2024/04/18 11:30
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ポタジェ|春の味わい「ふきのとう」レシピ~ふきのとう味噌・天ぷら
北海道の春! 今回は、季節の訪れを感じる山菜「ふきのとう」のレシピと、その特徴についてお伝え。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、果樹、お花など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
雪解けとともに顔を出す「ふきのとう」。これから春を迎える北海道では、まさしくその季節の訪れを感じる山菜です。今回は、「ふきのとう」のレシピや特徴などについてご紹介したいと思います。
開き切っていない蕾(つぼみ)を食用にする
・「ふきのとう」とは?
「ふきのとう」は、「ふき」の花の蕾(つぼみ)のことで、「蕗の薹」と書きます。キク科フキ属の多年草で、数少ない日本原産の植物といわれています。「ふき」と「ふきのとう」は同じ植物。地下茎から伸びた花芽が「ふきのとう」、その後に伸びる葉柄(ようへい)が「ふき」です。
葉柄(ようへい)とは葉と茎の接続部分のことで、本来の茎は地下で育っている
雪の少ない地方では2月頃に若草色の蕾を採種しますが、雪の多い地方では雪解けのころに摘みます。雪国で採れるものは苦みが少なく、香りもよいとされています。野山で育つ天然の山菜を食べたいところですが、近年は熊の出没や北海道ではエキノコックスを持っているキツネ、道路沿いでは排気ガスが心配ですよね。
そこで、さまざまな植物を育てる私のポタジェ(菜園)では、数年前から京ブキを育てていますが、菜園で育てたふきのとう、ふきなどの山菜は安心して食べられます。ふきなどの山菜は、半日陰のやや湿った環境を好みますので、菜園の片隅にいろいろな山菜を植えたコーナーをつくると、季節ごとの味わいが楽しめますよ。
また、最近はスーパーでも春の山菜を求めることができるので、利用すると便利でしょう。
夏に収穫できるミョウガも半日陰を好む
・収穫・使う際の選び方
菜園で育てている場合は、収穫のタイミングも大事。花が咲いてしまうとえぐみが強くなるので、葉が閉じていて蕾が硬いものを選びます。また、収穫してから時間が経つと苦みやえぐみ出がるので、鮮度のよいものを選び、できるだけ早く調理するようにしましょう。
・ふきのとうの栄養
ふきのとうにはビタミンやミネラル、鉄分や食物繊維が豊富に含まれています。ほろ苦さがふきのとうの魅力ですが、その苦味には冬の間に体に溜め込んだ老廃物を排出してくれるデトックス効果や老化を防ぐ効能があるといわれています。「良薬口に苦し」といいますが、まさにその通りですね。
ふきのとう味噌や天ぷらは高温で調理するので、あく抜きは必要ありませんが、ふきの地下茎にはアルカロイドなどの毒性物質が含まれていますので、おひたしや和え物で食べる際は、あく抜き(塩少々入れた熱湯で3分ほど茹で、15分ほど冷水にさらす)して食べるようにしましょう。おいしいからといって食べ過ぎないようにしましょうね。
Recipe.01 ふきのとう味噌
ふきのとう味噌は、ほろ苦さがたまらない春の味わい。おにぎりの具やご飯のおかず、刺身こんにゃくや田楽などにもぴったりです。宮城県などの東北地方では、ふきのとう味噌のことを「ばっけみそ」と呼びますが、「ばっけ」とはふきのとうを指す方言なんだそう。
ほろ苦い春の味わい「ふきのとう味噌」
[ 材料 ]
・ふきのとう 4個(洗って水分を切っておく)
・ゴマ油 大さじ1~2
合わせ味噌(あらかじめ混ぜておく)
・味噌 大さじ4
・みりん 大さじ2
・砂糖 小さじ1
[ つくり方 ]
【1】
鍋やフライパンに油を入れ、弱火~中火で熱しておきます。
弱火~中火で熱しておく
【2】
ふきのとうは1個ずつ細かく刻み、すぐに鍋に入れて油をなじませます。
【Check!】
素早く油となじませると変色を防ぐことができるので、1個ずつ切って加えるのがポイントです。
ふきのとうを細かく刻む
1個ずつ刻み、すぐに鍋に入れて油となじませる
2分ほど炒め、油をなじませる
【3】
油がなじんだら、合わせておいた調味料を加え、水分を飛ばしながら3~4分炒めます。
合わせ味噌を加える
水分を飛ばす
できあがったら清潔な容器に移し、冷めてから冷蔵庫に入れましょう。10日~2週間ほど保存可能です。
Recipe.02 ふきのとうの天ぷら
苦みの中にほのかな甘みが感じられるふきのとうの天ぷらは、贅沢な旬の味わいです。
開き切っていない蕾を使って天ぷらに!
[ 材料 ]
・ふきのとう 5~6個(洗って水分を取除き、葉を開いて形を整えておく)
・揚げ油 適宜(170~180℃に熱しておく)
・片栗粉 大さじ2
天ぷら衣
・卵 1個
・冷水 200ml
・薄力粉 140g
[ つくり方 ]
【1】
ボウルに卵を割り、軽く解きほぐします。冷水を加え泡立て器で泡立てます。
泡立て器を使うと便利
【2】
薄力粉を【1】に加えて、軽く混ぜます。少し粉っぽさが残る程度に混ぜ合わせましょう。
軽く混ぜて合わせる
【3】
ビニール袋に片栗粉(大さじ2)を入れ、ふきのとうを入れます。ビニール袋の口を締め、薄力粉を薄く全体にまぶします。
余分な粉は振り落とす
【4】
蕾(つぼみ)の部分を下に向けて、天ぷら衣につけます。
蕾の部分に衣をつける
【5】
衣をつけた蕾を下にして、180℃に熱しておいた油の中に入れます。1分ほどで裏返して、その後も何度か上下を返しながらカラッとするまで揚げましょう。油を切ったらお皿に盛り付けます。
天ぷらは、素材の味が引き立つように、塩をつけて食べるのがおすすめです。
カラッとするまで揚げる
子どもの頃は苦みがあるものは苦手でしたが、大人になるにつれ、その苦みがおいしく感じるのは不思議なものですね。デトックス効果も期待できる、早春の味わいをお試しください。
次回は、ポタジェ(菜園)が美しく見える「支柱の立て方」のコツについてご紹介したいと思います。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401