2024/08/08 14:30
北海道生活
北海道 バラの育て方|8月 枝が伸びたつるバラのシュート止め
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
つるバラのシュート止めを行ない、今から冬に備える
今年の夏もとても暑いですね。庭仕事をされている方は、頑張りすぎないように注意しましょう。
さて今回は、6月~8月にかけて伸びたつるバラのシュート止めについて説明していきます。
細くて長い枝のつるバラ品種の越冬は、ブッシュタイプ(木立ち性)の品種よりも難しく、冬が来る前にしっかりと株をつくらなければ、凍害で半分以下になってしまうことがしばしばあります。つるバラはシーズン遅くまで長く残って、構造物を緑で満たしていてほしいので、そのために行なうのが「シュート止め」です。
シュート止めは、伸びた枝の先を摘んで折る(伸長を止める)作業になりますが、8月上旬から遅くても中旬までに行ないます。こうすることで枝の伸びが止まり、水分が抜けて枝がしっかりと固まってきます。シュート止めを早く行えば、枝が早く固まり安心できますが、長さも短くなってしまうので、品種による枝の耐凍性を見極めて作業時期をずらすのもよいでしょう。
●シュート止めの工程
6月~8月にかけて伸びた、細くて若いつるバラのシュート
シュートの枝先を摘まんで折り、これ以上の伸長を止める
また、今伸びている枝は来年以降の主役となる枝です。この枝を切ってしまうと来年の花付きが悪くなってしまいますので、シュート止めした後は、邪魔だからといって切らずに誘引してあげてください。
この時期の作業によって、越冬時のダメージを回避し、来年きれいなつるバラを見ることができるかどうかが変わってきます。満開のつるバラに覆われたアーチ、壁面いっぱいに伸びた枝を目指して頑張りましょう。
●伸長中のシュートの誘引
誘引前。アーチやフェンス、ポールなどから飛び出している伸長中のシュート(枝)
誘引後。シュート止めした後は、構造物に伸びた枝を這わせて誘引するとよい
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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