2024/05/31 11:30
北海道生活
ポタジェ|長く楽しめる花!カラーの寄せ植えづくり
今回は、花もちがよく長く彩り楽しめる「カラー」の寄せ植え、カラーの育て方をお伝えします。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
パッと華やかな寄せ植えは、ベランダや庭を手軽におしゃれな印象にしてくれるものですね。私のポタジェ(菜園)では、札幌市公園緑化協会やちとせ花と緑の財団の「寄せ植えセミナー」の準備と翌年以降の研究を兼ねて、さまざまな寄せ植えを育ています。たくさんの寄せ植えを置いて楽しむ場合は、鉢の色合いを統一するとまとまりのある印象になりますよ。
我が家のポタジェでは、毎年ベンチなどを置いたスペースに野菜やハーブ、花の寄せ植えを置いて育てている
今回は、スラリとした花の姿が美しい「カラー」を使った寄せ植えをご紹介したいと思います。数年前、知り合いの園芸店から思いがけずカラーの球根を分けていただいたのがきっかけで育て始めました。カラーは花もちがよいので長く楽しめるのはもちろん、花が終わったあとの球根を掘り上げて保存しておけば、翌年以降も栽培できるのでとってもおすすめです。
白いカラーにブルーの花やシルバーリーフを組合せて爽やかな印象に
●カラーについて
カラーは、球根で育つ畑地型と球根ができない湿地型に大別されます。今回は畑地型のカラーを寄せ植えに利用しています。
カラーの原産地はアフリカで半耐寒性球根、サトイモ科の植物です。花のように見える部分は、花ではなく仏炎苞(ぶつえんほう)といわれるガクが変化したもので、中心の黄色い部分が花の集合体なのだそう。カラーには白や黄色、ピンクや紫などさまざまな花色があり、草丈も50~60cmと背が高くなる品種やコンパクトなものもありますので、好みのものを選ぶと楽しみが広がりますね。葉に白い斑が入った品種もあります。後半では、カラーを球根から育てる方法をご紹介します。
背が高い品種のカラー。白花と葉にはきれいな白斑が入っていて爽やか
カラーの寄せ植えづくり
[ コンテナ( 鉢・プランター)を選ぶ ]
寄せ植えを素敵な印象にするためにはコンテナ(鉢・プランター)選びも大切ですね。草丈が高くなるカラーには、高さのあるコンテナを選ぶとバランスのよい印象になります。
バラ苗が入っていたプランターはほどよい高さがあり、再利用するのもおすすめです。私はプランターをリメイクして野菜を植えたり、寄せ植え制作に使ったりしていますよ。プランターに下地を塗ってから、水性ペンキを塗ってリメイク。色の統一感も出ます。
バラの苗木が入っていたプランターを再利用
下地を塗り、その上に水性ペンキを塗って作成
[ 寄せ植えの材料 ]
コンテナ(鉢・プランター/21㎝×21cm、高さ28cm) 1個
カラー(サトイモ科) 1株
ビオラ(スミレ科) 2株
アリッサム(アブラナ科) 2株
シルバーレース(キク科) 2株
培養土 適量
鉢底石または赤玉土 適量
白のカラーは上品な印象
ブルー系のビオラと白い小花が可愛いアリッサム
細かな切り込みが入ったシルバーレースは寄せ植えの名脇役
・レイアウト
カラーの色に合わせてビオラの色を変えると、イメージがガラッと変わりますよ。
今回は、白いカラーにブルー系のビオラと、白系の花とシルバーリーフでまとめる
コンテナ(鉢・プランター)の色や形もコーディネートすると素敵
[ 植え方 ]
【1】コンテナの底に、底石または赤玉土を3cmほど入れます。
【2】底石を入れたら、その上にコンテナの2/3ほど培養土を入れ、ポットから取り出した苗をコンテナの奥の方から配置し、苗の周囲に培養土を入れて植えていきます。
【3】全部の苗を植えたら、最後に全体に培養を隙間なく加えます。
【4】葉に水がかからないように、コンテナの底から水が流れるまで水を与えます。
【5】2~3日は、風や直射日光の当たらない場所に置き養生します。
【6】その後は、日なた~半日陰に置き、土が乾いたら水を与えますが乾燥気味に管理しましょう。
コンテナに植えてから1~2週間ほどしたら、日なたの好きな場所に置いて楽しみしょう。ほかの寄せ植えや野菜のコンテナと一緒に並べてコーディネートするのも楽しいです。
カラーの育て方
カラーの鉢植えは、園芸店などで購入することもできますが、球根から育てることもできます。球根から育てる場合は、3月中旬ごろにプランターやビニールポットに球根を植えて育てます。発芽温度は20~25℃前後で、3週間ほどで発芽します。
膨らんでいるところが芽
15㎝ほどのプランターやビニールポットに培養土を入れ、芽の部分が上になるようにして、少し深めで3~5cmの深さに植えます。植え付けたらたっぷりと水を与えましょう。その後は、水分が多いと球根が腐ってしまう場合があるので、10日ほど水は与えず、発芽するまでは乾燥気味にします。
発芽するまでは乾燥気味に管理しよう
カラーの球根を少し深めに植えるのは、下のイラストのように茎の付け根付近から発根してくるためです。浅植えにすると根張りが悪くなって、花数も減ることがあります。
茎の付け根部分から発根する
発芽後は日当たりのよい場所に置き、花のつぼみが出るまでは土が乾燥しないように水を与えましょう。つぼみが出てきたら水は控えめにします。
カラーは温暖な環境を好みますが、高温多湿な環境では球根が腐ることがあるため、夏は半日陰に置き、風通しと水はけがよい状態で育ててください。また、肥料が多いと病害虫が発生しやすくなるので栽培期間中は控えめにしましょう。
[ 花後の管理 ]
花が咲き終わって仏炎苞が黒ずんできたら、付け根のところから切り、そのまま栽培しましょう。そうすることで残った葉で光合成をして球根が肥大します。3倍以上の大きさになる場合もあり、鉢が変形してしまうほど大きくなることもあります。大きくなった球根は、翌年に苗をつくるときに、球根を折って植え付けることができます。
花が終わったら、付け根から切る
[ カラーの冬越し ]
氷点下になる寒さでなければ屋外で越冬できます。凍結が心配な寒冷地では、球根は掘り上げ、もみ殻や水ゴケなどに包み、氷点下にならない冷暗所に保管しましょう。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401