2024/06/22 11:30
北海道生活
ハーバルライフ|収穫ハーブで簡単クッキング&菜園の防虫液づくり
今回は、庭で育つタイムとローズマリーを使って“簡単に楽しめるもの”を3つご紹介します。ローズマリーのソルトとクリームチーズ、菜園にはお手製の防虫液づくり。
このコーナーでは、香りを持つ植物の魅力に惹かれて、育てる、眺める、味わう―、日々の出来事をハーブ研究家のかりのあさのさんがつづります。
取材協力:かりの あさの さん(herbarist・ハーブ研究家)
6月に入り、我が家の庭のハーブや花々がみるみるうちに枝葉を伸ばして、大きく育っています。日差しが強くなり、葉色も濃くなってきました。
今回は、庭で育つハーブのうち、タイムとローズマリーを使って“簡単に楽しめるもの”を3つご紹介します。家庭菜園などに安心して使える「タイムの防虫液」をはじめ、料理の味わいアップに役立つ「ローズマリーソルト」と「ローズマリークリームチーズ」です。
6月中旬の我が家の庭。バラやクレマチスが咲き始め、ハーブも大きく育ってきた
Recipe.1 自家製!タイムの防虫液
菜園や庭づくりをしていると、虫の悩みはつきものです。できるだけ無農薬で対処したいので、せっかくなら育てているハーブを使いましょう。庭で育つタイムを使って、防虫液をつくれます! 安心して使用できるのもおすすめです。
庭で育つほふく性タイムの鉢植え。広がるようにして枝葉を伸ばしている
[ 材料 ]
・タイムの枝葉
・ニンニク
・鷹の爪
・焼酎などのお酒
タイムの防虫剤の材料
今回は、ほふく性のタイムを利用。タイムは枝葉が伸びていくと株の中心部が木質化してスカスカになるので、切り戻し作業の一環としても時々カットしてあげるとよいですよ。
タイムの持つ殺菌作用や、そのほか一緒に使用するニンニク、鷹の爪の害虫回避効果を期待して、今時期になると毎年、防虫液をつくっています。つくり方もとても簡単です!
[ つくり方 ]
【1】ニンニクをカットして、タイム、鷹の爪と一緒に瓶に詰めます。
【2】そこに焼酎をそそいで、10日ほど寝かせたら完成です!
カットしたニンニク、タイムと鷹の爪
焼酎をそそぐ
常温で10日ほど置いておけば、防虫液の完成! 水で薄めて使用する
私はアブラムシやうどん粉病の予防も兼ねて、水で薄めて植物にスプレーしています。鷹の爪やニンニクの成分は新芽部分に多くかかると葉焼けしてしまいますので、スプレー容器に「水 5:原液 1」 程度に薄めて使用します。
まずは新芽以外の枝葉にスプレーしてみましょう。不安な人はニンニクと鷹の爪の分量を少なめにするといいですね。直射日光が当たる時間帯の散布も避けた方が安心です。
できた防虫液を水で薄め、スプレー散布すると便利
recipe.2 ローズマリーソルト
我が家のローズマリーは鉢植えで育て、冬の間は室内管理しています。何年も経つと枝は木質化してきて、乾燥に強くなり扱いやすくなります。
ローズマリーの枝葉には精油成分が多く含まれており、触れると指がベトベトします。この精油には、脳の血流促進作用や毛穴を引き締める作用が期待でき、集中力アップやお肌の引き締めなどに利用されています。
※妊娠中や高血圧の方は、使用に注意が必要です。
ローズマリー。冬は室内管理、夏場は戸外に出して育てている。枝が木質化しているのがわかる
[ 材料 ]
・ローズマリーの枝葉
・塩
・ブラックペッパー
※お好みでイタリアンパセリなどを合わせてみるのもおすすめです。
ローズマリーソルトの材料
[ つくり方 ]
【1】消毒した瓶に、塩、刻んだローズマリー、好みの量のブラックペッパーをミルで挽いて加えます。
【2】ローズマリーの香りが塩に馴染むように、よく混ぜたらできあがり。
材料を瓶に入れる
よく混ぜて、できあがり!
小さめの瓶に、いろいろなハーブを利用してハーブソルトをつくってみるのも楽しいです。お好みのハーブでぜひお試しください。
ローズマリーは、豚肉やジャガイモ、玉ねぎと相性がよく、すっきりとした香りが食欲をそそります。厚めにカットした玉ねぎをグリルしたものに、ローズマリーソルトをパラパラと振りかけるだけで、立派な一品になりますよ。
玉ねぎのグリルに、ローズマリーソルトを振りかけて!
recipe.3 ローズマリークリームチーズ
ローズマリークリームチーズも、簡単につくれます! ローズマリーの香りがほのかに口に広がり、とても美味しいです。クラッカーにつけたり、サンドイッチになど使い方はいろいろです。
つくるときは、冷蔵庫保存で1週間以内に食べ切れる量がおすすめ。
クラッカーにローズマリークリームチーズをつけて、ワインやビールのお供にも◎
[ 材料 ]
・ローズマリーの枝葉
・クリームチーズ
・にんにく
・ブラックペッパー
ローズマリークリームチーズの材料
[ つくり方 ]
【1】クリームチーズを常温に戻してやわらかくなったところに、擦りおろしたニンニク、刻んだローズマリー、ミルで挽いたブラックペッパーを加えます。
【2】すべて加えたら混ぜ合わせるだけ。その後は冷蔵庫に入れて保管し、1週間以内に使い切るようにしましょう。
クリームチーズは常温に戻して使う。混ぜ合わせて、できあがり!
同じつくり方でバターを使うこともできます。ローズマリーバターは、パンにつけたり、お肉・お魚料理に添えたり、さまざまなメニューに活躍します。
材料の分量は、つくって保存する容器によっても変わるので、風味など好みに合わせて調整してみてください。
庭のハーブを防虫液づくりに利用したり、料理に使う際は、普段づかいの調味料にプラスすることでレパートリーが広がりますよ。1種類のハーブだけでなく、お好みでブレンドして、オリジナルの味わいを見つけるのもよいでしょう。
プロフィール
かりの あさの
herbarist・ハーブ研究家。北海道札幌市内に在住。ハーブやアロマの指導員などの資格を有し、30年以上植物と向き合い得た知識・経験をもとに、企業のアンバサダーや商品開発に携わる。また、さまざまな講座開催や公共の場での「みどりのまちづくり」のサポートなど、幅広く「ハーブのある暮らしの魅力」を伝えている。
・かりのあさの lit.link(リットリンク)https://lit.link/karinoasano
HP「ハーブまるごと活用生活」、Facebook「かりのハーブcom」やInstagram「karinoherb」をまとめて掲載中