2024/01/08 11:30
北海道生活

北海道 移住インタビュー|釧路町に移住。好きな場所で好きなことを仕事に

(本誌「北海道生活」 2023年6月3日発売・夏号 掲載)

北海道の“このまち”に来るまでと、まちに移り住んでからの“暮らし”について、移住定住インタビュー。今回は、釧路町(くしろちょう)に移住してきた、カメラマンの一家のお話。「自分たちの好きな場所で好きなことを仕事にできたら」と、釧路町でフリーのカメラマンとシンガーソングライターとして活動。

【釧路町】釧路市に隣接するまち(北海道釧路郡釧路町)。釧路湿原と太平洋に面した豊かな自然、国道沿いには郊外型商業施設が立ち並び、自然と住民生活の共存をめざしている。

vol.4 釧路町に移住した、カメラマンの一家


カメラマン 森山 雅友(もりやま まさとも)さん・シンガーソングライター 東 潤子(ひがし じゅんこ)さん

北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家

森山雅友さんと 東(森山)潤子さん。釧路町に移住し、フリーカメラマンとシンガーソングライターとして活動を続ける

フリーのカメラマンになり、釧路湿原のある釧路町へ


JR釧路駅の近くにある元紳士服店の建物。東京でスタイリストとして活躍していた三浦明美さんの実家で、父が遺した建物を三浦さんが写真スタジオ兼イベントスペースとして活用することに。記念日の撮影にふさわしい、ファッションのスタイリングも提案できる新スタイルのスタジオ。ここで撮影してくれるカメラマンを探していたところ、隣の釧路町(くしろちょう)に移住してきた森山雅友さんに出会います。

森山雅友さんは長崎出身、大学卒業後にカメラマンを目指して大阪、そして東京へ、ブライダルスタジオで腕を磨き、その後フリーになります。「フリーということは自分が好きなものを撮っていいのだと思い立ち、自然の中へとフィールドを広げ、小さい頃から好きだった動物の写真を撮り始めました」。関東を拠点とし、日本各地の動物を撮りに行くようになった森山さん。やがて東京で知り合ったシンガーソングライターの東潤子さんと結婚します。
「全国に動物を撮りに行ったけど、北海道の自然の壮大さは格別。特に生活の中に動物が近いと感じた道東で暮らしたい」と考えた森山さんは、釧路湿原のある釧路町に新居をかまえ、仕事の基盤として三浦さんのスタジオを中心にフリーカメラマンとして新たなスタートを切りました。

北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家

子育て中のエゾフクロウの優しい顔。北海道に引っ越して来たからこそ撮れた写真

歌はどこでもできる、北海道での新生活


東潤子さんは大阪出身、子どものころから歌うことが大好きで、大阪芸術大学卒業後はシンガーソングライターを目指して上京。その後、単身でアメリカに渡り、音楽活動に磨きをかけ、帰国後も関東を中心にライブをしていました。やがて、いつもそばで支えてくれたという雅友さんと結婚。タイやカンボジアを新婚旅行でまわるうち、自分の「歌う」ということも、雅友さんの「写真」も、どこでもできるということを実感したそうです。東京にこだわらず、自分たちの好きな場所で好きなことを仕事にできたら、と二人の想いが一致しました。

森山さん一家が新居に選んだのは、野生動物の宝庫・釧路湿原の近く。最初は慣れない環境や人との距離感に悩んだ潤子さんは、「なかなか地に足をつけられない状態に、たびたび心細さを感じていましたが、自分たちで選択した暮らしなので弱音を吐くまいと気を張る毎日でした」。不動産に任せて決めた古い空き家は、思い描いていた田舎の一軒家とはイメージが程遠く、実際に住んでみると苦労の連続。潤子さんが第一子を出産したのち、折よくオール電化の新しい町営住宅が見つかり、あらたなスタートを切ることができました。

北海道へ移住して5年、それぞれの活動も充実


釧路町に来て5年、二人の子宝にも恵まれた現在の潤子さんの気持ちはどうでしょうか。「子育てをする環境としても、とても気に入っています。東京や大阪の友達から話を聞くと、保育所の待機児童問題などが深刻で、釧路町は子ども一人一人に手厚いです。そして自然の中で暮らしていると、気持ちが豊かになり、ずっと穏やかでいられます。今では、ここに来てよかったと思ってます」と潤子さん。
雅友さんも、「もし子どもが先に生まれていれば、同じく自然が豊かな九州に住んだほうが、近くに親がいて安心できていたかもしれない。でもあえて、寒い土地、厳しい環境に身をおいてみたいと北海道を選び、失敗もあったけど結局よかった」とふりかえります。

何より二人きりで始めた新生活、家事も子育ても雅友さんが積極的に手伝い、支えあってきたことが絆を深めたのかもしれません。

北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家

現在は釧路市のスタジオを中心に、結婚式や七五三など、さまざまな記念写真を撮影している雅友さん。ブライダルの経験に加え、子どもを撮影するのも大好きだそうです。「フリーのカメラマンが少ない地域なので、いろんな仕事をいただけるようになりました。もちろん依頼があれば、道東など野生動物を撮影する仕事もさせていただきます」。
潤子さんも昨年の冬から音楽活動を本格的に再スタート。コロナ禍もあり、二人の子育てで十分に活動できませんでしたが、その間も地域の人たちとのコミュニティは着々とつくられてきました。「子どもとのつながりが大きかったです。そして、みなさんが音楽を求めてくれた。ライブ活動も再開したので、これからも歌いつづけていきたいです」。
家族として、そしてカメラマンとシンガーソングライターとして、二人が自由に創作活動できる日がようやく始まっています。

北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家 北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家

カメラマン森山雅友さん。大学卒業後に、ブライダルスタジオで3年間勤務し、独立してフリーカメラマンになる。釧路市のスタジオで撮影するかたわら、フリーとしても各地の撮影に赴く

●カメラマン 森山雅友 

https://pp-smile.net/

北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家

シンガーソングライター東(森山)潤子さん。大阪芸術大学出身、2016年、米ニューヨークへ単身渡米。帰国後も東京を中心にLIVE活動を行なう。2018年6月から拠点を北海道釧路へ移す

●シンガーソングライター 東(森山)潤子 

https://junhiga.jimdofree.com/


北海道 移住インタビュー|釧路町に移住した、カメラマンの一家

東潤子さんのアルバムより、自主制作CD「冬の贈りもの」。ピアノとヴォーカルの音のバランスにこだわり、ファンに人気の曲をメインに音源化したミニアルバム

【今回の取材の撮影協力】

studio kupukupu +(スタジオ クプクプ プラス)

●studio kupukupu +

https://www.kupukupuplus.com/

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