2024/04/27 11:30
北海道生活

北海道・中空知地域への移住者が語る、なかなかいいところ。

北海道のほぼ中央部にある、10の市町からなる中空知(なかそらち)エリア。北海道1、2の都市である札幌や旭川へのアクセスもよく、近隣には有名な観光地である富良野へ抜ける国道にも面する好位置にあります。近年はこの土地に魅力を感じて移住し、自分の夢を実現している人たちも増えている。そこで彼らに、知られざる中空知のよさについて話を聞いてみた。

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上砂川町 きまぐれ牧場/きまぐれパン工房

滝川市  ワイナリー「えべおつWein」

砂川市 おむすび満


上砂川町 きまぐれ牧場/きまぐれパン工房


勝長 拓也さん・玲美さん夫妻 
夫/パン工房経営 妻/チーズ工房経営
[移住歴]4年

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

「まーる」はグアテマラとコロンビアのブレンド。ネルドリップで拓也さんが一杯ずつ丁寧に淹れてくれる

山羊を育ててチーズを作る

夫婦の憧れの生活を

熱い思いでまちが後押し

上砂川町(かみすながわちょう)で自家製のハードパンとチーズ、自家焙煎の豆を販売する「きまぐれ牧場/きまぐれパン工房」。パンづくりとコーヒーは夫の勝長 拓也さん、チーズづくりは妻の玲美さんが担当する。
製菓専門学校を卒業し22歳で起業した拓也さんは、飲食店経営を経て地域おこし協力隊として十勝清水へ。そこでチーズ作りをしている玲美さんと出会って結婚し、チーズ工房設立の夢を実現しようと独立した。「札幌近郊で山羊が飼える土地環境があり、子ども園無料・子育て支援の充実などの条件で探していたところ、一番早く対応してくれて熱い思いがあると感じたのが上砂川町でした」。
現在は週3回、地域おこし協力隊の地域プロジェクトマネージャーとして「まちの駅ふらっと」で起業サポートやアドバイス役を担っている。同時に玲美さんが手がける牛ミルクで作るウォッシュチーズに合わせたコーヒー豆を自家焙煎し、2023年には工房を建ててチーズとコーヒーに合わせたカンパーニュづくりも始めた。「こぢんまりとした町は住みやすく、何かやりたい時に周りがすぐに協力してくれます」と玲美さん。近い将来、山羊を飼ってチーズを作りたいという夫婦の夢の実現はすぐそこ。一歩ずつ確かに近づいている。

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

2023年に自宅隣に完成した「きまぐれパン工房」。日曜のみの営業でテイクアウト専門

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

天然酵母と道産小麦・ライ麦で作る「いちじくとくるみのカンパーニュ」。カンパーニュは水の代わりにチーズ作りの際に出たホエイを使用し、石窯で焼いている

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

チーズに合うパンや自家焙煎コーヒーは、地元の特産品として注目されている

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

ウォッシュチーズ「きまぐれまーる」「きまぐれあいら」「きまぐれおさけ」はふるさと納税の返礼品としても人気

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

牛の生乳で作るウォッシュチーズ、いずれは山羊の乳で作るのが玲美さんの夢

滝川市  ワイナリー「えべおつWein」


滝川で初となるワイナリー「えべおつWein」経営
髙橋 孝輔さん [移住歴]12年

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

7,500本の葡萄の木を2.5ha(ヘクタール)の畑で栽培。再来年までに3~4ha 1万本に増える予定と話す孝輔さん

農業への情熱と

冷涼な気候が育てた

滝川産ぶどうワイン

日本最大級の菜の花畑が広がる滝川市(たきかわし)の江部乙(えべおつ)地域。この地区に2011年、移住した髙橋 孝輔さんが、先に移り住んでいた父と母と共に、滝川市で初となるヴィンヤードをオープンさせたのが2016年のことだった。2018年にはヨーロッパ原産の7品種を初収穫し、翌年「虹」をリリースした。
「地域振興の一環として良質な葡萄を作ることが第一。それが美味しいワインになってくれればいいと思っています。中空知は年々ヨーロッパ品種の葡萄が栽培しやすい気象条件になってきていることから、新規参入希望者も受け入れやすくなっています。生活面でも都市間が近く、特に不便は感じません」。2023年にはワイナリーが完成し、道内の飲食店に加え本州にも出荷が始まった。「品質は保ちつつ収量やアイテムを増やしていき、少しでも多くの方にワインを楽しんでもらえたら嬉しいですね」。

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

江部乙丘陵地にぶどう栽培やワイナリー経営を目指す若者が入りやすい環境づくりにも取り組んでいると語る孝輔さんの父、満さん

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

7品種の葡萄で作るフレッシュでフルーティな味わいの「虹」、3品種で作る「ほのか」、重厚感のある赤ワイン「ピノ・ノワール」。これらのワインはフレンチオーク樽で発酵・熟成させることで樽香がやさしく溶け込む

砂川市 おむすび満


「おむすび満」経営
舩田 満さん [移住歴]4年

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

「中空知は生活する上での不便さもなく、ちょうど良い住み心地が気に入っています」と舩田 満さんと妻の良子さん

『ゆめぴりか』と

多彩な具を合わせた

冷めても旨いおむすび

砂川市(すながわし)の「ショッピングプラザAiAi」内にある「おむすび満」。一日平均200個は売れるというおむすびは、砂川産の特別栽培米『ゆめぴりか』を萬古焼の土鍋でふっくらと炊き上げたご飯が主役。具は定番・日替わり・月替わりの計17種類が用意されている。
店主の舩田満さんは大阪出身。以前働いていた十勝で『ゆめぴりか』を知り、その美味しさを多くの人に届けたいとおむすび屋を志した。そこから『ゆめぴりか』の産地を探して辿り着いた砂川では、協力隊として商店街振興をしつつ2020年に念願の店をオープン。今ではすっかり地元で愛される一軒になった。「地域の人はみんな優しくて、残り何個とSNSで発信するとわざわざ来てくれてさっと買って帰る。さりげなく支えてもらっているなといつも思います。これからも愛されるおむすびを作っていきたいですね」。

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

道産ブランドポーク『樽前湧水豚』を使用した名物の「豚角煮」350円。「鮭たま」200円。手づくりのお惣菜も並ぶ

北海道・中空知特集①|移住者が語る、なかなかいいところ。

1日平均200個、多い時は300個も売れるという。常連客のリクエストで仲間入りした具もあり

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