2024/03/31 09:35
「北海道生活」編集長
十勝ロケ「おしゃべりな写真館」賀来千香子さんら舞台挨拶
写真左より「おしゃべりな写真館」藤 嘉行監督、賀来千香子さん、木村善幸さん
2024年3月29日(金)、十勝・鹿追町を舞台にした映画「おしゃべりな写真館」が公開されました。
十勝での先行公開を経て、札幌や道内各地で公開、この秋には全国公開も控えています。
札幌シネマフロンティアでの上映初日後には、舞台挨拶が行なわれました。
ロケ地となった鹿追町に移住してロケハンをかさねたという、監督の藤(ふじ)嘉行さん。
「鹿追の景色に惚れ、事件も何もない静かな映画をつくりたかった」と藤さん。
中原丈雄さん演じる主人公の妻役は、ぜひ賀来千香子さんにと当て書きをしたそうです。
作品の中から抜け出てきたような、真っ白い衣装を身に着けた天女のような賀来千香子さん。
「めまぐるしい世の中でスペクタクルな作品が多い中、北海道って本当にいいところだなあと思える、自然と共生して生きていくことへの感謝に満ちた、とてもあたたかい映画です」。
賀来さんのお父さん役の橋爪功さんも、「北海道で映画をつくると、絵がちがってくる。空気がちがうんだよ」と絶賛していたそうです。
ここで和太鼓・津軽三味線の奏者である木村善幸さんが、鹿追の情景をイメージしながら即興演奏をしてくださいました。
実は木村さんも、この作品にバスの運転手として出演しているのだそうです! ぜひ劇場で確かめてみてくださいね。
では、この映画のあらすじと見どころをご紹介していきます!
十勝・鹿追町の美しい自然に生きる、人間再生の物語
物語の舞台は、鹿追町にある小さな写真館「三國写真館」。
ここに、東京で活躍する写真家・松原雄二(中原丈雄)がやってきます。
写真館を営んでいた亡き妻の父・三國勘太郎(橋爪功)の遺言により、この「三國写真館」を譲られたのです。
しかし妻の故郷に来てみたものの、写真館を継ぐ気にはなれない雄二。
2年前に妻を亡くし、自らも病で視力を失いつつあり、絶望から気持ちの整理がつかないままでした。
中原丈雄さん演じる松原雄二は、実にかっこいい写真家で、シーンごとに見とれてしまいます。
美しい然別湖、農業の営みなど、鹿追のさまざまな風景が目の前に現れ、雄二は次第に撮影をするようになります。
しかし心は晴れず、撮影した写真も気に入らないままでした。
雄二はある日、京都から山村留学に来ていた少女、吉本麻衣(山木雪羽那)と知り合います。
心に深い悲しみを持ったまま、周りと打ち解けられない麻衣を、新人の山木雪羽那(ゆうな)さんが演じています。なかなか目力のある女優さんです。
そして、山村留学も実際に鹿追町にある「鹿追町自然体験留学センター」で行なわれており、全国から子どもたちが留学に来ているそうです。
雄二は麻衣の里親になり、写真館で共同生活を始めることになります。
ところが、麻衣の目の前に、三國勘太郎(橋爪功)と雄二の妻・敬子(賀来千香子)が現れます。麻衣にだけは、亡くなった二人の姿が見えるのでした。
ここからファンタジーと美しい自然が融合していき、感動のドラマが展開していきます。
十勝の自然風景、農業や酪農の風景、そこに描かれる人間ドラマ、加えてエキストラの鹿追町のみなさんの素朴なたたずまいが、妙にリアリティをもって伝わってきます。
すでに世を去った勘太郎と敬子、苦しみながら生きる雄二と麻衣、そして鹿追町のみなさんのあたたかさに、何度も涙があふれる感動作です。
まずは北海道での上映となりますので、ぜひ北海道に来てみて、この作品を楽しんでみてくださいね。
(編集長)
■作品情報
【タイトル】おしゃべりな写真館
【監督・脚本】藤 嘉行
【出演】中原丈雄、賀来千香子、橋爪 功、勝部演之、小宮孝泰、なすび、山木雪羽那、ほか
■公開情報 ※2024年4月29日現在
3月29日より
札幌シネマフロンティア、イオンシネマ旭川駅前、イオンシネマ小樽、イオンシネマ江別、イオンシネマ北見、イオンシネマ釧路
(以降、道内にて順次公開予定)
10月11日より
東京、名古屋、大阪、京都、神戸にて公開