2024/07/23 15:00
北海道生活
北海道の庭|今週の花(7月23日) 今が盛りのクレマチス!
北海道・長沼町にある我が家の庭は、バラが一段落し、クレマチスが花の最盛期を迎えています!
札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
バラが一段落して庭に少し静けさが戻りましたが、「次は、いよいよクレマチスの出番!」ということで、今まさにクレマチスが盛りを迎えているところです。
ジャックマニー系の青紫の花が好きなので、あちらこちらに植えています。庭のエントランス(入り口)付近だけでも、その数は10種を超えます。年々大きく育ってきているクレマチスが、お日さまに向かって顔を一斉に向け、私が家に帰ると「お帰り」と迎えてくれているようです。
遊びに来たお客さまを出迎えるエントランスには、アイアンのフェンスにクレマチスが華やかに咲く
車庫の隣に石油タンクがあるので、それを隠すように植えたものもあります。角度によっては、まだまだ透けて見えている部分があるので、将来的にはもっと複雑に絡ませて、「この裏にタンクがあるの?!」と気づかないようにしたいのですが、なかなか難しいものですね。
タンクを隠すために植えたクレマチス。品種は、エミリアプラター(上)とワーレンバーグ(下)。枝の伸長や花付のよい品種と組み合わせて、上手く隠したい
リビングの窓から見えるメインガーデンから奥の庭にかけては、その何倍かのクレマチスが植えてあります。移植を嫌うクレマチスは、一度植えたらその場所でどんどん成長して、毎年花数を増やしてくれます。本当にありがたい植物です。
つるを誘引する支えが必要になるため、アーチやトレリス、オベリスクなどを随所に設置して支えています。大きくなるとそれだけでは足りなくなって、上から垂れ下がってくるものもあります。それはそれでナチュラルな雰囲気の咲き姿を鑑賞でき、気に入ってます。
現在、盛りを迎えているクレマチスをご紹介しましょう。
庭を彩るクレマチス
●アフロディーテ エレガフミナ
インテグリフォリア系。枝は扱いやすく、秋には強剪定できます。鮮やかな紫色の花と濃い紫の花芯が相まって、大人っぽい雰囲気。花びらの縁に少しフリルが入る。
アフロディーテ エレガフミナ
●アラベラ
インテグリフォリア系、半つる性。淡い青紫色の花で、花芯とのコントラストが美しい品種です。花はほどよい大きさ、フェンスに誘引しています。
アラベラ
●エミリアプラター
ビチセラ系の品種。夏の始まりにぴったりの、爽やかな青系の花色。枝の伸びもよく花もたくさん付けるので、タンクの目隠しに使っています。フェンスや、オベリスクにもよさそうです。返り咲き性もよい。
エミリアプラター
●アルバ ラグジュリアンス
ビチセラ系で、秋には強剪定できます。白い花びらに緑が入る個性的な花色。やや下向きに咲いて、ナチュラルな雰囲気が気に入っています。
アルバラグジュリアンス
●フルディーン
ジャックマニー系。大輪の白い花はやや光沢があり、とても美しく見栄えもよいです。枝先から枝の節々にも花を咲かせてくれます。フェンスやオベリスクに!
フルディーン
●ジャックマニー
ジャックマニー系、四季咲きの大輪品種。青みがかった濃い紫色の花と、黄色い花芯の取り合わせ。横向き~やや下向きに咲きます。
ジャックマニー
●エトワール バイオレット
ビチセラ系。濃く鮮やかな紫色の花がとてもきれいです。四季咲き性で、長く咲き続いてくれるので重宝しています。
エトワール バイオレット
●ロマンチカ
ロマンチカ(ロマンティカ)、ビチセラ系の品種。ベルベットのような質感で、黒っぽい深みのある紫の花色。花芯とのコントラストも美しいです。
ロマンチカ
●ドクター ラッペル
パテンス系、やや早咲きで大輪の花を付けます。薄ピンク色の花びらに濃いピンクの筋が入り、とても目を引きます。ブドウ棚のところに誘引して楽しんでいます。
ドクター ラッペル
●プリンセス ダイアナ
テキセンシス、ビオルナ系。チューリップのような形をした4弁の花で、横向き~やや上向きに花を咲かせます。鮮やかな濃いピンクの花色も愛らしく、人気のある品種の一つです。
プリンセス ダイアナ
●マダムジュリア コレボン
ビチセラ系。きれいな赤色の花が目を引きます。黄色の花芯との取り合わせも素敵です。おおらかに枝を伸ばすので、フェンスに誘引して楽しんでいます。花もたくさん付けます。
マダムジュリア コレボン
クレマチスの庭での演出
つる性のクレマチスは、フェンスやオベリスク、アーチやパーゴラなどに誘引して、空間の彩りや高低差のある植栽デザインを楽しめ、さまざまな場所の演出に役立っています。
入り口の扉には、プリンセス ダイアナが表札を囲むようにして咲く
エントランスのフェンスを覆うのは、マダムジュリア コレボン(上)やエトワール バイオレット(下)、アフロディーテ エレガフミナやジャックマニーなど10種類のクレマチス。写真の白花は、宿根スイートピー
たくさんの花を付けるクレマチスのアーチ。踊場、ビオラ、ジャックマニーの3つの品種を組み合わせている
物干し場へと続く通路には、アルバ ラグジュリアンスを絡めたアーチ。目隠しにしている
奥の庭(裏庭)は、広い空間を埋めるようにオベリスクやフェンス、パーゴラなどに誘引。品種はジャックマニー、エトワール バイオレットなど
裏庭の休憩場所。木製の壁(フェンス)に、ジャックマニーを誘引して這わせている
ほかにも、連続アーチやバラとのコラボレーションなどありますが、今回はこのへんで。紹介した品種や演出が参考になれば、うれしいです。
庭では現在、宿根草の花々や‘アナベル’も咲いています。‘ピンクアナベル’もくすんだピンク色で可愛らしさをアピールしています。
咲き始めは真っ白な花の‘アナベル’と、‘ピンクアナベル’の組み合わせ。大株なのでとても引き立つ
そのほかキッチンガーデンでは、キュウリやナスが採れ始め、今年はじめて植えた「ひよこ豆」がサヤいっぱいに大きくなってきました。…このまま食べてもよいらしいのですが、農家さんに聞くと「葉が枯れるまで放っておくと、保存のできる豆になる」というのでじっと我慢して待つことにしました。
ひよこ豆のサヤが育ってきた!
サラダのトッピングやスープなどに自家製のお豆が使えるなんて夢みたいですね。トマトもあと少しで赤くなるでしょう。いろいろ楽しみな毎日です。
そういえば、久しく雨らしい雨が降っていないので、「雨が欲しいわ~!」と思うこのごろです。
プロフィール
走川 貴美
「オフィスグリーンサム」代表。「AMAサポーターズ倶楽部」代表、2016年に第27回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰受賞。日本フラワーデザイナー協会の講師なども務める。長沼町に移り住んで9年目、約750坪の庭を手入れしながら大好きな花々と緑に囲まれて暮らす。