2023/12/06 10:10
「北海道生活」編集長
札幌の夜景×北海道のスパーリングワイン初のイベント
日本の新三大夜景にも選ばれた、札幌の夜景。こちらは藻岩山から見た美しい夜景と、スパークリングワイン、料理を撮影した時の写真です。↓
12月6日から2024年1月8日まで、北海道でつくられたスパークリングワインと札幌の夜景をコラボしたイベント「Sapporo SPARKLING Wine Days 2023 (札幌スパークリング・ワインデイズ2023)」が初開催されるというので、記者発表がおこなわれる北海道大学へ行ってきました。
というわけで、やって来ました、北海道大学。
ここに「北海道ワイン教育研究センター」があります。
建物は1902年(明治35年)に建てられた札幌農学校の「昆虫学及養蚕学教室」で、国登録有形文化財にも指定されています。アメリカ式建築のおしゃれな建物ですね。
センター長の曾根輝雄教授は、「通常のワインより一段難しいスパークリングワインが、北海道でもつくられるようになった。フランスのシャンパーニュ地方のように、地域を形づくるスパークリングもできるのではないか」と期待をこめられていました。
「北海道ワインアカデミー」名誉校長の田辺由美さんは、スパークリングワインについて解説。その製法や、この20年で4倍の市場に成長したスパークリングの魅力について教えていただきました。
北海道は池田町で「十勝ワイン」が始まって60年目、今年は「ふらのワイン」が50年目を迎えました。現在ではワイナリーも64ヵ所に増え、スパークリングワインもさかんにつくられています。
シャンパーニュ地方もフランスの北のほうにあり、冷涼な北海道の気候は、実はスパークリングワインにも適しているのだそうです。
春になるとオホーツク紋別の海明けの毛ガニとスパークリングワインを楽しんでいたという田辺さん。
北海道のおいしい食とスパークリングワインの最高の組み合わせも語っていただきました。
ワインクラスター北海道代表理事でソムリエの阿部眞久さんは、「スパークリングワインの泡は星空に例えられる」ということから、スパークリングワインと夜景を組み合わせたイベントにぴったりだといいます。
実は北海道は日本で初めてスパークリングワインをつくったところで、1985年に池田町「十勝ワイン」で最初に瓶内二次発酵の本格的なスパークリングワインを始めたのだそうです。
今では道内各地にあるワイナリーの半数近くがスパークリングワインをつくっていて、これからワイナリーを始める人も「スパークリングをつくりたい」という人が増えています。
地域も品種もバラエティに富んだ北海道で、様々なスパークリングワインが楽しめるイベントに大いに期待されていました。
北海道で二番目に歴史のある「ふらのワイン」高橋克幸さんは、作り手の立場からスパークリングワインについてお話しされました。
「おいしいスパークリングは手間がかかり、時間もかかる。そのため価格も高くなってしまい、人の目にふれにくくなる。これからスパークリングワインを飲む文化をつくっていかなければならない」と高橋さん。
12月6日から始まる新しいイベントの中でも、特に「Sappro SPARKLING WINE DAY」が行なわれる12月20日は、十勝ワインで初めてスパークリングワイン「ブルーム」が発売された日なのだそうです。
日本のスパークリングワインが生まれた日に、一夜限りのスパークリングワインのイベントが行なわれるのも素晴らしいタイミングですね。
北海道で現在つくられているスパークリングの中でも、今回は5本を試飲させていただくことになりました。
(写真左より)
ふらのワイン「ペルルブランシュ」
平川ワイナリー×北海道大学「玲瓏(れいろう)」
さっぽろワイン「ケルナー・スパークリング」
十勝ワイン「ブルーム」
北海道ワイン「トラディショナルメソッド北海道 TypeM・ロゼ」
試飲は建物裏にあるセンターの貯蔵室で。
こちらも札幌軟石の歴史が感じられる蔵で、元は昆虫学の標本室だったそうです。
ふだんは非公開という建物の中に入ってみると、一部に昆虫学の標本などが残されていました。
かつて朝ドラ「らんまん」では植物学の黎明期が描かれていましたが、ここ北海道大学でも昆虫学の研究が行なわれていたのだなあと、その時代に思いをはせてしまいました。
それが今や北海道ワイン教育研究センターとなり、北海道でつくられているワインがずらりと貯蔵庫に並んでいるようすは圧巻です。
今回の試飲では、唯一シードルが出されましたが、北海道大学ではブドウ畑が収量にまにあわず、まずは学内にあるリンゴでシードル「玲瓏」から始めたのだそうです。醸造は余市の「平川ワイナリー」で、高品質のワインをつくっている私も大好きなワイナリーです。
北海道大学の前身は「札幌農学校」というだけあって、大学に畑や果樹園があるというのもすごいですが、ワイン(シードル)づくりにも取り組まれているのですね。
クラーク博士も喜んでおられると思います。
日本で初めて本格的なスパークリングワインが誕生した「ブルーム」からシードル「玲瓏」まで、産地も歴史も様々な5種のスパークリングワインを試飲させていただける幸せ。
さらにおつまみは、ノースプレインファーム「オホーツクおこっぺ熟成チーズ」と
チーズ専用のクラッカー、坂ビスケット「NOKKE」という北海道でもおすすめの組み合わせ。
「オホーツクおこっぺ熟成チーズ」は名寄のワイナリー「森臥(しんが)」からいただいた山ブドウ「小公子」の搾りかすをつかったゴーダチーズのクラッシュタイプで、今回のイベントのために提供されたそうです。
北海道のスパークリングワインと、チーズなど北海道のおいしい食を楽しめるイベントは、いよいよ本日12月6日からスタート。
札幌の夜景と、冬の美しい星空、スパークリングワインの泡、それぞれを目で楽しみながら、おいしい食も楽しんでみてくださいね。
【Sapporo SPARKLING Wine Days 2023 (札幌スパークリング・ワインデイズ2023)】
☆期間 12月6日(水)~2024年1月8日(月・祝)
☆場所 札幌市内のホテル・レストラン・施設など
<12月20日(水)>
Sapporo SPARKLING Wine Day (札幌スパークリング・ワインデー)
市内4か所を無料バスで周遊、スパークリングワインを楽しめる一夜限りのイベント
詳しくはSapporo SPARKLING Wine Day(12/20開催)公式サイトにて
(編集長)
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