北海道の庭｜今週の花（8月20日）　趣があるアジサイ、華やかなアナベル

北海道・長沼町にある我が家の庭は、夏の雨にも似合うアジサイ類、華やかな雰囲気の‛アナベル’が咲き続いています。
札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。

我が家の夫婦二人は、「アジサイ」が好きです。花色が少しずつ変化していく様子を楽しんでいます。秋色アジサイになるのはもう少しあとですが、リースにしたりドライフラワーにして飾ったりと使い方もいろいろ。夫が買ってきて植えたアジサイがたくさんあるので名前はわかりませんが、ガクアジサイが多いようです。

夏の庭にアジサイが咲く様子はなんだか涼し気で、今年の夏の蒸し暑さを緩和してくれているような気がする

アジサイの花の上でひと休みしている、可愛いカエルの姿。花びらをギュッとつかんでいる（？）笑

一昨年、除雪の際に根元まで刈り込んでしまったアジサイは、去年は花を付けませんでしたが、この夏は数倍大きくなってたくさんの花を付けてくれました。刈り込んだおかげで、枝数が増えたのです。怪我の功名というところでしょうか！

いろいろなアジサイが庭で咲いています。同じ紫色の花でも、色の濃淡があったり、やや青みやピンクを帯びるもの、花の付き方や花びらの形も品種によって異なります。青花や白花も色味がそれぞれ違い、どれも素敵ですね。

30年以上前のことですが、アメリカアジサイ（西洋アジサイ）‛アナベル’は、帯広の紫竹ガーデンでおばあちゃまに勧められたのが出会いです。現在、我が家の庭にある‛アナベル’は、そのときのものを挿し木しして増やした株です。「絶対に流行るから、持っていきなさい」と勧められたのですが、その通りでしたね。先見の眼があったのですね！

‛アナベル’が庭のあちらこちらに咲く。上／自宅前のテラスの周囲に白花の‛アナベル’と‛ピンクアナベル’も！　下／奥の庭の様子。丸く大きな花房が目を引く

今年は、春先に鶏ふんを撒（ま）いたので、どの株もとても大きくなりました。雨が降ると、重たい頭（花房）を下げています。小降りになったら雨粒をふるってあげると、また元に戻ってきます。

‛アナベル’は、咲き始めはグリーンで、一時期真っ白な花色になります。その後、またグリーンを帯びてきます。8月中旬以降に、グリーンに変色してきた花を摘んでドライフラワーにし、リースづくりに使ったり、スワッグにしたりして一年中楽しみます。今年もアナベルのリースづくり教室を行なう予定ですが、たくさんの方に来ていただけそうです。ヘリクリサム、エリンジウム、ルリタマアザミ、センニチコウなどもドライフラワーになって出番を待っています。庭のテラスのパラソルの下でおしゃべりしながらつくるリースは、それぞれに個性があふれ楽しい思い出になると思います。

花が集まって丸く咲く、可愛らしい姿。‛アナベル’は咲き始めはグリーン（右）、満開時には真っ白い花に（左）。そして、退色してまたグリーンを帯びてくる

‛ピンクアナベル’は、帯広の真鍋庭園から取り寄せたものです。最初はヒョロヒョロの小さな苗で「育つのかしら？」と心配でしたが、その頃の姿からは想像できないくらい大株になりました。肥料のおかげで少し大きくなりすぎて倒れやすくなったので、来年は肥料を少し控えめにしようと思います。
花色は、最初はきれいなピンク色ですが、徐々にくすみが増していきます。この頃のニュアンスカラーが好きです。こちらも色が変わった頃にドライフラワーにします。

愛らしい花色の‘ピンクアナベル’（右）も、退色してくる8月中旬以降（左）に収穫してドライフラワーに

さて、‛アナベル’の挿し木についても、意外と簡単なのでご紹介しておきましょう。
挿し木から育つ様子を見守る楽しみや、上手に育ってくれるとより愛着が湧いてきますよ。大きく育ってきたら、庭の好みの場所に植えて引き続き大切に育ててください。

３節つけて花ごと切り取る

２節目の上でカット

上の葉を半分に切り、下の葉は取り除く

挿し木を1時間ほど水に浸す

挿し木（挿し芽）専用土が便利。鉢に用土を入れて、挿し木を挿す

このような感じで、‛アナベル’は割りと簡単に挿し木で育てられるので、ぜひチャレンジしてみてください。

北海道も、「蝦夷梅雨」と呼ばれるような梅雨の時期があるようになりましたね…。それが明けると本格的な夏となり、そしてお盆が過ぎると少し暑さが穏やかになって、いよいよ秋へと向かっていきます。が、今年はまだまだ暑さが続きそうですね。アジサイを眺めながら、もうしばらく夏の雰囲気が楽しめそうです。

カシワバアジサイ。三角錐の花房を付け、花色には微妙なニュアンスも。花後の葉も素敵

‘アナベル’と‘ピンクアナベル’の組み合わせ。大株なので庭でとても引き立っている

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