北海道 宿根草の育て方｜2月 今できる対策と庭シーズンの作業プラン

北海道のバラや宿根草、芝生や樹木、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「宿根草・草花」についてお伝えします。

今できる冬越しの対策と、庭シーズンに向けて作業プランを立てよう

少しずつ日が長くなっていく時期に入りますが、北海道の2月はまだまだ冬本番。宿根草の多くは休眠しています。今冬は雪が少ない地域が多いようで、土中の根が心配ですが、今できる作業は限られています。
今回は、無事に冬越しできるよう、今冬の対策として今できる作業と、冬の間に行なっておくとよい道具の手入れや春からの作業プランについてお伝えします。

積雪を期待していた株に雪が被っていない場合、今からでもマルチングをしてもよいでしょう。すでに低温に当たっていますが、2月はまだまだ気温がぐっと下がる日も考えられますので、心配な場合は行なってください。

マルチングの様子。腐葉土やバーク堆肥、ウッドチップなどを株周りに被せる。厚さは15㎝程度、株の2周りくらい

温室や風除室などで管理している鉢植えがあれば、引き続き温度管理を続けます。夜間は温度が下がりますのでシートなどで防寒し、マイナス5℃くらいまでで管理できるとよいでしょう。日中はなるべく室温が上がり過ぎないように換気します。
休眠中の根も完全に乾いてしまうと枯れてしまいますし、呼吸もしています。土が乾いたら、たっぷり水やりをしてください。水やりをしっかり行なうことで、鉢内の空気も新鮮なものに入れ替わり、根が呼吸をしやすくなります。

鉢植えや掘り上げたままの株は休眠中の今、株分けすることも可能です！ 株分けしたのものは、温度管理がより一層大切です。寒さに当たらないよう、十分に注意して管理しましょう。

休眠中の株の株分けは、温室内で管理できるなら可能。寒さに当たらないように作業後の温度管理が重要！

しつこい雑草がある場合は、丁寧（ていねい）に優しく根を洗って植え込みし直すことも

春からのガーデニングシーズンに向けて、ツールの手入れを今のうちにしておきましょう。ハサミや移植ゴテ、スコップなどのツールは汚れやサビ取りをしたあと、専用の砥石で刃を研いで、油を挿して保管します。肥料や用土、支柱や麻ひもなどは種類ごとに整理し、使いやすいようにしておきます。足りなさそうなものがあれば購入予定リストに加えましょう。

しっかり研いで磨いたツール

プロ・アマ問わず、ガーデナーは雪が解ければ一気に忙しく活動が始まります。庭づくりは適切なタイミングで適切な作業を行なうことが成功の秘訣。今のうちに、作業の計画を立てておくのがおすすめです。
以下のような項目について検討しておきましょう。

新しくつくる花壇の土づくり、長年育てている花壇に腐植を追加する作業など。使う材料を選び、花壇の広さに応じて使用する量をあらかじめ計算しておきます。土壌の凍結が解ける4月中旬～5月上旬に行なうのがよいでしょう。

新しい花壇の場合は十分に庭土を耕し、元の土の状況に応じて使う腐植の種類や量を検討

しっかり敷き均したら、元の土としっかり混ぜ込む

昨シーズンの写真などを参考に、配置換えや間引き、株分けなどの計画を立てます。適期は種類によりますが、5月～6月くらいに行なう場合が多いです。

新しく庭に迎えたい宿根草はありませんか？ 昨シーズンの写真を眺めながら「こんな色の花や葉を加えたい、このくらいの高さの宿根草があれば…」とイメージを膨らませ、植え場所の条件に合う宿根草をインターネットや書籍などで検索しながら、最適な種類を選びましょう。
人気の宿根草は春のオープン時に売り切れてしまうものもあります。今のうちから目星をつけておくとよいですよ。植え込みの適期は5月～7月上旬頃になります。

新しい花壇への植栽。成長後の大きさを考えて配置するのが大切

隙間ができてしまった場所に、新しい宿根草を追加で植え込み。植えるタイミングで腐植の追加も忘れずに！

理想の植栽や具体的な種類選びに書籍を利用

宿根草たちが無事に冬を越したら、雪解けから春に向けては庭作業に大忙し。作業プランを立てておけば、スムーズに庭仕事をスタートできますよ。

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