2025/03/16 15:30
「北海道生活」編集長

やぎさん取材日記|JR函館本線あの駅弁に出会う各駅停車の旅

鉄道で行く道南の旅、今回はJR函館本線の長万部から函館までを、普通列車を使って旅してみます。

この路線は、なんといっても有名な駅弁が揃っています。

駅弁を食べながら、のんびり普通列車にゆられてみませんか?

やぎさん取材日記|JR函館本線あの駅弁に出会う各駅停車の旅

広い北海道、道南とひとことで言っても範囲はさまざまです。

そこで今回の「道南の鉄道」の旅は、室蘭本線の室蘭から長万部、そして今回は函館本線の長万部駅からスタートします。

前回の室蘭本線の取材日記はこちら

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昨年10月初めのころ、長万部から少し車で行ったところに撮影ポイントにカメラマンと向かいました。

秋の終わりと言いながら寒すぎるなと思っていたら、ふわ~んと「雪虫」が飛んできてびっくり!

「うわ!雪虫を見てしまった!」……蛍の綿雪版みたいな小さな虫なのですが、これを見ると2週間後に初雪が降るというのは定説。

その後しっかり雪は降り、北海道に長い冬が訪れたのでした。

長万部名物「かにめし」とレア駅弁「さけめし」


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さて今年の1月には、長万部駅で名物「かにめし」を買って普通列車に乗り換え。

駅前のお店で、まだあたたかい「かにめし」を買い、列車に乗り込むと外はすっかり冬の景色です。

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この「かにめし」は、数年前まで車内販売していて、長万部駅で積み込まれて買うことができました。

炊き上げたカニにピリッと七味がきいていて、意外とビールに合うことを発見。

有名駅弁で何度も食べたという方も、ビールのおともにもいいので、ぜひ一度試してください。

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そして、本店に行かないと買えない幻の駅弁が数量限定の「鮭飯(さけめし)」。

数量限定といっても、ほとんど店頭で買うことはできないので、事前にお店に予約しておきました。

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中を開けてみると、カニのほぐし身の代わりに鮭のほぐし身が敷き詰められています。

タケノコ、錦糸卵、グリーンピースは同じですが紅ショウガがアクセントになっていて、どーんとのっていたのがサケの天ぷら。
サケの揚げ煮のようになっていて、ダシのきいた衣もしっとりとしていて、なかなか美味しかったですよ。

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外の風景はほとんど雪だらけなので、秋のうちに撮影しておいた写真をいくつか使っておきます。

八雲駅の次にある山越駅は、瓦屋根が北海道では珍しいカタチの無人駅。
かつてこの辺に日本最北の関所があったとのことで、関所をイメージしているのだそうです。

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野田生(のだおい)~落部(おとしべ)~石倉は、線路が噴火湾にとっても近く、海を見ながらの車窓が楽しめます。

森駅名物「いかめし」を買いに途中下車


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森駅に到着!
森駅は全国の催事でも有名な「いかめし」発祥の地。
今でも駅弁がこのまちでつくられていて、駅前の小さな商店で買うことができます。

ここで途中下車して、次の列車が来るまでのんびりとベンチで食べている旅人の方も見かけました。

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駅前の柴田商店で「いかめし」を買い、ふたたび普通列車の旅へ。

函館本線をまっすぐ行くのがセオリーですが、あえて森駅から分かれている砂原支線の列車に乗り、遠回りをしてみます。

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ちょうどキハ40形の車両を見かけました。
3月15日のダイヤ改正からはなくなってしまった、グリーンのラインの車両です。

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三角形のかわいいカタチの東森駅。

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木造のしぶいたたずまいの渡島砂原駅。

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渡島沼尻駅では、ちょうど下りの列車がやってきました。
こちらの車両はキハ150形といって、3月15日のダイヤ改正から普通列車はすべて、このラベンダーのラインになったそうです。

秋の撮影時はなかなか見られず、表紙の撮影時に苦労したことが思い出されます。

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そしていよいよ、大沼へ。
大沼からまた、砂原支線は本線に合流します。

こちらは大沼と駒ヶ岳がばっちり見えるロケーションで撮影しました!

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さて函館本線のほうでは、森駅から駒ヶ岳駅、赤井川駅、大沼公園駅つながっていますが、砂原支線よりショートカットなのと、天気が良ければ駒ヶ岳の風景が見事ですよ。


消費期限当日限り!大沼公園名物「大沼だんご」


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大沼公園駅の前にある「沼の家」では、名物「大沼だんご」を買うことができます。
これもかつては「かにめし」と同様、車内販売で買うことができました。

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写真左より大沼だんご「あんと醤油」小折、「ごまと醤油」小折

かつて車内で買えたのは「あんと醤油」で、みたらしのような醤油たれとあんこが箱にひたひたに入っていて、串にさしていない団子が湖の小島のように浮かんでいるという大沼名物です。

そして本店に行かないと買えないのが「ごまと醤油」なのですが、今では車内販売がなくなったため、どちらも本店でしか買えなくなりました。

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今回初めて「ごまと醤油」をいただきました。
これまでは車内で「あんと醤油」しか買えなかったのと、本店で買う時は「消費期限本日限り」という日持ちしないものなので、どちらか一択しか選べなかったからです。

初めて食べた「ごまと醤油」は絶品! 甘いものが苦手な方でも、これならおかず感覚でどんどん食べられそうです。

通常サイズの小折の他に大サイズもあるので、「次はごまの大を買おう!」と誓ったのでした。

函館駅の名物&おすすめ駅弁


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写真左より駅弁の函館みかど「鰊みがき弁当」、「鮭いくらごはん」

そしていよいよ、函館へ。
函館の名物駅弁といえば「鰊みがき弁当」です。パッケージのデザインも昔と変わらないレトロな感じ。

今回は「鮭いくらごはん」も買ってみました。

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ふたを開けてみると、「鰊みがき弁当」はニシンとカズノコの親子、
「鮭いくらごはん」は鮭とイクラの親子という、ダブルで親子丼が楽しめましたよ。

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さて函館駅でしか買えない幻の駅弁が、「天然岩海苔二段弁当」。
檜山で冬の間手摘みされた貴重な岩海苔を使っているので、数量限定の特別な駅弁です。

午前中には売り切れているというので朝に買ってから札幌に帰ったことがありますが、後日、10時頃に行ったらもう売り切れていました。

函館本線は有名な駅弁がいろいろありますので、一度ならず何度も乗ってみると、それぞれの駅弁が味わえます。
たまには普通列車でのんびりと途中下車して買ってみてくださいね。

(「北海道生活」編集長)


【今回のたちよりスポット】・・・・・・・・


かにめし本舗かなや

営業/ 8:00~16:00 ※なくなり次第終了(火曜・第3水曜定休)

HP/ https://e-kanaya.com/


いかめし阿部商店

営業/ 柴田商店 9:00~ ※なくなり次第閉店(不定休)

HP/ https://ikameshi.co.jp/


駅弁の函館みかど JR北海道フレッシュキヨスク)

函館駅・新函館北斗駅

HP/ https://www.hkiosk.co.jp/mikado/


※この記事は北海道生活本誌2025年春号より一部転載しています。


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