2024/03/23 15:00
「北海道生活」編集長
大泉洋も応援!北海道の“おいしい”映画祭が2024年開幕
「北海道フードフィルムフェスティバル」開幕に向けたプレイベント
2024年秋、おいしい料理が出てくる映画を観て、映画館のまわりでおいしい料理を食べ歩きできるという、札幌の新しいイベント「北海道🐄フード🍴フィルム🎥フェスティバル(HFFF)」が始まります。
おいしいものがいっぱいの北海道で、なんという夢のようなイベントでしょう。「かもめ食堂」を観て外であたたかいおにぎりを出すお店を探し、「南極料理人」を観て大きなエビフライを探した私としても、映画とグルメ両方が楽しめるまたとない映画祭です。
秋の開幕に先駆けて、3月21日(木)にプレイベントとなる「映画『そらのレストラン』上映会&トーク」に行ってまいりました!
昨年誕生した新しい映画館「TOHOシネマズすすきの」で、映画「そらのレストラン」が上映されました。
2019年公開の映画で、今回の特別上映は即ソールドアウトの人気だったそうです。
2時間6分の本編が上映され、終了後の感動さめやらぬ中、主演の大泉洋さん、本庄まなみさんが登場!
モデルとなった、せたな町「やまの会」より、村上健吾さん・妙子さん夫妻と富樫一仁さんも登壇し、トークショーが行なわれました。
この「そらのレストラン」は、北海道で制作された大泉洋主演三部作のひとつで、最初の「しあわせのパン」ではパン(カンパーニュ)が食べたくなり、そして「ぶどうのなみだ」ではワインが飲みたくなり、この「そらのレストラン」ではチーズや生産者の料理が食べたくなってしまう、心の感動とともにお腹の食欲を刺激してしまう作品です。
一夜限りの「そらのレストラン」シネマディナー
終了後は、大倉山ジャンプ競技場にあるレストラン「ヌーベルプース大倉山」で、この映画にちなんだ料理のフルコースが味わえるというではないですか!
真冬のジャンプ競技場がライトアップされている中、一夜限りの豪華なディナーが始まりました。
【アミューズ】
村上牧場“希少部位牛トンビ”のカルパッチョ &
山本さんの“アルパージュ36カ月”
(写真左)村上さんの“スカモルツァ”メルバトースト
「村上牧場」は映画のモデルとなった乳牛の牧場。始めていただく部位の牛トンビは肩甲骨の近くのお肉だそうで、脂身がなく、やわらかいお肉に感動しました。
村上さんのチーズは“スカモルツァ”をメルバトーストで。映画を観た後すぐに食べたかった村上さんのチーズ。シアターの前で販売していたら絶対に買います!
カルパッチョの上にかけられたチーズの「山本さん」とは、函館のチーズ職人、アルパージュの山本博紀さん。映画でチーズ職人を演じた大泉洋さんに技術指導をしています。
山本さんのチーズはなかなか手に入らないのですが、現在発売中の「北海道生活」夏号で紹介しているお店「函館魚販」で、運が良ければ「チーズ盛り合わせ」のひとつで食べられるかもしれません!
シネマディナーの開催に当たり、ご挨拶は札幌市長の秋元克広さん、乾杯の音頭は大泉洋さんの所属するクリエイティブオフィスキュー社長の伊藤亜由美さん(三部作のプロデューサーでもあります)と、豪華ににぎやかに会は始まりました。
【アペリティフ】
北海道ワイン「トラディショナル メソッド北海道 タイプM ロゼ」
隣の席に、熱烈な大泉洋ファンがいまして、先日行なわれた「大泉洋と行く豪華客船クルーズ」の旅に参加してきたばかりとのことで、そこでしか買えないという限定グッズを持ってきてくれました。
せっかくなので、乾杯のワインとともに、金ピカの洋ちゃん人形と記念撮影です(笑)
ディナーの進行は、安定の北川久仁子さん。
ここで、シェフの荒木隆宏さん、ここでも再び「村上牧場レプレラ」村上健吾さんと「秀明ナチュラルファーム北海道」富樫一仁さんがご登壇。
料理人としてのお話、そして生産者としてのお話をうかがいつつ、映画の裏話についてもお聞かせいただきました。
【スープ】
富樫さんの大豆のスープ ふきのとうの泡
富樫さんのつくる豆は本当に美味しい!と感じさせる、味が濃くてサラッとしたスープ。
大豆製品もどれもおいしくて、最初に出会ったおしゃれな醤油のボトル、なのに「パンダ納豆」はイラストがかわいくて、味噌は私の中で暫定一位のままの美味しさです。(この味噌で美味しいみそ汁を食べたくなり、ダシをとるようになりました)
と、ここで、先ほど舞台挨拶をされていた大泉洋さんと本庄まなみさんがサプライズで登場!
