2024/06/27 12:30
北海道生活
ポタジェ|栄養豊富なラッキョウの甘酢漬けと栽培について
今回は、収穫時期を迎える「ラッキョウ」の食べ方や、栽培についてご紹介します。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
6月に入って気温が上がり、ようやく北海道にも短い夏がやってきました。5月は気温が低い日が多く、生育が遅れていたポタジェの植物たちも元気に育ち始め、ホッとしているところです。今回は、そろそろ収穫時期を迎えるラッキョウの食べ方や栽培についてご紹介したいと思います。
本州産の生のラッキョウは、6月はじめ頃からスーパーの店頭に並び始めますが、北海道は1カ月ほど遅い7月はじめに収穫を行ないます。
採れたてのラッキョウ
ラッキョウを収穫したら、おいしく食べたいですよね。さっそく、ラッキョウのおいしいレシピをご紹介します。
Recipe ラッキョウの甘酢漬け
ラッキョウの甘酢漬けといえば、カレーライスのお供というイメージですが、ラッキョウの甘酢漬けとゆで卵、パセリをみじん切りにしてマヨネーズと和えれば、自家製タルタルソースにも利用できますよ。
今回は、塩で下漬けをしてから、甘酢に漬ける方法をお伝えしましょう。
塩で下漬けをすると本格的な味わいに
●塩漬けをつくる
塩で下漬けしたラッキョウを甘酢漬けに使用すると、お店でいただくような本格的な味わいを楽しめます!
[ 材料 ]
・土付きラッキョウ 約500g
・塩 25g
[ つくり方]
【1】
ラッキョウは、すぐに芽が伸びてくるので、早めに漬けるようにしましょう。購入する場合は、泥付きラッキョウがおすすめです。水で洗いながらラッキョウについている薄皮をむきます。水の中で揉むように洗うと、ラッキョウ同士がこすれて薄皮が剝がれやすくなります。
ラッキョウ同士をこするようにして洗うと、薄皮がむけやすくなる
薄皮をきれいに取り除く
【2】
薄皮を取り終えたら、茎と根を切り落とします。なるべく根元ぎりぎりに切ると、パリパリとした食感に仕上がります。
根元ぎりぎりのところで茎と根を切り落とす
根と茎を切り落としたラッキョウ
【3】
洗ったラッキョウ(水分がついたままでOK)と塩をジッパー付のビニール袋に入れ、袋の中でなじませてから袋の空気を抜きます。冷暗所か冷蔵庫に入れ、2日ほど塩漬けにします。徐々に水分が出てくるので、時々袋の上から揉み、真空状態になるように空気を抜きましょう。2日ほどでラッキョウに透明感が出てきます。
塩が馴染むように、時々袋の上から揉むとよい
●甘酢漬けにする
ラッキョウの塩漬けができたら、次は甘酢に漬けていきましょう。
[ 材料 ]
・塩漬けラッキョウ 約500g
・水 100ml
・リンゴ酢 200ml
・砂糖 150g
(てん菜糖や黒砂糖を使うとコクのある甘酢漬けになります)
・赤唐辛子 1本
(赤唐辛子はお好みで入れてください)
[ つくり方 ]
【1】
まずはじめに、塩漬けにしたラッキョウの塩抜きをします。時々水を変えながら、半日から一晩ほど塩抜きをします。少し食べてみて塩分が強いと感じる場合は、好みの塩加減になるまで塩抜きをしましょう。
水を変えながら塩抜きする
【2】
甘酢に漬ける前にラッキョウを湯通しします。湯通しすることで殺菌効果やパリパリとした食感に仕上げる効果がありますよ。鍋にラッキョウが浸かる程度の水を入れ、湯を沸かします。沸騰したら塩抜きしたラッキョウを入れ、10秒ほど湯通しします。すぐにザルなどに並べて水気がなくなるまで乾かします。
ザルに広げてあげると半日ほどで乾く
【3】
