2024/04/17 11:30
niwacul
北海道の庭|今週の花(4月16日) 早春の庭に咲く花と、味噌づくり
札幌近郊の長沼町で暮らす走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。手がけているお庭や植栽のこと、日々のできごとなどもお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
日が長くなり、寒さは少し残るものの春を感じるようになってきました。
北海道の庭も、ようやく春の花が咲き始める頃です。庭の片隅でフクジュソウやフキノトウが顔を出し、軒下ではクロッカスがつぼみや花を付けています。出番を待っていた植物たちに元気をもらいながら、春を満喫したいと思います。
フクジュソウ。光沢のある黄色い花を咲かせて春を告げる
クロッカス。まだ寒さの残る早春にいち早く咲いて、春の明るい雰囲気をもらしてくれる
ヒマラヤユキノシタ。早春に咲いて、やさしいピンクの花が彩りを添える
エゾエンゴサク。草丈は10~15cmくらい、個性ある花の姿で爽やかなブルーの花を咲かせる
ご近所の畑には、ちょっと前までハクチョウが落穂拾い(おちぼひろい)をしていました。このハクチョウたちは少しの期間を過ごして羽を休め、順々に旅立っていくのです。その姿を見て、「たくさん食べて体力をつけ、シベリアまでの長い旅を元気に乗り切ってね」と声をかけたり、見送ったりしました。
季節に応じて南北に移動するハクチョウ。3~4月にかけて渡って来てさらに北へと旅立ち、また冬に向かう頃にやって来る
今年も、桜は4月中に咲く予報なので、ちょうどゴールデンウィークに満開の花が見られそうですね。その前に庭の掃除をしながら、肥料まきなど春の作業を行なう予定です。いよいよガーデニングが始まります!
4月中旬以降の庭の様子(昨年の様子)。花のない時期はより広さを感じて、作業がなかなか進まない(笑)
少し前にさかのぼりますが、まだ雪の残る3月に味噌を仕込みました。
味噌づくりを始めて40年あまりになります。はじめての味噌づくりは、母と作業したのを覚えています。当時は、圧力なべで大豆を煮て、餅つき機で豆をつぶし、大きなボールで塩切り麹を混ぜ合わせてから容器に詰めて…と、すべて手作業でした。
9年前、ここ長沼町(札幌周辺の市町村の一つ)に越してからはご近所の方に誘っていただいたのをきっかけに、加工場で皆さんと一緒につくるようになりました。いつも10人くらいで作業を行なっています。
仕込み前の麹をつくる作業の様子。みんなで一緒に味噌づくりを楽しむ
お米も大豆もご近所さん(農家さん)が育てたものを分けてもらっています。塩だけ赤穂の天塩を買います。以前は生麹も注文して使っていましたが、ここでは麴も手づくり。では、味噌づくりの様子もお伝えしましょう。
[ 材料 ]
・米(粘りけのない品種) 5kg
・大豆 5kg
・塩 2kg(普通は2.5kg)なるべく天然のものを使用する
できあがりは約20kgの味噌になります。
数日ほど、味噌を仕込む前の準備を行ないます。味噌づくりは仕込み前のさまざまな工程に時間がかかりますが、最後の仕込みはあっという間に終わるんです(笑)。
[ 工程 ]
・1日目
前日に米を研いで、水切りしたものを蒸し器に入れて蒸します。蒸しあがった米を冷ましてから、麹菌を混ぜ合わせて麹製造機に入れます。午後から大豆を研いで水に浸けます。
研いで水切りした米を、容器に均等に敷き均して蒸し器に入れて蒸す
蒸した米を、今度は麹製造機へ。大量につくるときは機械があると大変便利。ばらつきなく発酵を促してくれる
・2日目
麹製造機から半分できあがった麹を出して、切り返しを1日2回(午前と午後)行ないます。切り返した後は再び麹製造機へ。
次の朝に出して、切り返しを行なう
1日で2回作業。ほぐすようにして切り返した後はこんな感じ
・3日目
できあがった麹を取り出し、分量を量っておきます。水に浸けておいた大豆を水切りし、大釜で3~4時間ほど大豆を煮ます。そして、午後からいよいよ味噌づくりです。
丸2日かけてできあがった麹
できあがった麹を各自の分量に分けておく
煮あがった大豆も大量
ミンチ機で大豆をつぶします。各自の分量に分けて、回転機に大豆と塩、麹を入れてスイッチを押すと3分で混ぜ終わります。味噌玉をつくって容器(樽)に詰めて、これで仕込みの完成です。
大豆をミンチ機でつぶす
大豆と塩、麹を入れて回転機で混ぜ合わせる。これで工程は終わり!
味噌玉をつくって容器(樽)に打ちつけ、表面をきれいに平らにしてラップで蓋(ふた)をしておく
これから1年くらい寝かすと、おいしい味噌になります。毎日使うものですから手づくりりで、無添加味噌ができあがるのがとてもありがたいです。
3年くらい置くとさらに醗酵が進んで、色は濃くなりますがもっとまろやかな美味しい味噌になります。我が家では3年味噌、2年味噌、1年味噌を容器に入れて、用途に応じて使い分けています。
できあがった味噌。色の濃い方が、2年・3年ものの味噌
作業の3日間はお弁当を持って朝から夕方まで加工場にいますが、手の空いている時にお茶を飲んだり、お昼ご飯も和気あいあいとおしゃべりしながらいただき、夕方になると「では、また明日」と帰ります。手間暇かけて味噌をつくる、こういう時間も楽しいものです。
できあがった味噌は、私の妹たちや息子の家、友達にもおすそわけして喜ばれていますよ。