2025/01/12 10:00
北海道生活WEBスタッフ
都市型水族館「AOAO SAPPORO」の“夜の魅力”を体感
札幌の中心部、狸小路に位置する都市型水族館「AOAO SAPPORO(アオアオ サッポロ)」をご存じでしょうか? 2023年7月に複合施設ビル「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」内にグランドオープンし、「まちなかの水族館」として話題を集めている施設です。
「AOAO SAPPORO」の最上階(6階フロア)で見られるペンギンたち
AOAO SAPPOROは昼と夜で違った雰囲気や企画を楽しめるそうで、今回は雰囲気を楽しむべく、19時頃から訪問してみました。
ヒト・モノ・コトが集う“ミュージアムマルシェ”
まず、水族館のエントランスがある4階まで上がると、目に飛び込んでくるのが「ミュージアムマルシェ」。AOAO SAPPOROの開業1周年を記念して、昨年(2024年)7月にオープンしたショップエリアです!
買い物を楽しめる「ミュージアムマルシェ」。昨年(2024年)7月にオープンした、おしゃれなショップエリア
「ミュージアムマルシェ」の名前の通り、エリアごとのテーマに沿って集められた商品展示が楽しいです。
例えば、知床の自然と魅力を発信する「COBAKO Sapporo」には、知床の海や山の生態系を学べる書籍や、地元作家による手工芸品が並びます。インドアグリーンやテラリウムが並ぶ「ADA LAB ssp.SAPPORO」では、自宅でも楽しめる水草や観葉植物の販売のほか、テラリウム作りのワークショップも定期的に行なっているそうですよ。AOAOのオリジナルグッズを扱う「GOOD GOODS」は、ここでしか手に入らないオリジナルデザインのTシャツやトートバッグ、文具なども充実! まさに「ヒト・モノ・コト」が交差する空間で、水族館に入る前から自然への興味が掻き立てられますね。
多彩な水草や観葉植物がおしゃれに並ぶ。テラリウムなども自宅で楽しめそう
水槽に水草の世界をつくって楽しむアクアリウム
AOAOのオリジナルグッズもたくさん!
4階:人と水の世界をつなぐ「CONNECT」
では、水族館へ! 4階のエントランスを抜けると、まず目にするのが「水の循環ラボ」と「水と生物のラボ」。人工海水をつくる装置や、生き物たちのエサを準備する部屋など、普段は見ることのできない水族館の裏側を覗くような体験ができます。この設備でつくられる人工海水は、館内の各水槽に送られているとか。
水の循環ラボ。設備の裏側を覗くような体験!
水と生物のラボ。展示をしつつ、管理や観察が実際に行なわれている
特に印象的だったのは、約25メートルにもおよぶ水族館の歴史年表。ヨーロッパでの発祥から、日本初の水族館、そして北海道の水族館の歴史まで、約170年に渡る歩みが記されています。
1853年のロンドン動物園での「魚類館」設立から始まり、1882年の上野動物園での日本初の水族館開設、そして1967年の北海道初となる「おたる水族館」の開館など、水族館の進化の歴史を知ることができます。
水族館の歴史年表。年表を追って見ていくと、知識になったり、発見があったりして面白い
2024年は、AOAO SAPPOROの1周年、おたる水族館は50周年を迎えました。現在、北海道には10カ所の水族館があり、それぞれが地域の特色を生かした展示や活動を行なっています。
北海道にある水族館は10カ所!
5階:新たな発見!発見と観察の空間「SCOPE」
AOAO SAPPOROでは、順路に縛られることなく自由に観覧できるスタイルを採用しており、行ったり来たり、興味の赴くままさまざまな展示を楽しんできました!
◆LIBRARY AQUARIUM
発見と観察の部屋
生き物たちの驚きの生態に出会える「LIBRARY AQUARIUM(ライブラリーアクアリウム) 発見と観察の部屋」では、“にょろ”や“ぺったんこ”、“もさもさ”などといったユニークな切り口で生き物たちが展示されていました。パネルにも説明書きがありますが、それぞれの展示とともに並ぶ書籍を手にして、さらにさまざまな知識を深めることもできますよ。
‟もさもさ”な、形も色も多彩なイソギンチャク
砂の中から首だけを出す姿が人気のチンアナゴを見ていたら、隣の水槽でも、ワヌケモンガラドオシが砂に潜っています。「同じように砂に潜る魚がほかにもいるんだ~(笑)」。
人気者のチンアナゴは、体の半分以上は砂の中とか。‟にょろ”っと首だけ出して、何を見ているのかな?
