2023/12/27 11:30
niwacul
北海道の庭|今週の花(12月26日) グラス類の植栽とベス・チャトー・ガーデン
長沼町(ながぬまちょう)で花・庭暮らしを楽しむ、走川さんご夫婦のお庭から、今が旬の「今週の花」をお庭の様子とともに 紹介していきます。今回は、庭の植栽の一つ「グラス類」についてお伝え。
撮影:走川 正裕 ・ 貴美 文:走川 貴美
北海道は大雪…というニュースが流れていますが、私が住む長沼町は今のところ雪は少ない感じです。札幌近郊は、雪雲が避けていっているようですね。
12月下旬、現在の庭。積雪は少なく、1~2週間前に積もった雪が寒さでそのまま残っている
毎年、いよいよ年末が近づいてくると、北海道の郷土料理「飯寿司」づくりの準備を始めます。仕込みをして食べられるようになるのは1カ月後なので、1月末となるのですが、手間ひまかけて面倒を見るのが楽しみの一つなのです。
必要な野菜はいただきものがたくさんあるので、麹(こうじ)、ショウガ、トウガラシなどを仕入れてきました。米麹は近所の醤油屋さんへ行き、ショウガは隣町の江別市野幌(えべつしのっぽろ)にある「EBRI(エブリ)」へ、トウガラシは妹の所から調達して、山漬けの鮭は別海町(べつかいちょう)の漁協に頼んであったものが先日到着しました!
去年はクリスマスに一人で漬け込みましたが、今年は友人も一緒につくりたいというので、3人で飯寿司づくりを楽しむ予定です。次回は、そんな様子をお知らせしますね。
さて、ガーデニングのお話をしましょう。
ここ最近の傾向として、グラス類が庭の植栽に多用されていますね。これまでイギリスで見てきたガーデンの中で、グラスの植栽が素敵なところといえば「ベス・チャトー・ガーデン」です。その土地に合ったものだけを育てて、どんなに日照りが続こうが、雨が降り続けようが、植物の力を信じてじっと待つ彼女の姿勢は、普通の人にはできないのではと思います。
宿根草の庭の場合は、ほとんど自然の天候まかせということが多いのですが、それでも何日も、1週間以上も日照りが続けば、我慢できずにホースを引っ張り出してきて水やりをしてしまいます。私もそうです…。そんなとき、ベス・チャトーさんの言葉を思い出し、「我慢するのよ」といわれているような気がするのです(苦笑)。
グラスの穂のやわらかさや抜け感などが、ほかの植物にはないアクセントになる(ベス・チャトー・ガーデンより)
立ち上がるグラスはオブジェのようにも(ベス・チャトー・ガーデンより)
種類がわからないのですが、ほどよい草丈の白斑のグラスと黄色い花の組み合わせが素敵(ベス・チャトー・ガーデンより)
青みを帯びた葉のホスタと、黄色い葉のフウチソウ。葉色の組み合わによって、目を引くポイントにも(ベス・チャトー・ガーデンより)
グラス類は育てやすく、暑さ、寒さに強いものが多いのでおすすめです。パンパスグラスやレモングラスなど寒さに弱いものもありますが、多くの種類は北海道の寒さにも耐えられます。フウチソウなどはあまり大きくならないので、小さいお庭にも向いていますよ。グラスを多用して、サスティナブルな庭づくりをしてみるのもよいですね。
我が家の庭。すっと立ち上がるグラスを空間のアクセントに利用。穂を付けるとキラキラしてきれい。奥のグラスは、パニカム バーゲータム クラウドナイン
こちらは、ミスカンサス‛コスモポリタン’。白い縦斑がきれいなグラス
左/細葉いグラスは、涼し気な雰囲気。写真は、ミスカンサス シネンシス(イトススキ)、右/穂の形状もいろいろあって面白い。写真は、カラマグロスティス ブラキトリカの穂
モリニア カエルレア‛バリエガータ’が、やわらかなシルエットでスペースを覆う
ベス・チャトーさんは、さまざまな植物を実験的に植えてみて2~3年は挑戦しますが、それでダメなものは諦めるといいます。「無理して、その地に合わないものを植えることはない」のだそうです。
以前、我が家でも「へーべ」を育てたくてあれこれやってみましたがダメで、3年目には諦めました。へーべは、ニュージーランドやオーストラリアに分布する半耐寒性の常緑低木。寒さ対策の囲いを手厚くするなどしてみましたが、ダメでした。ブルーの花がとってもきれいなんですけどね…。
庭で何度も挑戦していたヘーベ。バラと一緒に咲く様子がとても素敵なんだけれど…
来年の計画を立てるのは、冬の間の楽しみの一つです。どんな花を育てようか、球根は何を植えようか、グラスは? レンガの構造物が欲しいなぁ~など、雪に埋もれた庭を見ながら考える楽しみは、北海道に住むガーデナーにとっては何物にも代えがたいものです。
きれいに整えられた庭木のアクセントにも憧れる(ベス・チャトー・ガーデンより)
池のある素敵なガーデン風景。ベス・チャトー・ガーデンのどこか一部でも、我が家の庭にも取り入れてみたい