2024/05/04 10:30
北海道生活
北海道 バラの育て方|5月 花壇に敷き詰めるマルチングの利点
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
マルチングで雑草・病気の抑制や土壌の保湿、作業の軽減も
気温の波があった4月、外作業の際にも着ている服を脱いだり着たりで、衣替えの時期が分からなくなるような気候でしたね。体調を崩さないように気をつけて庭仕事してください。
今回は、マルチングについてお伝えしたいと思います。
マルチングとは、チップや堆肥を花壇に敷き詰めることをいいます。薄すぎると効果が薄れてしまうので、厚さ5cm程度で敷き詰めるとよいでしょう。マルチング材としては、ウッドチップは分解が遅いので、毎年少し足していくだけで維持できますが、堆肥類を使用すると1年でほぼすべて分解するため、毎年5cmの厚さで敷き詰める必要があります。
利点としては、以下のものが挙げられます。
マルチングの利点
「いわみざわ公園バラ園」のバラ花壇。ウッドチップを敷き詰めて表土を覆い、さまざまなメリットを期待。病気の予防、水やりや除草などの手間を省くことにもつながる
①雑草の抑制
マルチング材を敷き詰めることにより、日光を遮断し、雑草の発芽や光合成を抑制できます。それによって除草の手間の軽減につながります。
②黒星病の予防
黒星病は黒点病とも呼ばれ、バラ科の植物がかかりやすい病気です。雨などによって土壌菌が跳ね上がり、葉っぱに付着することで病気にかかるため、マルチングによって跳ね上がりを抑えることで予防ができます。
③土壌の水分を保つ
マルチングが地面からの蒸発を抑え、雨が少なくても土壌中の水分を保つことができます。
そのほかにも、マルチング材が分解して表土に腐植を提供する、地温の上昇を抑える、土壌の固化を防ぐといったメリットがあります。
マルチングを敷く手間はありますが、それ以上にたくさんのメリットがあります。無農薬、手間のかからない庭を目指している方は、ぜひ行なっていただきたいと思います。
華やかにバラが咲く、7月のバラ園の様子。できるだけ作業を軽減させながら、健康なバラを育てよう!
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
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