2025/02/14 10:30
北海道生活

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

今シーズンは、「ポタジェ」をはじめてよう! 春からの美しい菜園づくりのために、“ポタジェをはじめるときの基本”についてご紹介します。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)



暦的には立春が過ぎ、少しずつ日も長くなり、春が近づいていることを感じるようになりましたね。そこで今回は、“ポタジェをはじめるときの基本”についてご紹介したいと思います。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

さまざまな野菜やハーブを混植したポタジェの様子

修道院がはじまりといわれる「ポタジェ」は、野菜やハーブ、花、果樹などいろいろな植物を混植し、自然と調和した心安らぐ美しい菜園をつくれることが魅力です。そんな心が安らぐポタジェをつくるために、今から準備できることを中心にご紹介していきます。

ポタジェをはじめる準備とプラン


① 庭のサイズを測りレイアウト図を描く

まずはメジャーを使って、菜園の広さを測りましょう。同じ種類の野菜や同じ科の植物を植え続けると連作障害が起こりやすくなります。どこに何を植えるのかをレイアウト図に描いておくとよいでしょう。特に家庭菜園では、ナス科(トマト、ナス、ピーマン類、ジャガイモ、ホオズキなど)の野菜が多く、連作障害を予防するためにも、簡単でもよいのでレイアウト図を描いておくと、翌年の参考にもなるので安心です。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

レイアウト図を描いておくと安心!


庭の東西南北を確認しておく

植物は、葉で光合成をして生長するための栄養をつくり、根や茎へ栄養を送って体(株)を大きくしていきます。そのためにも全体に太陽の日差しが当たるようにレイアウトすることが大切です。基本的には、背の低い植物は南側に、背の高い植物は北側に植えましょう。ただし、レタスなどの葉もの野菜やハーブ類は半日陰で育てるとやわらく風味よく育つので、直射日光や西日の当たらない場所に植えたり、背の高い植物の株元に植えるのがおすすめです。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

直射日光が苦手なレタスは、半日陰で育てるとやわらかく育つ


日陰ができる場所を把握する

塀や樹木などの既存の物によって、庭に日陰ができる場所を把握しておくとよいでしょう。日陰になる場所は水はけが悪く、ジメジメしている場合が多いものですが、そんなときは発想転換してみるのもおすすめ。植物は適地適作という言葉があり、それぞれの植物が好む環境があります。
例えば、トマトやサツマイモ、スイカなどのように乾燥を好む植物もあれば、レタスやミツバ、ミョウガなどのように乾燥を嫌う植物があります。特徴に合わせて最適な植物を選ぶと、無理なく栽培することができますよ。水が溜まってしまうほど水はけが悪い場合は、土を耕して腐葉土などを入れ、排水性を改善することが必要な場合もあります。

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半日陰を好むミョウガは土の中から出てくる。手前に見えるのは花が咲いたミョウガ

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収穫したミョウガ


④ 風当たりも把握しておく

郊外にある市民農園などで、周囲に風を遮る建物や樹木がない場合は、風が強く吹き抜けるために生育不良になることがあります。植物は風などで揺れるとストレスになり、体力を消耗して病害虫の被害にもあいやすくなります。そんなときは、菜園の周囲に防風ネットなどを設置して植物を強風から守ってあげるのもよいでしょう。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

既製品のフェンスに、金網や防風ネットをタッカーで取り付けて風除けに

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

設置と片付けがしやすい


⑤ 直線的な畝にこだわらないレイアウト

ポタジェは少量多品種を混植するので、農家の畑のように、同じ野菜を真っ直ぐな畝(うね)に植え付ける必要はありません。直線的な畝が多いと見た目はすっきりとしますが、単調でかたい印象になります。曲線を用いると菜園がやわらかい印象になります。レンガや木枠などを利用して、レイズドベッドやボーダーガーデン風のコーナーをつくるとガーデンのような雰囲気になりますよ。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

通路にカーブを描きながら敷石を置くとやわらかな印象に

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レンガを組み合わせてボーダーガーデン風に

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レンガで囲ってレイズドベッド風に


⑥ 人が歩けて作業ができる動線を配置

通路がないと収穫やお手入れがしにくくなります。植物と植物の空間がないと、作業しようとかがんだときに大切な植物がポキッと折れてしまうことも。「後悔先に立たず」とならないように、作業できる幅の通路を取りましょう。このときに、通る頻度が高い通路は広めしておくがコツです。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

通る頻度が高い通路は広めに設ける


⑦ 育てる植物を選ぶ

「今年は何を植えようか」と考える時間は楽しいものですね。料理やクラフトづくりなど、最終的に利用する目的(ゴール)を考えて選ぶのもおすすめです。例えば、「ボルシチをつくりたいから、ビーツを育てよう」「梅干しをつくりたいから、梅の木を植えてみよう」など、自分のこだわりの植物を選ぶのも楽しいものです。そのためにも植えるものを早めに決めて情報収集をし、その植物にとって最適な場所を決めてあげるとよいでしょう。特に、樹木や多年草植物は、一度植えると基本的には動かせないためよく吟味しましょう。

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

ビーツを使ったウクライナの郷土料理「ボルシチ」

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

梅の木を植えて、自家製梅干しや梅シロップづくりに

ポタジェ|自然と調和した美しい菜園「ポタジェ」をはじめよう

リンゴの香りのジャーマンカモミールは一年草ハーブ

定植するまではまだ時間がありますが、早めに準備をしておけば、余裕を持って春からの「ポタジェ」づくりをスタートすることができますね。育てたものを料理やクラフトに、今シーズンはぜひチャレンジしてみてください。

プロフィール


藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

HP  ピュア・ポタジェ 
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401



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