2024/04/14 10:30
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北海道 宿根草の育て方|4月 花壇の清掃から株分け・花選びまで
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
文・写真:高林 初さん(苫小牧市・観光庭園 イコロの森)
春に行なっておきたい作業は盛だくさん
雪が解けたらガーデニングシーズンの幕開けです。4月はとにかく、行なう作業が盛りだくさん。まずは道具の準備と手入れを行ない、十分に準備運動をしたら、いざ庭へ。
この時期にやっておきたい作業をまとめます。最初に行なう作業から、ガーデニングを始める前の準備まで順を追って見ていきましょう。
①花壇の清掃
花壇の落ち葉や枯れ枝、ゴミなどを取り除きます。花壇の通気性をよくし、病虫害を未然に防ぎます。
庭の掃除道具はシーズンを通じて必須。庭の大きさに応じてちょうどよいものを揃えておくと便利
②マルチングを均す
耐寒性の弱い植物に施したウッドチップや腐葉土、バーク堆肥などのマルチングの山は平らに均します。そのまま土壌改良材として利用できます。
昨年の秋に施したこのようなマルチングは、そろそろ周囲に敷き均しておきたい
③刈り取り・剪定
昨秋に刈り残した茎や葉を切り取ります。また、常緑性の宿根草(ベルゲニアやクリスマスローズ、プルモナリアなど)は傷んだ葉、枯れた茎を剪定します。
ヒマラヤユキノシタ、上/常緑種でも枯れ葉がある 下/ 作業後は、枯れ葉を切り取ってきれいな葉だけに
刈り残してあるグラス類なども芽が出る前に刈り取る
④土壌改良
雪国の花壇では特に、表土が雪の重みで圧縮されています。小さなフォークを利用して表土を軽く耕しましょう。同時に腐植(腐葉土・バーク堆肥・牛ふん・馬ふんなど)を表面に敷き均し、すき込むように行なうと効果があがります。水はけと通気性をよくし、根の健全な成長を促してくれるので、腐植の養分も浸透しやすくなります。
刃の小さなフォークで根を傷めずに表土だけを軽く耕す
堆肥を敷き均してから、表土を軽く耕すと効果が増す
⑤株分け
昨年観察していて花付きが悪くなっていた株、成長により過密になっている株は株分けをします。そうすることで花壇のバランスを保ち、成長の活性化を促します。
⑥遅霜対策
北海道では4月になっても遅霜が降りることがあり、まだ油断できません。天気予報をこまめにチェックし、心配な株には必要に応じて寒冷紗や防寒シートなどで保護します。日中は取り外すこと。
⑦小球根の花後の処理
スノードロップやミニアイリス、シラーなどの小球根は、開花後も特に何もする必要はありませんが、タネや茶色くなった葉が気になる場合は切り取ります。
また、4月後半~5下旬にかけてチューリップの園芸種などが咲き始めますが、花を楽しんだ後の花がらは切り取った方がよいでしょう。どちらも葉が緑色のうちは光合成をして球根を肥やすので、葉は枯れてから刈り取りを行ないます。
スノードロップのような小さな花は花後も放置で問題ない
チューリップの花後の花がら切り。上/切る位置は、終わった花の下で切る 下/花茎を付けて切り取ってもよい
⑧苗の購入
花壇に新しく迎える宿根草を選び、手に入れましょう。好みに合うもの、日照や土壌等の条件、いまある植物との相性(色・高さ・開花期など)をポイントに選ぶのがおすすめ。
書籍やアプリを利用して好みや条件に合う植物を探すのはとても楽しい
花壇の中には動き始めた小さな芽がいっぱいありますので、なるべく踏んだり、傷つけたりしないように、注意しながら作業しましょう。
プロフィール
高林 初
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
Instagram ikor_no_mori
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