2024/04/22 11:30
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多肉ライフ|室内管理から戸外へ移動する準備「水やり」を再開!
多肉植物の栽培・寄せ植えなどのアレンジ制作を中心に作家として活動する、札幌在住の土屋 千尋さんが、多肉植物と猫たちに囲まれた、楽しい日々の暮らしをつづります。
文・写真/土屋 千尋さん
今回は、春の戸外管理に向けての水やりなどのお話しです。
冬の間に室内で管理していた多肉植物を、戸外管理に向けて3月から準備を始めました。
4月に近づくにつれ、外気温は低くてもサンルーム内の温度は保たれてポカポカ陽気。太陽が高くなったのが、サンルーム内の温度を見ていても違いがはっきりわかるようになりました。
温度がどんどん上がってくると、最小限にしていた冬場の水やりでは体力がもたなくなります。中には乾燥が進んで多肉のドライフラワーのようになったりと、限界を迎える個体もあります。見た目がしなしなしてくると、日差しで葉焼け(焦げる)も起こしやすくなるので要注意。そうなる前に、たっぷりの水やりが必要になります。
室内管理していた多肉植物たち。春のサンルーム内はとてもあたたか
我が家のサンルームは2階にあるので、水やりは簡単ではなく…、水道のある1階からタンクに水を入れて運びます。気合を入れて、タンクを何往復も運ぶのです(笑)。
そして、水やりを行ないながら、ひと冬越えて枯れ葉もひどいので取り除きます。枯れ葉を残しておくと、蒸れの原因になるためです。
私は「できるだけ手間は省きたい」ということで、底面給水させています。底面給水はどうしても水を吸い過ぎて、土が乾きにくくなるので蒸れの心配があるのですが、一度にたくさんの数に水やりができて、管理次第で多肉植物も元気になってくれます。
バットに水を張る
そこにトレイごと多肉植物を置き、下から吸水させる
トレイごと入水させたら、1時間くらい入れておきます。土の色が変わっていくのがわかるので、全体的に吸水したら空(から)のバットに移動して水を切ります。下から水を吸えなかったものは、上からたっぷりと流れ出るほど水をかけてあげます。数が多いので、この作業を繰り返しながら1週間以上かけて行ないました(…意外と大変)。
水やりを控えていたため痩せ細った多肉植物や、大量の枯れ葉が付いているものがあれば1つずつ取り除く作業も。
枯れ葉がたくさん付いている。しなしなとした葉もあるので取り除く
枯れ葉などを取り除いてきれいに! 元気そうに見えるが触ると弱々しいので、しっかり吸水させる
たった1日でも水やり管理したあとには、葉がシャキッとして立ち上がります。
水分を含んで葉がピンと張り、立ち上がる
こちらも全然違うのがわかる。左/水やり前はシワシワ 右/枯れ葉を取り、水やりして1日後
水やりしたあとの多肉植物は、隙間がないほどに葉がピンと張って立ち上がり、トレイの中にぎゅーぎゅーに詰め込まれたようになりますが、気温が安定してきたら戸外に移動するので、このままちょっとの期間を耐えてもらいます。なにせ水やり後は、サンルーム内の温度・湿度も高いので蒸れやすいので要注意。
隣り同士の多肉植物がくっついてギューギューに。このまま注意しながら管理
蒸れ対策として、サーキュレーター2台をフル稼働させました。天気のよい日は、サンルームの窓も開けて外の風を入れます。昼間の春の風は、気持ちいいですね。
中にはどうしても蒸れてしまう株が出てくるので、その場合は少しでも望みをかけて早めの対応をします。黄色く半透明になった葉(蒸れて腐った葉)を取り除いて、株元をカットして茎の状態をチェック。茎まで腐っていなければ、少しでも助かる可能性があるので、新しい鉢に挿して植え直します。
蒸れて腐っている葉。株元の葉が半透明に黄色く変色している
写真の株は、株元をカットして茎の状態を見てみましたが、ダメそうでした。変色の部分がなくなるまでカットしていくのですが、中心まで腐っていました。
茎の中心部まで色が悪く腐っていた
大事にしていたアガボイデス系の多肉の苗で、我が家には1株しかなかった種類。そもそも葉挿しでは増やすのが難しいため、カットして子株を育て、増やそうと思っていたところだったので、残念です。何年も何十年も管理していても、難しいものですね。
4月中旬以降になれば、天候を見ながら戸外管理に移します。たくさんの多肉植物を室内から外へ運ぶ作業は、恒例行事のようになっています(笑)。
次回は、その様子などもお伝えしたいと思います。
昨年の庭の様子。飾って楽しめる季節が楽しみ
プロフィール
土屋 千尋 さん
クラフト制作からスタートし、現在は多肉植物の栽培やアレンジ制作を中心に作家活動を行なう。独創的な寄せ植えをオーダーやイベントなどで販売している。札幌在住。自宅に多肉植物の専用スペース・工房を設け、札幌を中心に活動中。