2025/01/29 16:00
北海道生活

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

3月3日は、ひな祭り。今回は、ひな祭りに欠かせない「桜もち」のつくり方と、桜もちの材料「桜の葉・花の塩漬け」のつくり方をご紹介。
このコーナーでは、季節ごとの野菜やハーブ、花や果樹など、相性のよいコンパニオンプランツを組み合わせながら育てて楽しむ“ポタジェのある暮らし”を紹介していきます。お料理や花のクラフトも。

文・写真:藤井 純子さん(ピュア・ポタジェ代表)



3月3日は「ひな祭り」。女の子の幸せと健やかな成長を願ってお祝いする日ですね。
そこで今回は、ひな祭りに欠かせない「桜もち」のつくり方と、桜もちの材料「桜の葉の塩漬け」「桜の花の塩漬け」のつくり方をご紹介したいと思います。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

道明寺粉(どうみょうじこ)を使用した“関西風”の桜もち。昨年、塩漬けにしておいた桜の葉と花を使用

ふんわりと春の訪れを感じる“桜の香り”が特徴の桜もちですが、あの香りの正体は、桜の葉や花に含まれる「クマリン」という芳香成分。これが桜の風味を醸し出しています。クマリンは生の葉や花に含まれていますが、塩漬けにすることで細胞が壊れ、香りが変化します。生の桜の葉は肝毒性があるとされていますので、塩漬けにしてから食用にしましょう。
また、クマリンは抗菌作用や血流改善、リラックス効果があるそう。桜の葉と花の塩漬けのつくり方は後半でご紹介しますね。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

花の色が濃く華やかな八重桜

Recipe. 01 桜もち


[ 材料 ]  桜もち 20個分

・道明寺粉(※) 250g

・水 30ml

・上白糖 120g

・天然塩 少々

・こし餡(あん) 300g(20個(1個15g)に分け丸めておく)

・桜の葉の塩漬け 20枚

・桜の花の塩漬け 20個


※道明寺粉(どうみょうじこ)は、水に浸し蒸したもち米を乾燥させて粗めに挽いた食品


[ つくり方 ]

【1】

はじめに桜の葉の塩漬けの塩抜きをします。水を入れたボウルに桜の葉を入れ、5~10分ほど塩抜きします。適度な塩加減になったらキッチンペーパーなどで水分をふき取っておきます。長時間水に漬けていると風味が消えてしまうので注意しましょう。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

水に浸して塩抜きを行なう


【2】

次に、道明寺粉を蒸します。鍋に水を入れ沸騰したら火を止め、道明寺粉と上白糖、塩少々を入れて軽くかき混ぜて、蓋(ふた)をして15分ほど蒸らします。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

生地を白く仕上げるため、上白糖を使用

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

材料を入れたら蓋(ふた)をして蒸らす


【3】

蒸し器に濡れ布巾を敷き、【2】の蒸しておいた道明寺粉を入れて10分ほど蒸します。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」 ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

蒸らしておいた道明寺粉を入れ、布巾で包んで10分ほど蒸す


【4】

道明寺粉が蒸し終わったらボウルに取り、粗熱がとれたら手に水をつけて生地を20等分に分け、軽く丸めておきます。蒸したては熱いので火傷(やけど)に注意しましょう。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

蒸したての生地。粗熱がとれたら20個に分け、軽く丸める


【5】

手に水をつけて生地を伸ばし、丸めておいた餡(あん)をのせて包みます。閉じ目を軽くつまみながら閉じます。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

生地の手前側に餡をおく

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

餡を包む

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」 ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

閉じ目を軽くつまんで、軽く形も整える


【6】

桜の葉の葉脈が外側になるように包み、桜の花を飾ってできあがり! 桜の花の塩漬けの塩味がほどよいアクセントになります。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

桜の花の塩漬けがアクセント

つぶつぶもちもちとした食感が特徴の道明寺粉は、もち米を蒸して乾燥させたあと粗めに挽いた食品です。桜もちはつくるのに手間がかかる印象ですが、市販の餡を使えば手軽につくることができますね。

Recipe. 02 桜の葉と花の塩漬け


桜の季節が近づくと、市販や通信販売などのでも桜の葉・花の塩漬けを目にするでしょう。それを利用するのも便利です。自宅に桜の木があるという人は、桜の時期になったら来年用に花や葉を収穫し、塩漬けを準備しておくとよいですね。その場合は、無農薬や有機で育てている木が無難でしょう。

葉の塩漬け」

桜の葉の塩漬けには、葉が大きく香りが強いオオシマザクラが多く用いられますが、八重桜の若葉でもつくることができます。できれば、農薬を使用していない葉を利用しましょう。

[ 材料 ] 

・桜の葉 20枚(市販されているものある)

