときに使うようにしています。ハスカップは低木果樹なので、庭で育てることも可能ですよ。
生食が栄養素を多く摂取できるので、お酢に漬けるのが簡単でおすすめ。 ハスカップは香りが薄いことや、ブルーベリーよりも高価なため、同じような色味が出てフルーティな香りがするブルーベリーと合わせて使うのもおすすめです。
ハスカップとハーブで仕込むミョウガの甘酢漬け
[ 材料 ]
・ハスカップ 適量(今回は、冷凍ハスカップを使用)
・ミョウガ(茗荷) 3〜5個
・レモンバーベナ 数本
・氷砂糖 適宜
・お酢(今回は米酢)
・消毒した容器
酸味があるものには、酸味のあるフルーツ系の香りのハーブを合わせると違和感が減ります。レモンなどの柑橘系のフルーツや、今回のようにレモンの香りがするハーブ「レモンバーベナ」を組み合わせても美味しく仕上がります。まさにレモンのような柑橘系の香りのレモンバーベナは、フランスではベルベンヌと呼ばれ、ハーブティーで親しまれているハーブ。
タイムやセージにもレモンの香りがする品種がありますよ。また、ミント系を加えるとすっきりと爽やかさがアップします。
レモンバーベナ。我が家は鉢植えで育て、夏は庭に出し、冬は戸外で越冬できないので室内で管理している
また、ミョウガもハーブの仲間です。ミョウガにはハスカップと同様に、アントシアニンやむくみ改善に役立つカリウムなどが豊富に含まれていて、庭(地植え)やプランターでも栽培できます。香り成分のアルファピネンには食欲増進作用が期待できるので、暑さでバテそうなときや食欲がないときにもってこいですね。
[ つくり方 ]
1. 刻んだミギョウガを容器に入れ、 レモンバーベナも一緒に入れます。
ミョウガをカットして容器に入れる
庭で育てているレモンバーベナを使用。一緒に容器に入れる
3. ハスカップを加えます。冷凍の場合は凍ったまま入れても大丈夫です。
4. 氷砂糖は、お好みの甘さに合わせて量を調整。少なめに入れ、溶けた後に味見をして追加すれば、甘過ぎにならないですよ。
ハスカップを加える
氷砂糖を加える
5. 酢をひたひたにそそぎます。その瞬間からきれいな赤い色になります。あとは数日常温で寝かせて、時々混ぜたら完成です!
酢を加えるときれいな赤色に。漬けたミョウガにも色がつく
漬けたミョウガは、おつまみのように食べるのもよいですし、細かく刻んでごはんに混ぜて、さっぱりとした味わいの酢飯のようにしてもいただけます。数回はミョウガを足して、味わいを楽しめると思います。
また、ミョウガの香りとハスカップの栄養が詰まった液体は、炭酸水で割ると爽やかな和風テイストな一杯に。
刻んだミョウガの甘酢漬けと少量の漬け液を、ご飯に混ぜ合わせておにぎりに。手前は漬けたミョウガとハスカップ、奥のドリンクは漬け液を炭酸で割ったもの
ハスカップとフレッシュハーブで仕込むミョウガの甘酢漬けは、赤シソやレモンを輪切りにして加えるなどアレンジが楽しめるので、お好みで試してみてくださいね。
また、ハスカップは「塩漬け」もできます。つくり方は、ハスカップの量に対して10%の塩を加えるだけ。まだまだ暑い今時期は、数日で塩漬けが完成します。
消毒した容器に、ハスカップと塩を入れて漬けるだけ
ハスカップと塩を混ぜると濃い赤色に
塩漬けした実をご飯に混ぜて、塩味のきいたピンク色のご飯や、おにぎりにすると美味しいですよ。そのほか、スライサーで薄く切った大根と塩漬けの液体を、ジッパー付きのビニール袋に入れて漬けると、ピンク色のお漬物ができあがります。こちらもぜひお試しを。
プロフィール
かりの あさの
herbarist・ハーブ研究家。北海道札幌市内に在住。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。
・かりのあさの lit.link(リットリンク)https://lit.link/karinoasano
HP「ハーブまるごと活用生活」、Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「karinoherb」をまとめて掲載中