2025/02/18 20:00
「北海道生活」編集長

日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

2025年2月17日(月)、札幌にて「第29回 北を拓く道産ワインの夕べ」が開催されました。


北海道は71ヵ所(2025年1月調べ)ものワイナリーがある、日本最大の生産地。ワイン用ブドウの生産量も、ついに日本一になったそうです。


今回は28社のワイナリーが集結、これまで「北海道生活」で取材させていただいたワイナリーの他にも、どんどん新しいワイナリーが増えているので、広い北海道の各地にいる方々にご挨拶できるまたとないチャンスなのです。


そして、すでに取材させていただいた方にも再会でき、知っているワイナリーでも知らないうちに新しいワインもできていたりして、それを試飲できるなんてなかなかないチャンスでもあるのです。


……といっても、ワイナリーは28社あり、各社1~数種類を試飲させてもらえるとあって、すべてを飲むのは無理。できるだけ知られざるワインを中心に、しぼりにしぼって試飲してきました!


【乾杯】ふらのワイン「エーレンフェルザー2023」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

来場者全員にふるまわれる乾杯用のワインは、ふらのワインの自社畑でしか作られていないドイツ系品種エーレンフェルザー」の白ワイン。


調べてみるとリースリングとシルヴァーナをかけ合わせたものだそうで、キリッとさっぱりした乾杯にふさわしい一杯です。



日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

北海道の道産ワインによるシャンパンタワーも恒例行事となりました。


十勝ワイン「ブルーム」は、北海道で初めて本格的に作られたシャンパーニュ地方と同じ製法のスパークリングワイン。それを惜しげもなく、なみなみとシャンパンタワーに注いでいきます。


この注がれたワインも来場者にふるまわれますので、無駄にはしていません。いや~それにしても贅沢です!



さっぽろ藤野ワイナリー「ナイヤガラ ハセガワヴィンヤード2024」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

さっぽろ藤野ワイナリーの無濾過のワインはどれも大好きなのですが、今回初めていただいたのが白ワイン「ナイヤガラ ハセガワヴィンヤード」


ナイヤガラといえば甘いワインが定説だったのに、このワインのように、最近のナイヤガラのワインはさっぱりしていて旨みだけ残しているものが出てきています。


同じく初登場の赤ワイン「アッシジのフランシスコ2022」も、やわらかな口当たりから伸びやかな酸というだけあり、ふくよかで重たくなく美味しかった!


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

このイベントの最初にご挨拶するのが、「さっぽろ藤野ワイナリー」の伊與部淑恵さんと妹の佐藤與子さん。


十数年前に取材した頃から変わらない、すてきな姉妹のお二人だなあと毎年再会を喜んでおります。



OSA WINERY「MATENI ROSE SPARKLING 2019」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

OSA WINERY」では、ツヴァイゲルトを直接圧縮、シャンパーニュ製法で約5年熟成し、五本ずつ手作業で澱抜きしたという「MATENI ROSE SPARKLING(マテニ ロゼスパークリング)」をいただきました。


「マテニ」ってどこの言葉だろうと思っていたら、北海道弁で「真心こめて丁寧に」という意味なんだそうです。手間ひまかけた、600本限定のロゼスパークリングです。


夏にアスパラ狩りをした帰り、長さんのワイナリーに寄って「このアスパラに合う一本を買っていきたい!」と選んでもらった「ocean2020」も旨口の白でおすすめです。


めむろワイナリー「よろこぶ 山幸 ロゼスパークリング 2023」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

