2023/12/15 11:30
北海道生活
北海道 郷土料理 歴史のレシピ|ガタタン 炭鉱町に伝わるなじみの味
北海道の開拓が始まって150年以上。この歴史を支えてきた北海道の各地域の「歴史のレシピ“郷土料理”」。今回は、芦別市(あしべつし)の「ガタタン」。炭鉱町・芦別の活況とともに広まったまちのなじみの味。具だくさんでとろみのあるスープが体をあたためる。
【芦別市】ガタタン
芦別(あしべつ)名物「ガタタン」は、かつて芦別にあった人気中華料理店「幸楽」の創作メニューに由来する。「幸楽」は戦後、満州から引き揚げてきた故・村井豊後之亮(ぶんごのすけ)さんが始めた店。炭鉱町・芦別の活況に乗って繁盛し、ガタタンもまちの馴染みの味となった。昭和50年の「幸楽」閉店で一時は幻となるが、平成元年に「きんたろう」のメニューとして復活。「きんたろう」現店主の義母が「幸楽」と縁があり、覚えていた味を伝えたという。
「幸楽」のガタタンは“ガーダ”という小麦粉の団子が入った中国の家庭料理にヒントを得たようだが、ガーダより具の種類が多かったそうだ。そこで芦別のガタタンは、“10種類以上の具を入れてとろみをつけた塩味のスープ”を基本としているが、それ以外は難しく考えることはないという。「きんたろう」では化学調味料などは一切使わず、2日間かけてつくる豚骨ベースのスープなど店ならではのこだわりがあるが、家庭ならスープの素で十分。実際、古き良き「幸楽」の客にとっては化学調味料の味も懐かしいといえるだろう。飲んだ後の一杯としても人気だったようで、炭鉱マンの体もさぞあたたまったにちがいない。
ガタタンのレシピ(1人分)
[ 材料 ]
A
・豚肉、タケノコ、白菜、なると、ちくわ、シイタケ、イカの足など 各少々
B
・フキ、ネギ、コンニャク 各少々
・小麦粉 60g程度
・鶏ガラまたは豚ガラスープ 400cc
・卵 1/2個
・片栗粉
・しょう油
・顆粒だし 小さじ1
・好みにより旨味調味料
※小麦粉はサラダ油(大さじ1~2)、塩少々を入れ耳たぶくらいの固さに練っておく
【1】
Aの具材を小さめに切って炒め、鶏ガラまたは豚ガラスープとあわせて煮る。塩少々、顆粒だし、好みにより旨味調味料で味をととのえる。次に、長く煮過ぎないほうがいい Bの具材を入れる
【2】
小麦粉の団子を小さくちぎって入れ、再び軽く煮る
【3】
溶き卵を入れ、卵が固まってきたら少しかき混ぜる
【4】
水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。とろみがついたら火を消し、味を見ながらしょう油を数滴たらして味をととのえる