2025/04/05 14:00
北海道生活
北海道 宿根草の育て方|4月 初心者向け!宿根草の庭の楽しみ
北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。
文・写真:高林 初さん(苫小牧市・観光庭園 イコロの森)
春先の庭のお手入れと観察ポイント!
雪解けが進み、庭にも春の息吹が感じられる季節。宿根草の庭では小さな芽吹きを見つけ、ワクワク感にあふれます。今シーズンは、初心者の方でも楽しめる宿根草の作業や観察ポイントを季節ごとにご紹介していきたいと思います。
◆春は、雪解け後の庭の観察からスタート
春の訪れを実感する最初のステップは、「庭の観察」です。長い冬を乗り越えた植物たちが動き出す様子をじっくり眺めてみましょう。観察のポイントは次の通りです。
【 観察のポイント 】
●新芽の発見
クリスマスローズやセダムの芽が地面から顔を出していませんか? 花壇に小さな新芽を見けたら、無事に越冬した植物をチェックしておきましょう。

セダムの新芽を発見!花が咲くのは夏の後半以降
●春のサインを見つけよう
雪解け後にまず咲くのはスノードロップ。その後、カタクリやフクジュソウが咲き始めたら、本格的な春の到来!

雪解け直後に芽を出すスノードロップ

イコロの森でも自生のカタクリが、ほかの宿根草に先駆けて開花
◆雪解け後の清掃とマルチング
庭の芽吹きを見守りながら、優しくお手入れをしましょう。主に、花壇の清掃とマルチングがシーズン最初の作業となります。
【 お手入れのポイント 】
・枯れ葉や、枯れたり折れたりした茎を取り除きましょう。
・萌芽したばかりの芽を踏まないよう注意!
・バーク堆肥や腐葉土、馬ふんや牛ふん堆肥を根元に薄く敷き均す。土の保湿や養分を補えます。
この作業を行なうことで、新しい芽がのびのびと育ち、病害虫の発生も防ぐことができます。春は気温変化が激しいけれど、地温が安定してくれます。
◆宿根草の株分けで庭をリフレッシュ
昨年花付きが悪かった株や、成長して花壇が混み合ってしまったエリアは、「株分け」のタイミングです。株分けをすることで宿根草が元気になり、庭に新たな変化が生まれます。
【 株分けがおすすめの種類 】
●ホスタ
大きく茂った株はスコップでざっくりと分けて植え直しましょう。

ホスタ、中央に新芽が少なくなるのも株分けのタイミングのサイン
●アスチルベ
花数が減ってきたら、根をほぐして若い部分を選んで植え戻します。
●セダム(ヒロテレフィウム)
株を大きめに掘り取り、手で分けるかスコップで2~4分割して植え付けます。
【 株分け後のケア 】
・強い日差しは避けるようにして、株分けは曇りの日に行ないましょう。
・新しく植えた株は、たっぷりと水やりを行なってください。
・気温が安定するまで、乾燥しすぎないよう注意。マルチングなどを施すと保温・保湿の効果も。
◆スプリングエフェメラル(春の妖精)を楽しもう
春の宿根草ガーデンでは、小球根に代表されるスプリングエフェメラルが見どころの一つ。自生するものと園芸種、どちらも楽しんでみましょう。「スプリングエフェメラル」とは、春の瞬間だけ現れて可憐な花を咲かせ、夏にはそっと姿を消す植物のことをいいます。これらの花々が咲くことで、庭の春らしさが一気に増します。
【 自生する春の花 】
●エゾエンゴサク
青や紫の小さな花がとても可憐ですが、生命力の強さも感じられる花。

エゾエンゴサク、北海道の代表的なスプリングエフェメラル。まれに球根でも流通している
●カタクリ
うつむき加減に咲く姿が美しいです。

シロバナエンレイソウ(写真右)と一緒に咲くカタクリ
【 園芸種の小球根 】
●チオノドクサ(シラー)
青やピンクの星形の花が、群生して咲きます。

チオノドクサ、秋に球根で流通。年ごとに増えて群生するように咲くのがうれしい
●スイセン
庭に春らしさをプラスしてくれれます。花色・花の姿は豊富です。

スイセン、品種によって開花期も色や大きさも違う。夏以降に球根で購入でき、秋に植える
◆春の宿根草ガーデンを満喫しよう!
4月は庭の変化を楽しみながら、本格的なガーデンシーズンに向けて少しずつ作業を進めるのに最適な時期です。
【 今月の庭の楽しみ方 】
・毎日少しずつ庭を眺める
昨日より伸びた新芽を発見するのも楽しい!花が咲くまでの変化を見届けてあげましょう。

セダムの葉が広がっていく様子も可愛らしい

ダルメラの蕾(つぼみ)が上がってくる様子も面白い!
・気になった植物をメモする
「芽吹きのタイミング」「冬越が上手くいったか」など今後の庭づくりに活かせるポイントを記録。
・春の庭を写真に残す
いいなと思ったシーン以外も意識的に残しておくと、季節を追ってどう変わるかを確認する参考になりますよ。

半球状に育つ姿は可愛いが、春先は少し寂しい雰囲気…。これが季節の後半にどうなるか、観察し続ける楽しみも
春は、植物の目覚めとともにガーデナーの気持ちもワクワクする季節ですね。宿根草の庭仕事を通して、春の訪れをじっくり楽しみましょう!
プロフィール
高林 初
英国Writtle College(リトルカレッジ)にてガーデンデザインを学ぶ。現在は、苫小牧市にある「イコロの森」の勤務、ヘッドガーデナー 。設計からメンテナンスまで庭づくりの幅広い経験をもとに、宿根草ガーデンの管理・栽培等を担当。
Instagram ikor_no_mori
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