2025/04/08 15:00
北海道生活
ポタジェ|春が旬の栄養満点なニラ!春巻きレシピと栽培
「ニラ」は、早春が旬の野菜です! 今回は、ニラを使った「春巻き」のレシピと、後半ではニラの栽培をご紹介してきます。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。
文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)
ニラは1年中手に入る野菜ですが、春が旬の野菜です。冬の寒さに耐えて育った一番最初に収穫する「一番ニラ」は、軸が太てやわらかく、甘みも強く、瑞々しさが格別です。
毎年ポタジェでも一番ニラを収穫すると、切り口から水分が落ちるほどの瑞々しさに驚きます。ニラはとても丈夫で育てやすく、一度植え付けると複数年収穫することができ、刈り取ったあともすぐに新芽が伸びてくる便利な野菜です。今回は、ニラを使った「春巻き」のレシピと、後半ではニラの栽培をご紹介したいと思います。

北海道では5月初旬に収穫する「一番ニラ」は、甘みが強く美味しい
“春を巻く”と書く『春巻き』の由来は諸説ありますが、中国の春節(旧正月)のお祝い料理として供されていたのが始まりといわれ、小麦粉でつくった薄い皮に、春に芽吹く具材を包んで食べたことから「春巻き」と名付けられたようです。たしかに、春巻きの定番具材のタケノコやニラも‟春が旬”の野菜ということからも納得ですね。

我が家の春巻きはシンプルだけど、とても美味しいと評判のレシピ
Recipe ニラの春巻き
[ 材料 ]
・豚ひき肉 200g
・ニラ 80g
・タケノコ 100g
・シイタケ 2~5枚
・おろしショウガ 小さじ1
・春巻きの皮 10枚
・ごま油 小さじ2
・水溶き片栗粉(水:大さじ1、片栗粉:大さじ1)
・水溶き薄力粉(水:大さじ1、薄力粉:小さじ1)
<A(調味料)>
・鶏がらスープの素 小さじ1
・醤油 大さじ1.5
・酒 大さじ1
・塩・コショウ 少々

シイタケは多めが美味しい!
[ つくり方 ]
【1】
ダケノコは長さ3cmほどの細い短冊切りにします。シイタケは薄い千切り。ニラは3cmの長さに切り揃えます。
【2】
フライパンにごま油を小さじ1を入れ、ショウガと挽き肉を炒めます。

挽き肉に火が通るまで炒める
【3】
挽き肉に火が通ったら、ニラ、シイタケ、タケノコを加え炒めます。

ニラ、タケノコ、シイタケを加える

炒め合わせる
【4】
全体に火が通ったら、A(調味料)を加えて混ぜ合わせます。ごま油 小さじ1を回しかけ、水溶き片栗粉を加えて全体を混ぜ合わせたら火を止めます。このまま20分ほど冷ましておきましょう。

ごま油は最後に加えると風味よく仕上がる
【5】
具材が冷めたら春巻きの皮で包みます。春巻きの皮に具材を置き、ひと巻したら左右を折りたたみ、残りの皮の上部に水溶き薄力粉をつけて留めます。

具材を中央付近に置く


下からひと巻きして、左右を折りたたむ


さらにひと巻したら、残りの皮の上部に水で溶いた小麦粉を塗って被せるように巻き、閉じめを下にして置く
【6】
フライパンにサラダ油を1cmほど入れ、160~170℃で2~3分揚げます。

こんがりきつね色になるまで揚げる
パリパリとした触感が美味しく、具材の旨みが閉じ込められた春巻きは“春のごちそう”ですね。冷凍保存しておくと、もう一品ほしいときに重宝しますよ。
ニラの特徴と栽培について
ヒガンバナ科のニラは、中国では3000年前から栽培され、日本には9世紀ごろに伝わり「古事記」や「日本書紀」にも登場するほど歴史が古い野菜です。ニラはビタミンやカリウム、食物繊維が豊富に含まれています。ニンニクにも含まれているアリシンという匂いの成分は強い抗酸化作用や血行促進、疲労回復効果があるといわれています。

雪が解けると出てくるニラの新芽。4月中旬
●植え付け
ニラは、タネか苗から育てます。タネから育てる場合は、あらかじめ苗づくりが必要になります。育苗期間が80~90日程度必要になるため、1年目は収穫せず、2年目から収穫するのがよいでしょう。
苗を植える場合は株間は15~20cm、4~5本まとめて植え付けます。プランターでも手軽に栽培できますよ。ニラは保水性と排水性のよい土壌がよく、少し日陰になるような場所で育てるとやわらかい葉に育ちます。

ニラの苗はホームセンターなどで購入することができる
●収穫のタイミング
草丈20~30cmになったら、根元を2~3cm残してハサミで切って収穫します。刈り取ったあとは軽く中耕しておきます。1カ月ほどで再び収穫できますが、一番ニラと比べると徐々に繊維が強く、葉がかたくなる傾向があります。

5月初旬の様子。一番ニラは軸が太くてやわらかい

収穫後は、株間を軽く耕す(中耕)ことで土に空気が入り、生育が促進される。鍬(くわ)やねじり鎌を使うと便利
●とう立ち(花が咲く)
夏になると「とう立ち」して花茎が出てきます。そのまま放置するとタネに栄養を送るようになり株が弱るため、花茎の元から刈り取りましょう。つぼみのうちに摘み取ったものは“花ニラ“として食べることができます。
また、ニラの花はネリネに似ていますが、ネリネの花は食用にはできませんので注意を! ポタジェでは、ニラの花とハーブを組み合わせてミニブーケづくりに利用したりしています。

ニラの花はネリネに似ている

ブーケの花材にニラの花を利用。プレンゼントするとニラの花に驚きながらも、喜んでくれる
●株分け
ニラは「分けつ」して茎が増えていきます。そのままにすると株が込み合い、葉が細くなっていくため、おおよそ3年ごとに株を掘り上げて株分けを行ないます。連作障害が起こらないように新しい場所に植えましょう。

株分けは春先に行なう
コンパニオンプランツとしてのニラ
ニラはトマト、ナス、ピーマンなどのナス科野菜と相性がよく、株元に植えるとニラの根につく微生物の働きで土壌中の病原菌を減らす効果があるといわれています。地上部ではニラの香りが病害虫防除にも役立つため、キャベツやブロッコリー、コマツナなどのアブラナ科野菜のそばに植えると効果が期待できます。株分けしたニラを有効利用できそうですね!

植え穴にニラの苗を2~3本配置する

そこにトマトの苗も置いて一緒に定植
ニラは、ギョウザやチヂミ、チャプチェ、玉子とじやお味噌汁など、さまざまな料理にアレンジできる栄養満点な野菜です。庭の片隅で育てみてはいかがでしょうか。
プロフィール
藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。
HP ピュア・ポタジェ
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401