お次も、ロゼスパークリングをご紹介。


めむろワイナリー「よろこぶ 山幸 ロゼスパークリング 2023」は、「北海道生活」冬号のおとりよせ特集で紹介したばかり。


お祝いの席で飲んでほしいと「よろこぶ」と付けられたそうで、微発泡のさわやかなロゼスパークリング。山幸の山ブドウっぽさよりも、果実味を抜群に感じました。



森臥「2020 前夜祭」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

こちらは道北・名寄市にあるワイナリー、森臥(しんが)の初出し「2020 前夜祭」で、まだ試験醸造の段階なのだそうです。

販売前のワインをいただけるのも、この会のうれしいところ。


名寄産のブドウにこだわり、こちらの「前夜祭」もキリリとした酸が特徴の、シャルドネ100%のスパークリングワインです。

「小公子」という風雅な名前を付けた赤ワインも、山ブドウ交配種のさわやかな味わいです。


ニッカ余市ヴィンヤード「エヌ・ワイ・ブイ余市 ピノ・ノワール スパークリング2021」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

こちらは初登場、ニッカ余市ヴィンヤード は、あの「ニッカウヰスキー」の別会社として立ち上がったワイナリー。


まさか蒸溜所の中にワイナリーができていたのは不勉強にも知りませんでした。竹鶴政孝さんもきっと「ワイナリーができたのか!」とびっくりしそうですね。


「ピノ・ノワール スパークリング2021」は、余市の自社畑に最も合うものを研究して栽培~収穫したピノ・ノワールを、手間ひまかけて瓶内二次発酵したスパークリングの白ワイン。


ワインであっても、竹鶴イズムを感じさせる、こだわりの一本です。


雪川醸造「スノーリバー ソーヴィニヨンブラン Hachi 2023」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

こちらも初登場の雪川醸造は、東川町に2020年に設立されたワイナリー。


ワイナリー名を冠した「スノーリバー」ラベルの中で、「ソーヴィニヨンブラン Hachi 2023」をいただいてみました。


おだやかな酸と旨みのバランスが気に入り、昆布〆白身魚のサラダと合うというのにも納得。


hachi というのは、ソーヴィニヨンブランを収穫した石狩市の地名から取ったそう。

すてきなラベルですね、とお話したら、なんとAIで描かれたんだそうです。時代だ!



ドメーヌ トワ「L'assemblage Blanc 2023」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

こちらも初登場、道北の鷹栖町にできた「ドメーヌトワ」からは赤白3種類のワインが出品。


「L'assemblage Blanc 2023」は、バッカス41%、ピノグリ30%、シャルドネ15%、ゲヴェルツ13%という、私個人の好きな白ブドウ品種の混醸ということで選んでみました。


新しいワイナリーさんで混醸のワインを造られるところは、まちがいなく美味しいと勝手に思っているのですが、こちらも自分好みの美味しいワインでした。


はこだてわいん「七飯シャルドネ2023」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

はこだてわいん「七飯シャルドネ2023」は、この会場で初めて見た一本。


さわやかな酸と旨みのバランスがいい、お食事にも合いそうな白ワインでした。


自社畑のシャルドネを100%使用しており、醸造所のある七飯町(ななえちょう)のことをもっと知ってほしいという願いが込められているそうです。


「七飯町には酒蔵もできているので、町内をめぐってみてほしい」と佐藤社長。

北海道で人気の道の駅も七飯町にあり、今年は七飯町めぐりもいいかもしれませんね。


奥尻ワイナリー「OKUSHIRIメルロー2024」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

日本で初めて離島で作られた、奥尻島(おくしりとう)の「奥尻ワイナリー」は、ワイナリーの菅川さんに毎年お目にかかれるのも楽しみです。


奥尻の波の音を聴かせた「風揺(ふうゆ)メルロー 2022」を頼もうとしたら、「去年それ頼んだでしょ?」と菅川さんに笑われ、「OKUSHIRIメルロー2024」を勧めていただきました。


