2024/06/08 15:00
北海道生活
北海道 バラの育て方|6月 無農薬で使用する忌避剤などについて
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
忌避剤などの使用で、無農薬・影響の少ない病害虫対策
6月に入ると、バラのつぼみも膨らんできて、開花を今か今かと待ちわびている頃でしょう。開花は楽しみですが、これからの時期は病虫害に対して気をつけなければなりません。
今回は、無農薬での病虫害対策で使用する忌避剤などについてお伝えしたいと思います。
現在、いわみざわ公園バラ園で咲いているバラ‘カナリーバード’(撮影日:2024/05/27)
こちらの開花し始めた‘ロサ スピノシッシマ’。病気にも比較的強い原種系バラ(撮影日:2024/05/27)
バラに優しい忌避剤など
①木酢液
木酢液は害虫忌避剤として虫を寄りつきにくくする効果と、エサとなり有用微生物が増えるのを手助けする効果があります。忌避効果を高めるために唐辛子などを混ぜたものもあります。
②キトサン液
キトサン液はカニ殻の抽出液で、発芽・発根の促進や植物の病害虫に対する抵抗性を上げる効果があります。また、木酢液と同様に有用微生物の増殖を助けます。
③光合成細菌
黒点病の胞子を破壊するといわれている放線菌などを増やす働きがあります。また、連作障害の防止にも効果があります。
黒点病に侵された葉。基本的に下葉から症状が出るので、忌避剤などを散布する時は葉の裏や下にもしっかりと散布する
④BT剤
毛虫やイモムシなどに効果のある殺虫剤です。自然由来のBT菌が使われているものが多く、有機JAS認定を受けている薬もあります。さなぎになる前の初期段階では、しっかりと効果を感じることができます。
無農薬で「〇〇に効く」とうたわれているものはたくさん種類があります。今回は、その一例としてご紹介しました。
無農薬栽培で使用する忌避剤などには、基本的に化学農薬を用いた際のような即効性はありません。しかし、土をつくり、健康的な株に育てることは、バラにとっても人にとっても優しい栽培方法かと思います。よければぜひこれらの忌避剤などを使って、実践してみてください。
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
Instagram iwamizawa_rosegarden
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