2023/12/11 10:30
niwacul
北海道 バラの育て方|12月 冬囲い ~越冬時の枝折れ防止・防寒
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
冬囲いを施してバラの枝折れ・防寒対策
11月も気温が高い日が多く、北海道の冬もこれからどんどん変わってきそうな雰囲気がありますね。ガーデニングをしている方にとっては、これまでの常識が通用しなくなりそうで少し怖いですよね。
すでに作業が終わっているかと思いますが、今回は雪囲いの方法についてご説明したいと思います。
雪が多い地域では、冬囲いには雪に強い「根曲竹」を使用していた方が多いかと思いますが、近年、根曲竹はホームセンターなどでも見ることが少なくなり、真っすぐな「女竹」や「鋼管竹」が主に手に入るものとなりました。これからは雪が多くない地域では女竹、多い地域は鋼管竹の囲いがポピュラーになってくるのではないかと思います。
ここでは、鋼管竹を使った冬囲いを説明していきます。女竹も使い方は同様です。
基本的な冬囲い
【1】
あらかじめ切り戻しておいたバラですが、株の上下部などに縄を巻いて束ねておくと、囲いから出ることなく安心です。(切り戻しは、前回(9月)を参照)
【2】
次に、竹挿し(支柱立て)です。大事なのは、ただ株を中心にして挿すのではなく、きれいな正三角形になるように3カ所に挿すことです。特に女竹などの場合は、雪に押された際にいびつな三角形ですと竹ごと倒れてしまう可能性があります。しっかりと正三角形を意識しましょう。
竹挿しするとき、挿す位置はきれいな正三角形になるよう意識する
【3】
竹挿しをしたら、竹を上部でまとめます。先端は一方向に重なるようにし、縄でしっかりと固定します。
竹の頭止め
【4】
そのあと、耐寒性に不安のある品種なら防風ネットなどを巻きます。または竹に胴巻きを施し、バラが雪で押されて折れてしまわないようにします。「胴巻き」は、下から上に縄で巻き上げていく方法です。縄を節約したい場合は、1カ所ずつ横に巻いて固定し、全体で数カ所固定するだけでも効果を発揮します。
縄を下から上へ巻き上げていく胴巻き
数カ所固定して、縄の節約にも。手前の縛り目の箇所で、一度縄を竹に巻きつけると滑り防止に。しっかりと固定できる
耐寒性が不安な品種は、防風ネットなども巻いてあげるとよい
囲いはさまざまな方法があります。地域ごとの積雪量や環境、持っている資材なども考慮して、効果的な方法で行なってください。
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
Instagram iwamizawa_rosegarden
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