2023/12/07 10:30
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北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。


文・写真:高林 初さん(苫小牧市・観光庭園 イコロの森)


秋も彩りを絶やさずに! 花の少ない秋に開花を楽しめる宿根草


9月に入り、北海道には早くも秋の気配が漂います。開花する花の種類が少なくなるシーズンですが、今回は、この季節にも楽しむことのできる宿根草をご紹介していきます。庭で宿根草を育てて楽しむ皆さんは、秋の植栽の参考にしてみてください。


●エウリビア ディワリカタ(ホワイトウッドアスター)

アスターの仲間は日なたを好むものが多い中で、この種類は半日陰でも花をたくさん咲かせてくれます。白い小花を散りばめるようにして咲き、黄色い花芯が一つひとつの花を愛らしい表情に。秋の庭では、木陰などを白花が明るく演出します。ホワイトウッドアスター、アスター ディワリカツスとも呼ばれます。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

エウリビア ディワリカタ(ホワイトウッドアスター)

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

エウリビア ディワリカタの白花が秋の庭で重宝。ホスタの緑葉との相性もよい


●コノクリニウム コエレスティヌム

以前はユーパトリウム属に分類されていた特徴的な青紫色の花は、木々の紅葉やオーナメンタルグラスとの相性も抜群です。大変丈夫ですぐに地面を覆って雑草を抑えてくれますが、やや勢いがよすぎるため、育てるエリアを決めたら、そのエリア以外の所から出てきた新芽は潔く抜き取るのが上手に育てるコツです。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

コノクリニウム コエレスティヌム

赤紫色のゲラニウム ソボリフェルム(アサマフウロ)も同じ季節に日当たりのよい場所でたくさん咲くので、組み合わせて植えると秋の花壇が華やかになります。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

日当たりのよい環境下で秋にたくさん咲き、花色の相性もよい。青紫色のコノクリニウム コエレスティヌム(左)と赤紫色のゲラニウム ソボリフェルム(右)

ゲラニウム ソボリフェルム(アサマフウロ)は秋に咲くゲラニウムとして重宝していますが、草紅葉(くさもみじ)も大変きれいです。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

秋に咲くゲラニウム ソボリフェルムの花

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

葉が赤く色づく草紅葉もきれい


●アクタエア‘ブルネッテ’(キミキフガ)

赤黒い葉は春から広がりますが、開花は秋の始まりごろ。白い花が細長い房になって咲く姿は大変特徴的で、庭の中でよく目立ちます。大変甘い香りがするのも魅力です。キミキフガ(キミシフーガ)や和名ではサラシナショウマとも呼ばれています。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

アクタエア‘ブルネッテ’(キミキフガ)

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

シックな葉色と白い花の対比がきれい


●キレンゲショウマ パルマタ

半日陰~日陰を好み、黄色い花が晩夏から初秋にかけて咲きます。花が咲く直前のつぼみもぷっくりして可愛らしく、花後のシードヘッドも鑑賞できます。掌状(しょうじょう)の葉も魅力の一つ。数年経って株が成長すると1mくらいの高さになります。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

キレンゲショウマ パルマタ


●シクラメン ヘデリフォリウム

庭で植えっぱなしにして育てることのできる小さなシクラメンです。ヘデラ(アイビー)のような常緑の葉が特徴。秋に開花するので、その季節に鑑賞できる場所を選んで植えるのがポイントです。同じく庭で育てることができるシクラメン コウムは春咲きのため、使い分けが必要となります。種類をしっかりと確認してから購入、植え込みを行ないましょう。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

シクラメン ヘデリフォリウム


●カラミンサ ネペタ

夏から秋にかけて長く咲きます。葉はミントのようなよい香りがします。こぼれダネで増えやすく、それらを生かして自然風な花壇をつくることもできますが、増えすぎを避けたい場合はこまめに取り除きます。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

カラミンサ ネペタ


●コルチカム

秋に開花する球根植物です。購入した球根は水や土がないところでも花を咲かせてしまうので不思議な感覚で楽しむことができますが、来年もしっかり花を咲かせたい場合は購入後すぐに花壇に植えましょう。開花後は地中に根を張り、翌春以降に存在感のある葉を広げます。夏になると落葉し、秋に開花するというサイクルです。一度植えたら、植えっぱなしで毎年楽しむことができます。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

コルチカム

そろそろ春咲きの球根が店頭に並ぶ頃ですね。お目当ての品種は早めに手に入れましょう。イコロの森のショップでも9月から順次お店に並んでいきます。

北海道 宿根草の育て方|9月 花が少なくなる“秋に咲く宿根草”

9月から順次、春咲きの球根(秋植え球根)が店に並ぶ。写真はイコロの森のショップ

プロフィール


高林 初

英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。

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