ラッキョウを乾燥させている間に、漬け汁をつくります。鍋に水とリンゴ酢、砂糖を入れ、ひと煮立ちさせてから火を止めて冷ましておきます。お好みでタネを取り除いた赤唐辛子を入れておきましょう。
今回は黒砂糖を使用。鍋はホーロー鍋など表面加工されたものを使うのがおすすめ
【4】
ラッキョウの水分が乾いたら、消毒しておいたガラス容器やホーロー容器などにラッキョウを入れ、漬け汁を被るくらいそそぎます。ラッキョウが空気に触れないようにラップをしたら、フタをして冷蔵庫で保管しましょう。
漬け汁を被るくらいそそぐ
空気に触れないようにラップをしてからフタをする
ラッキョウの甘酢漬けは、漬けて2週間後くらいから食べ始めることができます。保存状態がよければ1年以上保管できます。
簡単アレンジレシピ
甘酢に赤シソシロップや赤梅酢、赤ワインを加えると、赤色のラッキョウ漬けになります。料理の彩りやお酒のおつまみにもぴったりですね。
甘酢に赤シソシロップを加えたラッキョウ。シソの風味も楽しめる
冒頭に紹介した、ラッキョウのタルタルソースもおすすめです。ラッキョウの甘酢漬けとゆで卵、パセリをみじん切りにしてマヨネーズと和えるだけ、ぜひ試してみてくださいね。
自家製タルタルソース。優しい味わい
ラッキョウの栄養や栽培について
●ラッキョウ栄養と効能
ラッキョウは中国原産のネギの仲間で、ヒガンバナ科の多年生草本。日本には9~10世紀頃に伝わり、当時は薬用として利用されていたそうです。
ラッキョウは、ニンニクやニラなどと同じアリシンが含まれているため、滋養強壮に優れた野菜です。また、健胃、整腸、利尿作用などがあることから、便秘やむくみ予防も期待できます。まさに夏にぴったりの食材といえますね!
●ラッキョウ栽培
ラッキョウ栽培は、水はけのよい砂質土壌が適していて、あまり養分を必要としません。ラッキョウはタネではなく鱗茎(りんけい)を定植します。鱗茎とは、養分を蓄えて厚くなった葉が茎のまわりに多数重なって球状になったものです。ニンニクの栽培と同様に、1球が分球して数が増えていきます。一般的には2年目以降に花が咲いてから分球するといわれ、小粒のラッキョウが収穫できます。
1粒が分球して、いくつも付ける。ポタジェでは定植した翌年の収穫時に、ほとんどが分球している
栽培方法ですが、9月下旬~10月(札幌では9月中旬)に植え付けをします。ラッキョウの鱗茎を1個ずつに分けて、芽が出る方を上にして、10~15㎝間隔・深さ3~5cmで植え付けます。深く植えると分球は少なく大粒のものが収穫でき、浅く植えると分球が多くなって小粒のものができるといわれています。
つながっている場合は、1個ずつに分ける
10~15㎝間隔、深さ3~5cmで定植
春に新芽が出てきたら中耕と土寄せをしておくと、丸くてぷっくりとしたラッキョウが収穫できます。痩せ地でも育つので肥料はさほど必要ありませんが、葉が少ないときは追肥をしましょう。
6月~7月頃に収穫します。札幌では7月中旬に収穫。我が家のポタジェでは、ニンニクとラッキョウは栽培時期が同じなので隣に植えています。
左がラッキョウ、右がニンニク
収穫したラッキョウは、早めに塩漬けや甘酢に漬けにしましょう。また、収穫したラッキョウを次の栽培に利用することもできます。その場合は、できるだけ粒の大きいものを選び、風通しのよい日陰に置いて乾燥させておきます。植え付け上記を参照。
ラッキョウはニンニクと同じく栄養豊富なのはもちろん、病害虫の心配も少なく手間もかからず栽培できるので、とってもおすすめな野菜です。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401