すっかり忘れてた!(笑)と、飲んでみたら、「メルローの白ワイン?? すっごく美味しい!」とびっくり。


離島だけあってミネラル感がつよく、以前は「しょっぱい」とまで言われた奥尻ワインですが、そんなことは全くなくって、ミネラル感は残しつつもまろやかな美味しさでした。


登(のぼり)醸造「セツナウタ 2022」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

そろそろ赤ワインを……と、昨年も出ていただいた、余市町「登醸造」へ。


小西さん夫妻お二人で営む小さなワイナリーで、今年も出品されている!とうれしくなりました。


ツヴァイゲルトレーベ100%の「セツナウタ2022」はしっかりした赤ワインというより、ロゼにも似た軽やかな一杯。


果実味もたっぷりで、今年も飲めてよかった~。



北海道ワイン「鶴沼ロンド2021」と「PIWIs Blend 2021」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

北海道ワインからは、さすがに10種類近いワインが出ていたと思うのですが、中でも「鶴沼ハーベスト スペシャルキュベ ロンド 2021」は、私が初めて取材させていただいた15年ほど前にもあった思い出の赤ワイン品種・ロンドのワイン。


ドイツの赤ワイン品種ですが作りづらく、なかなか普及しなかったそうで、それでも北海道ワインが「この種を絶やしてはいけない」と鶴沼で作り続けていた品種です。


その話を当時聞いて、ロンドのワインを一本買って帰り、もったいなくて何年も飲まずにいたら、ある日お会いした北海道ワインの社長さんに「もう飲まないとダメ!」と驚かれて、あわてて飲んだ思い出があります。


久しぶりに飲んだロンドは、やっぱり美味しい、という一言では片づけられない感動と余韻がありますね……。


そして、「北海道生活」の読者プレゼントでいただいた「PIWIs Blend 2021」は初めていただいたワイン。


ロンド・レゲント・アコロンなどのPIWI(ピーヴィー)品種を複数ブレンドして醸造、ブレンドならではの複雑味、スムーズで飲みごたえがある、新時代のワインです。


いち早くヨーロッパから導入していたというPIWI品種とは、ブドウの病気に耐性を持ち、農薬の削減により環境に配慮した品種で。北海道ワインと契約農家が取り組んでいるワインです。


ストーリーのよさだけでなく、味の良さ、そしてコストパフォーマンスの高さも揃ったワインだと思います。



YAMAZAKI WINERY「PINOT GRIS 紺 2023」


日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

いつも最後にご挨拶に行くのが「YAMAZAKI WINERY」の山﨑太地さん。


最後は山﨑さんとこの赤ワインで締めよう、と思ったら、初めて見た「PINOT GRIS 紺 2023」に、「紺?」とこちらで〆の一杯とさせていただきました。


以前はブルーラベルというシリーズがあったと思いましたが、「紺」シリーズを知らず、本当にすみません。


名前よりも、山﨑さんのコクのある白ワインの味わいは、最後に飲んでも十分に余韻が残り満足感でいっぱい。


今年も、ごちそうさまでした!





日本一の北海道!新しいワインと出会う「道産ワインの夕べ」

というわけで、28社からワインが試飲できたのはほんの一部で、それでも「道産ワインの夕べ」に参加すると、新しいワイナリーを知り、既存のワイナリーの新たなワインを知る、とても学びになって美味しく楽しめる絶好の機会です。


何より、春から秋にかけて大忙しのワイナリーのみなさんの笑顔に会えるのが、とてもうれしいです。


北海道のワイナリーについては、主催のNPO法人ワインクラスター北海道で紹介していますので、参考にしてみてくださいね!


(「北海道生活」編集長)


スマホへのインストールはこちらから

おすすめ


  • 江別 蔦屋書店で‟滋味”を味わう!道産ワインフェアなど催し開催中


  • 北海道のワイナリーが一堂に!「道産ワインの夕べ」開催


  • 札幌・百合が原公園のひと足早い春!ミモザの花がいよいよ見ごろ


  • 発表!北海道の食匠「北のハイグレード食品2025」


  • 「2025さっぽろ雪まつり」開幕!10m超え大雪像や楽しみ満載


  • 後志の魅力が詰まった冬味覚「しりべしコトリアード」を堪能!