・天然塩 20g

・赤梅酢 大さじ2


[ つくり方 ] 

【1】

桜の葉を洗います。鍋に湯を沸かし、葉を入れて30秒ほど茹でたら、ザルにあげて氷水につけて冷やします。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

熱湯で30秒ほど茹でる

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

ザルにあげて、すぐに氷水に入れて冷やす


【2】

葉が冷えたらキッチンペーパーなどで水分をふき取り、葉を5~7枚ずつ重ねます。


ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

5~7枚ずつ重ねる


【3】

塩と赤梅酢を混ぜます。

・「梅酢」とは、梅を塩漬けにしたときに梅から出てくるエキス。梅干しの副産物である梅酢は防腐作用があるといわれ、今回のような桜の葉や花の塩漬けづくり、紅ショウガづくりなど、さまざまな料理に使われます。
ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

塩と梅酢を混ぜておく


【4】

重ねておいた桜の葉を1束容器に入れ、【3】の液を加えます。葉を1束ずつと液を交互に重ねていきましょう。最後にラップをして、小皿などの食器で重しをし、冷蔵庫で10日ほどおいて完成です。桜もちに使用する場合は、翌年までそのまま保存します。長期間保存する場合は、容器から出してジッパー付きのポリ袋などに入れて冷凍しておきます。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

ラップをし、重しをして漬ける


「桜の花の塩漬け」

ソメイヨシノが終わった頃に咲く八重桜。花びらの数が多く色も濃いため、桜の花の塩漬けには八重桜を使用します。桜の花の塩漬けは、桜茶やお料理、お菓子づくりにも利用することができます。桜の葉の塩漬けと同様に、農薬を使用していない花を利用しましょう。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

毎年、ご近所に咲いている八重桜の花を分けてもらって「塩漬け」に

[ 材料 ] 

・八重桜の花 80g

・天然塩 15g

・赤梅酢 大さじ2

・保存用の天然塩 適宜


[ つくり方 ] 

【1】

桜の花をボウルに入れ、流水で洗います。ザルなどに広げて3時間ほど干しておきます。長い軸は切っておきましょう。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

桜につているほこりなどを洗い流す

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

ザルに広げて干す


【2】

ビニール袋に桜の花と塩を入れて馴染ませます。ビニール袋の空気を抜いて縛り、2日ほど冷蔵庫で下漬けをします。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

ビニール袋に桜の花と塩を入れる

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

空気を抜いて、冷蔵庫で2日ほど下漬けをする


【3】

桜の花から出た水分をギュッと絞り、容器に入れて梅酢を加えます。桜の花と梅酢を馴染ませたら、再度ビニール袋に入れて空気を抜き、3日ほど冷蔵庫で保存します。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

ビニール袋に入れたまま水分を絞る

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

水分を絞ったら梅酢を加え混ぜる

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

ビニール袋に入れ空気を抜いて、冷蔵庫で3日ほど保存。鮮やかなピンク色に


【4】

漬け終わったら軽く水分を絞ります。花の形を整えながらザルに広げます。半日ほど半日陰の場所で干します。絞った汁は乾燥すると桜塩になりますよ。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

花の形を整えて干す

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

絞った汁を乾燥すると桜塩に


【5】

清潔な保存ビンやプラスチック容器に、花に塩をまぶしながら入れます。すぐに使用しないときは冷凍するのがおすすめです。翌年までそのまま冷凍保管もできます。

ポタジェ|自家製“桜の葉と花”を使った「桜もち」

桜の花に塩をまぶして保存

桜の咲く季節は短いですが、タイミングよく収穫して塩漬けにしておくと、料理やお菓子づくりなど幅広く活用することができます。ご自宅のほかにも、もし知り合いの庭先にオオシマザクラや八重桜の木があれば、あらかじめ分けてもらえるように声をかけておくと安心ですね。

北海道での桜の開花は4月下旬以降ですが、3月にもなれば日本各地で桜が咲き出します。この冬は暖かい気候で推移しているので、桜の開花も早まるかもしれませんね。

プロフィール


藤井 純子
「Pure Potager(ピュア ポタジェ)」代表。ポタジェ・アドバイザーとして道新文化センター札幌校などのセミナー講師のほか、新聞・雑誌にて執筆活動を行なう。また、ポタジェの魅力を一冊にまとめた「Green Finger ポタジェ~小さな庭が与えてくれる恵みと幸せ~」を執筆。「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」で取り扱いのほか、HPに掲載のネットショップを利用。またはAmazonでも販売、「ポタジェ」で検索。

HP  ピュア・ポタジェ 
Instagram pure.potager
YouTube ポタジェ『心と身体を癒す庭へようこそ』 @lifewithpotager401



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