2024/06/09 12:44
「北海道生活」編集長
やぎさん取材日記|利尻島で最北のラーメン、礼文島で幻の花に出会う。
6月、北海道の離島のハイシーズンが始まりました!
梅雨とは無縁のさわやかな空気、ウニなど美味しい海鮮、きれいな花、ほかには見られない絶景と、北海道の離島は魅力が目白押し。
ちょうど昨年の6月、ただいま発売中の「北海道生活」夏号・離島特集の取材に飛び回って(正確に言えば、フェリーや車で駆け回って)いたころの取材ウラ話をご紹介します!
“富士の島”利尻島で、日本最北のラーメンに出会った。
稚内港フェリーターミナルから利尻島(りしりとう)へ、カメラマンの車でフェリーに乗船。
いよいよ利尻島へ、離島の旅の始まりです!
利尻島は、“利尻富士”と呼ばれる利尻山がまるごと島になっているような、かなりの迫力のビジュアル。
フェリーで近づくにつれ、海にぽっかり浮かんだ富士の見事な姿に思わず声をあげてしまいます。
利尻といえば「利尻昆布」が有名ですが、昆布の中でも最高級とされる利尻昆布を使ったラーメンを取材。
日本最北のラーメン店「らーめん味楽」は、新横浜ラーメン博物館にも出店しているので全国でもご存じの方は多いでしょう。
単に「美味しいラーメン」と一言で片づけられない、利尻島の特産である昆布への思いと「おふくろの味」がベースになった、やさしい味わいのラーメンでした。
こちらも日本最北というウイスキー蒸留所にも取材してきました。
「カムイウイスキー」は、旅行で訪れたアメリカ人の方が「この地はウイスキーの聖地・アイラ島に似ている」と感動したのがきっかけで誕生したという蒸留所。
この夏には直営店もオープン予定だそうです。
利尻島には二つのフェリーターミナルがあります。
稚内からのフェリーは鴛泊(おしどまり)港に行くのですが、礼文島からの一部のフェリーや大型クルーズ船は沓形(くつがた)港に寄港します。
ちょうど「利尻うみねこゲストハウス」を取材した日、クルーズ船「にっぽん丸」が来ました。うみねこルックの人たちが旗を振って出迎える中、やってきたクルーズ船はあまりに大きくて、度肝を抜かれました。
利尻島ではほかにもたくさんのお店やスポットをまわり、1泊2日で弾丸取材させていただきました。
沓形港から礼文島へとフェリーで渡り、お次は礼文島の取材へとつづきます。
“花の浮島”礼文島で、幻の花とウニに出会った。
礼文島(れぶんとう)といえば、吉永小百合さん主演の映画「北のカナリアたち」のロケ地にもなった島。
今でもロケ地のセットが残されており、吉永さんが先生をされていた学校の校舎からは、利尻富士の絶景を見ることができます。
“花の浮島”といわれている礼文島は、6月が花のハイシーズン。
礼文島にしかない固有種の花が数多くあり、わざわざ来ないとみられません。
日本のエーデルワイスとも呼ばれるレブンウスユキソウも滅多に出会えないのですが、取材の日には運よく見ることができました。
こちらも固有種のレブンアツモリソウ。
花はほんのわずかな時期しか咲かないので、たった数輪の花でもたくさんの観光客が見に来ていました。
これらの花は群生地で見つけることもできますが、時期とタイミングと運だのみのところがありますので、「北海道生活」本誌では高山植物園も合わせてご紹介。お目当ての花を絶対見たい人にはおすすめですよ。
6月はウニ漁が始まるシーズンでもあります。
ウニ漁のある日は島全体が大忙し。とある取材先へ行くと「誰もいない!」……うそでしょ??
ちょうどウニが揚がり、ウニむきでお店を開けているどころではなかったようです。
特に礼文島のウニは高値が付くので、まさにオレンジ色の宝の山!
この取材時期はちょうどウニが高値で、地元で撮影したウニ丼も時価なんと6,000円!!
さすがに取材でも予算外なので、ミニ丼3,000円を注文し、超どアップで撮影しました。
そして涙をのんでカメラマンにお譲りして、食べてもらいました。カメラマンには撮影と運転をがんばっていただいているので、せめてものごほうびです。
というわけで、誌面にあるウニ丼を見れば、ウニのサイズが大きすぎることに気づいた方もいるかもしれません(笑)
海岸を撮影していたら、ウニの殻?骨?みたいなものを見つけました。
ウニが食べられないなら、せめて殻だけでも……とわびしい気持ちになりながらポケットに。
撮影は夜まで続き、宿のある食堂で晩御飯代わりにビールを注文。
糠ホッケと利尻昆布の佃煮が絶品!しかもお財布にやさしい価格で、こういう地元の方が食べている素朴なものが美味しいなあとすっかりウニへの未練はなくなりました。
すると、食堂のおっかさんが「これも食べるかい?」と出してくれた煮ものに、なんとウニが!!
「これなんですか?」と聞いたら、なんか適当に煮たやつだ~と、ゆるいお返事。
あるところにはある! 高級なウニ丼よりも、さりげないサービスにウニが入っていたことに驚きでした。
礼文島も1泊2日、弾丸ロケでなんとか取材ができました。
離島の旅、フェリーのもうひとつの楽しみ方。
今回は離島だけでなく、フェリーターミナルも取材しています。
稚内フェリーターミナルでは、売店での買い物が充実。
中でもお店オススメというのが「間宮堂 帆立ラーメン」。
利尻島のオタトマリ沼にある「利尻亀一」でも販売していました。
自宅でつくってみたら、そして、大きなホタテがごろり1個まるまる入っていて、なんとも贅沢。
ホタテのうまみがたっぷりの塩ラーメンです。この時はフェリーターミナルで買った磯海苔とネギを入れてみたので、さらに贅沢な一杯となりました♪
離島の旅を楽しむ方には、ぜひ「船印帳」を購入してみてはいかがでしょう?
御朱印帳のように使えますので、次の船旅が楽しみになりますよ!
(「北海道生活」編集長)
※この記事は「北海道生活」本誌2024年夏号より一部転載しています。