2025/04/25 15:00
北海道生活
ポタジェ|春を味わう「ワラビ」料理と、庭でも育ててみよう!
春は山菜が美味しい季節。今回は、春の味わい「ワラビ」のレシピと、庭での栽培についてご紹介。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
春は山菜が美味しい季節ですね。山菜にはフキやウド、コゴミ、行者ニンニクなどがありますが、今回は、ほろ苦さと独特のぬめりが美味しい「ワラビ」のレシピと、栽培についてご紹介したいと思います。

水煮にされたワラビは一年中手に入りますが、今が旬のワラビの味わいは格別
ワラビを料理に使う際は、アク抜きが大事。苦味やえぐみが強いので、アク抜きをしてから調理します。ワラビは時間が経つとかたくなるので、できるだけ早くアク抜きをするのがポイントです!
ワラビのアク抜き
[ 材料 ]
・ワラビ 500g
・水 1L
・重曹 小さじ1弱(食品用の重曹を利用)
<準備するもの>
・大きめの鍋
・温度計
・落し蓋(ふた)や皿
[ 手順 ]
【1】
ワラビを洗い、根元のかたい部分を切り落とします。穂先の産毛を取り除く場合は、まず大きな鍋や桶(おけ)などに水を溜めておきます。5本程度のワラビを手に取り、水の中で手のひらをこすり合わせます。これで産毛を簡単にきれいに取り除けます。

穂先の部分を水の中に入れ、手のひらでこすり合わせる

左/穂先の産毛 右/手のひらをこすり合わせると、穂先の産毛だけがきれい取れる
【2】
大きめの鍋に水1Lを入れ、湯を沸かします。沸騰したら火を止めて重曹(小さじ1弱)を入れます。重曹は多く入れすぎないようにしましょう。

水に対して重曹は1%以下に
【3】
湯の温度が80℃ぐらいに下がったら、ワラビを根元の部分から入れ、全体をお湯の中に浸けます。沸騰直後の湯に入れると食感が悪くなるため、少し温度が下がってから入れるのがコツです。

温度計で測ると安心! 80℃ぐらいに下がったら入れる

ワラビ全体を湯に浸ける
【4】
ワラビが浮いてこないように落し蓋や皿などをのせます。湯の温度がさわれる程度に下がったら、かたさを確かめます。ワラビの根元を指でつまみ、まだかたい場合は再度加熱してお好みのかたさに。

落し蓋や皿などで浮いてこないようにする
【5】
ほどよいかたさになったら、ワラビを湯に浸けたまま一晩おきます。翌朝、鍋から取り出して流水で洗います。保存容器にワラビと水をひたひたに入れ、冷蔵庫に入れます。苦みが気になる場合は、半日ほど水に浸してから調理するのがおすすめ。

一晩浸けると水が濃い緑色に
アク抜きしたワラビは、毎日水を取り替えて冷蔵庫に入れておけば、1週間程度は保存可能です。アク抜きが済んだら、春の味わい「ワラビ」料理に使ってみましょう。
Recipe. ワラビとなめこの冷たいおろしそば
つるつるとした食感で、暑い日にもぴったりな“ワラビとなめこの冷たいおろしそば”をご紹介します。

我が家は、そばをつけ汁につけながら食べるスタイル
[ 材料 ]3人前
[ つくり方 ]
【1】
なめこを洗い、ザルにあげておきます。鍋に湯を沸かしてなめこを入れ、30秒~1分ほど茹でザルにあげます。そのまま20分ほど粗熱を取ります。冷水に浸けずに粗熱を取ることで、ぷるんとした食感のなめこになります。

30秒~1分ほど茹でる
【2】
ワラビを食べやすい長さ(2~3cm)に切ります。

ワラビを2~3cmの長さに切る
【3】
保存容器にめんつゆと水を入れます。使用するめんつゆの割合に応じて、水の量を加減してください。そこにワラビと冷ましておいたなめこを入れ、冷蔵庫で3時間~一晩漬けておきます。

なめこがぷるんとした食感に!
【4】
食べる際にそばを茹でます。鍋に湯を沸かし、袋の表示時間通りに茹でましょう。冷水で洗ってそばのぬめりを取り、氷水でさらに洗ってしっかりと冷やしたら、ザルにあげ水を切ります。冷やしておいたなめこのつけ汁、おろした大根を器(うつわ)に盛り付け、そばをつけて味わってください。

さっぱりとしていてのど越しがよく、夏バテ気味で食欲がないときにもおすすめ
ワラビ料理いろいろ
茹でたワラビは、お浸しや煮もの、山菜ごはんなども美味しいですね。
◆タケノコとワラビの山菜ごはん
白米にもち米を加えるともちもちとした食感に仕上がります。タケノコとワラビの旬の味わいと香りも楽しんで。

◆煮もの
具材はシンプルに、主役のワラビ、厚揚げとこんにゃくのみ。ワラビを長めに切れば、食感のよさと旬を味わう満足感も!

◆万能なめんつゆ漬け
めんつゆに漬けて冷凍しておくと、そばやご飯などにすぐに使えて便利。冷凍庫で2カ月ほど保存できます。

冷蔵庫で保存もでき、すぐに使えて便利!
ワラビの栽培について
ワラビは多年性のシダ植物で、ワラビの根から採れるでんぷんは、和菓子のわらび餅に利用されています。
●植え付け時期
ワラビの植え付けは、春か秋。ホームセンターなどで販売されている苗を植え付けると手軽です。ワラビ栽培に適しているのは半日陰の場所で、排水性と保水性がよく有機物に富んだ肥沃な土壌が適しています。
苗を株間20~30cmの間隔で、深さ5~10cmで植え付けます。植え付け後は、表土が乾燥しないように腐葉土やワラなどを敷くとよいでしょう。植えた初年度は収穫せず、株を充実させましょう。

株間20~30cm・深さ5~10cmで植え付け。植え付け後は表土が乾燥しないように、腐葉土やワラを敷く
●収穫の時期
九州・四国は4月ごろ、中国・関西は4~5月、中部から北海道までは5~6月に出る新芽を食用にします。葉がまだ開くか開きかけぐらいの新芽を摘みます。翌年以降も株が充実するように、2割程度残して収穫するようにしましょう。
独特の食感が魅力のワラビですが、ビタミンやミネラル、食物繊維、葉酸などが含まれ栄養価が高いことでも注目されいます。そんなワラビを庭の片隅で育て、収穫できたらうれしいものですね。ぜひチャンレジしてみてください。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401