2024/01/06 10:30
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北海道 バラの育て方|1月 冬の今行なう、つるバラの剪定と誘引
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
冬の今できるバラの作業! つるバラの剪定とフェンスへの誘引
今年は暖冬という予測がされており、雪解けも早まりそうな予感がしています。雪解け後はさまざまな作業が待ち構えているため、暖冬予測は自分も身構えてしまいます。
まだそれほど雪が積もっていない地域や、そもそも雪が積もらない地域では、これまでも何度かご紹介してきましたが、今のうちに耐寒性の強いつるバラの剪定や誘引をすることができます。今回は、フェンスでの扱いを例に説明していきます。
今の時期に剪定できる、対象のバラ
北海道では、基本的に春の雪解け後に本剪定を行ないます。しかし雪解け後はいろいろな作業で慌ただしくなるため、その間に芽が吹いてしまうことがあります。すると作業中に芽をかいてしまうこともあるので、そういったデメリットをなくして春の作業を少しでもラクにするために、今の時期でも剪定できるバラは作業しておくとよいでしょう。
剪定の対象になるのは、庭にあるバラのうち、フェンスなどに誘引したまま越冬させるようになった大株のつるバラ(ランブラーローズ)。耐寒性が強く、防寒対策をしなくても越冬できる品種です。今回の選定では冬囲いを施した若い株などは対象外です。
ランブラーの剪定は昨年の開花枝を取り去って、新しいシュート(若い枝)を残していきます。枝数が少なければ、各開花枝の基部から3芽ほどを残して剪定します。また、雪の下になっている枝は無理に除雪してまでは行なわず、雪解け後に剪定してあげるとよいでしょう。
剪定前。昨年の枝や古枝、新しいシュートが入り乱れている
剪定後。昨年の開花枝は取り去って、新しいシュートのみを残した
枝数が少ない場合は、開花枝の基部(下方)から3芽残して剪定する
枝の誘引の仕方
トレリスでの誘引も、フェンスでの誘引も大きく差はありません。まずは左右どちらに枝が向いているかで分け、フェンスでは扇形になるように、内側の枝からフェンスの上側に誘引し、順に外側の枝を下方に誘引していきます。このとき、枝が長く上側に誘引したい枝があれば残しておきます。枝が混み合うようでしたら、剪定で残した枝も短いものや細いものなどは切り去り、透かしていきながら誘引します。古枝で、見るからに木の枝のようなものには葉もほとんど出ないので、多少短くても新しい枝で上から隠すように誘引すると、しっかりと下から上まで緑が保てます。
春を少しでも余裕ある季節にするために、今の時期を有効活用していきましょう!
枝を誘引したあとの様子。扇形にきれいに誘引されている
葉が出ない枝の上に、若い枝を誘引。シーズンになれがば若い枝から葉が展開し、成長もするので目立たなくなる
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
Instagram iwamizawa_rosegarden
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