2024/02/27 11:30
niwacul
北海道の庭|今週の花(2月27日) 大活躍の葉もの!彩りを添えるホスタ
エルミタージュ=隠れ家的な 走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに月2回 紹介していきます。冬の間はシーズンの庭や植栽のこと、日々のできごとをお伝え。~今回は、多彩な葉色で庭に彩りを添えてくれる葉もの「ホスタ(ギボウシ)」をご紹介。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
ホスタ、和名はギボウシ。皆さんはどのようなイメージをお持ちですか?
私は子どもの頃、何となく怖い感じを抱いていました。それは父方の祖父の家の思い出ですが、長い廊下の先にお手洗いがあり、一人で行くのが怖かったのです。北側の廊下は薄暗く、そこから見える小さな庭(空間)に大きなギボウシが植わっていました。ちょっと不気味な雰囲気…。
それで私がガーデニングを始めた頃、ホスタには見向きもしませんでした。
2000年に友人たちとイギリスへ行きました。当時のハドスペン・ガーデンでホスタロードを目にし、イメージがすっかり変わったのです。白樺(シラカバ)並木の下にさまざまなホスタが植えられていて、何ともいえない落ち着いた優しい雰囲気だったのです。それからというものいろいろな葉色のホスタを集め始め、今では大好きな植物の一つになりました。
我が家の庭、ホスタの植栽。グリーンの葉や青みを帯びるもの、白や黄色の斑入りなど多彩。葉の形は細葉や広葉、株のサイズも品種によって大小ある
ホスタは、春になると何もなかった地面からニョキニョキと芽を出してきます。東北地方では「ウルイ」といって、新芽をおひたしにして食べるそうですね。私はまだ食べたことがありませんが…。かわいそうで食べられないというのが本音です。
春の芽出しから、少しずつ葉を開く。日に日に大きくなる姿に、力強さも感じる
さて、我が家の庭のホスタの植栽は、ハドスペン・ガーデンに影響を受けてつくったホスタロードがあります。数種類のホスタとアジサイ、アスチルベ、おまけに三つ葉やドクダミも生えています(笑)。針葉樹の下になる日陰エリアへホスタロードが続いていきます。
我が家のホスタロード(ホスタの小道)
針葉樹の下になり、完全に日陰になる場所はシェードガーデンに。長い小道の脇に大きなホスタを並べて植え、クリスマスローズ、ニシキシダ、ヒューケラなども合わせて植栽しています。スイセンも一緒に植えてみたのですが、日当たりが悪いため花は付きませんでした。でもスイセンの細長い葉が動きを加え、周りを引き立ててくれています。
さらに日陰が深くなる場所では、大株のホスタが空間を埋めるようにして、樹木の足元を覆っています。
長い小道を設けてシェードガーデンに。葉の色や形の異なる、日陰の環境に合う植物で構成
大きく葉を広げるホスタ。日陰エリアで青みを帯びた葉がきれいに映える
パーゴラの下は、春先は日当たりがよいのですが、初夏から秋までバラやフジの陰になるため花は植えていません。ホスタをはじめ、クリスマスローズ、ニシキシダ、ヒューケラなどの葉ものが活躍してくれます。
夏場に涼む場所としてちょうどよく、お茶を飲んだりおしゃべりしたりとよく使っています。ここから覗くガーデンも素敵です。
夏は日陰になるパーゴラの下。ホスタやクリスマスローズ、ニシキシダやヒューケラなどの植栽が活躍
ホスタはほかの花々と合わせても相性よくなじんでくれます。春はルピナス、夏はバラやアスチルベなどとコラボして空間を埋めてくれます。花壇の縁取りにも使いますし、コンテナに植えてあちらこちらに移動させることもあります。
ルピナスの足元を白斑のホスタが明るく演出。春から初夏に向かうさわかな印象
バラを引き立てるように足元を装うホスタ。明るい葉色がバラの華やかさとマッチ
コンテナ植えのホスタは、思い切って白斑が広く入った大株のものを。いろいろな場所に移動して、明るく装うのに便利
夏から咲き出すホスタの花もきれいですよ。花には香りもあります。庭の万能な植栽、ホスタをぜひ取り入れてみてください。
大きめの白い花を咲かせるタマノカンザシ
花茎を伸ばし、白花や紫~ピンク系の花を付ける。品種により花の大きさ、咲き姿も多様