会場から、キャーッと驚きの声が上がりました。
お二人による映画の裏話、そして今でも交流がつづいて、せたな町で一緒に遊んだお話など、ここでしか聞けないお話に花が咲きます。
【サラダ】
“若気の至り” ~FLOWER GARDEN~
不思議な名前に、大泉洋ファンが爆笑。北海道の地方局STVのレギュラー番組「1×8行こうよ!」で大泉シェフが作った料理のアレンジなのだそうです。
もちろん、荒木シェフの腕とセンス、食材は「シゼントトモニイキルコト」ソガイハルミツさんの根菜や富樫さんの大豆のおからなど厳選野菜により、似ても似つかない(実際に見ていないのですがファンが爆笑したので多分)美しい一皿に。
と、ここで、「1×8行こうよ」でコンビを組むSTVアナウンサー、北海道では知らぬ人はいないという木村洋二さんが登場!
舞台挨拶の時、近くにいらっしゃったので私は知っていたのですが、木村さんたちはずっと番組で潜入ルポをしていたのでした。
もうここからは二人の漫談になり、会場は爆笑の渦に巻き込まれてしまいました。
【魚料理】
“マーレ旭丸”せたな沖サクラマスのポワレ
菜の花のリゾット
やった!とガッツポーズをしたのは、船長こと「マーレ旭丸」の西田たかお船長が獲ってきたであろう旬の魚サクラマス。ふんわりしていてしっとりしていて美味しいのです!
富樫さんのお米とアルパージュ山本さんのチーズ36カ月をつかった本当に贅沢なリゾットが、ひっそりと敷いてあるのも泣かせます。
魚料理が出てくる頃合いをみて、今回のディナーの特別企画・数量限定の「北海道産ワインペアリング」を注文させていただきました。
ここでも、洋ちゃんファン持参の特製フィギュアを登場させてみます(笑)
魚料理には、三笠市「YAMAZAKI WINERY シャルドネ2022」
肉料理には、上富良野町「多田農園 メルロ2021」
を合わせていただきました。さすがソムリエ、ぴったりでございました。
「YAMAZAKI WINERY」は先ほど出てきた映画「ぶどうのなみだ」のモデルになったといわれるワイナリーなので、このつながりもうれしかったです。
【肉料理】
北海道大学より“マトン”の炭火焼き
せたな産さやあかね
北海道大学で羊を生産していることは意外と知られていません。せたな町でつくられたジャガイモ「さやあかね」に合わせています。
「やまの会」では、「よしもりまきば」で羊が育てられていますが、なかなか希少で手に入りません。それできっと北大の羊を使ったのでしょうか。
羊の肉といえば「ラム(仔羊)が美味しい、くさくない」などと言われますが、大泉洋さんがここのマトンを食べて、マトンへの認識がガラッと変わったといいます。きちんと育てて処理したお肉は、くさくなく、とっても美味しいのです。
【デザート】
“自家製”函館ミルクのアイスと苺のヴェリーヌ
ヴェリーヌ(ガラスのうつわ)の上には飴のふたがしてあり、パリパリと割りながら、イチゴとミルクのアイスを楽しんでディナーは終了。
おなかも心も大満足のディナーでした!
映画と美味しい料理の追体験、こんなすてきなイベント「北海道フードフィルムフェスティバル」は、この秋に開催されます。道外の方はぜひ、泊りがけでお越しくださいね!
【北海道フードフィルムフェスティバル(HFFF)】
開催日程: 2024年11月22日~24日(3日間)
公式サイト: https://foodfilm.jp/
P.S. 映画「そらのレストラン」と「北海道生活」
今から12年も前のこと、2012年の1月に私は「やまの会」のみなさんと、せたな町で出会いました。
札幌で生産者とつながっているシェフが「やまの会はすごい!」と絶賛していて、そちらの料理を味わって感動し、「せたな町って行ったことないなあ(どこかも知らない)」と思っていました。
そこで、道南の特集の時に出会い、いや、最初の取材は爆弾低気圧で「生産者の方に何かあってはいけない」と中止にさせていただき、後日みなさんにお目にかかったんです。
「やまの会」のみなさんがずらりとならんだ写真が気に入り、特別に提供していただきました。まさか、この方々が映画のモデルになるとは、夢にも思わなかった時代でした。
それから7年、2019年の1月に「そらのレストラン」が公開、「やまの会」のみなさんがモデルになって映画ができてしまったのです。
しかも、私の大好きな「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」につづくシリーズ!
この映画が企画されたことを知り、勝手ながら協力させていただき、ロケハンにくっついていき、現場に撮影に差し入れを持っていき、「そらのレストラン」応援隊となって密着取材もさせていただきました。
ちょうど公開の時に合わせて「北海道生活」は総力特集を組み、表紙と「やまの会」のみなさんの写真は夏の間に撮影しておいた一枚です。
そして「そらのレストラン」キャストのみなさんの並んだビジュアルを拝見したときには、感無量でございました!
実際の「やまの会」のみなさんとは、それぞれのキャラクターを多少組み合わせていて人数もちがうのですが、「そらのレストラン」の登場人物のみなさんは「やまの会」と同じくらい個性もキャラクターも立っていて、どちらも大好きです。
さいごに、アルパージュ山本さんのパルメザンチーズ♪
映画を観た後、このチーズをきっと食べたくなる。
この映画祭が始まるまで、DVDを観ながらすこーしずつ大事に食べようと思います。
(「北海道生活」編集長)