さらに、独特な目つきのゼブラウツボ。「目がガンギマリ……」、岩陰から顔を出す姿が印象的で(身体は出ているけどね…)、思わず見入ってしまいますね。
可愛らしいカクレクマノミもいましたよ! イソギンチャクとの共生関係を間近で観察することができ、自然界の不思議な絆を感じさせてくれますね。
サンゴやヒトデの仲間たちも、とっても不思議な形状のものばかりです。生き物たちの動きに癒されたり、ユーモラスな表情をや不思議な形状に笑いがこぼれたりと、大人も子どもも楽しめる部屋となっています。
‟しましま”柄のゼブラウツボ。鋭い目つきがガンギマリ!
カクレクマノミが、イソギンチャクに身を隠しながら泳ぐ姿が可愛い。じっと見ていたら、水流を感じる方へ反応している(!?)
◆NATURE AQUARUIM
「NATURE AQUARUIM(ネイチャーアクアリウム)」エリアでは、大型のガラスケース(水槽)の中に箱庭のような水景が広がります。水草や石、流木などを使ってつくり出された美しい水中庭園が、まるで絵画のように展示されていますよ! 都会の喧騒を忘れさせてくれる癒しの空間です。
アクアリウムの前の長椅子に腰かけ、ボーっと眺めるているだけでも癒される…
訪れた時間帯は比較的すいていたので、視界を遮るものもなく、ゆっくりと鑑賞することができました。水中を照らす微妙な照明具合の下、水草と魚たちの動きが織りなす景色を芸術作品のようにして楽しめます。
◆企画展「愛のすいぞくかん~好きになったら、どうしたら良い?~」
現在は、「愛のすいぞくかん~好きになったら、どうしたら良い?~」という企画展(2025年3月20日まで)を開催中です。夜の部では、求愛診断やLOVE DISTANCEなど、カップルで楽しめるクイズや仕掛けが用意されています。
さまざまな生物の「好き」という気持ちの伝え方を求愛診断やクイズなど、いろんな仕掛けで楽しみながら知れる
6階:共生を考える「COMMONS」
AOAO SAPPOROの最上階となる6階は、生き物と人がともに過ごせる空間として、体験型の展示が用意されています。
◆ペンギンズ
水族館の目玉はやはり「ペンギンズ」。寝そべったり、直立するペンギンたちの可愛らしさに思わず微笑んでしまいました。そう思って見ていると、ぴょんぴょん飛び跳ねながら移動したり、水中を優雅に泳いだり、大きな声で鳴いたり……、気まぐれながらも異なる表情を垣間見ることができます。
やや小さめの姿が可愛いキタイワトビペンギンたち
ベンチに座ってペンギンの水槽を眺めたり、テーブル席でドリンクを飲みながら眺めたりできる設計になっていて、併設の「シロクマベーカリー&」のドリンクを片手に楽しんでいる人もいましたよ。AOAO限定メニューや、ベーカリー初の「愛のすいぞくかん」期間限定アルコール類なども!
水槽の周りで思い思いに過ごすことができる
「シロクマベーカリー&」。館内で飲食OK
◆プランクトンルーム
夜の水族館ならではの幻想的な空間です。夜のしっとりとした雰囲気にも合うクラゲの水槽は、照明が施され、まるで宇宙空間に浮かぶ不思議な生命体のよう。
訪れたときはちょうどイベント期間中で、いつものブルー照明の水槽が、ピンク色に。ムーディーな照明と、ゆったりと漂うクラゲの姿が意外とマッチしていました。
イベント期間中で、ピンク色に照らされていたクラゲの水槽
通常時のブルー照明の水槽 (提供:AOAO SAPPORO)
クラゲの種類によって異なる泳ぎ方や、赤ちゃんクラゲから大人になるまでの成長過程が観察できる展示などもあり、生命の神秘を感じさせます。
左の水槽から右側の水槽へ、少しずつサイズが大きくなっていくクラゲの成長過程
泳いでいるクラゲは、意思を持って泳いでいるのか、ただ漂っているのか分からないですが、私はクラゲをひと晩中見ていられる……、かも?(笑)。
◆ブルールーム
「ブルールーム」は、最新のデジタル技術を駆使して広大な海を再現したデジタルアートの展示です。
大きなスクリーンに海中世界が映し出され、人の動きに反応して波紋や気泡が広がるインタラクティブな体験を提供しています。毎時15分にシャチの群れが、毎時22分頃にはマッコウクジラが登場。その迫力には息を呑みますよ。この日は夜の海でしたが、昼間はまた違った表情を見せてくれるとのこと。
人の動きに合わせて波紋や気泡が広がって、海の世界にいるような没入感を味わえる
AOAO SAPPOROは、水辺の生物とアートが融合したような水族館でした! 昼と夜ではまた違った雰囲気を楽しめるそうなので、次は昼の時間帯にぜひ行ってみたいですね。また、さまざまなイベントも行なわれているので、こちらもぜひチェックしてみたいと思います!
そして、帰りは4階のミュージアムマルシェで、お買い物も楽しんで。
(「北海道生活」WEBスタッフ)
●都市型水族館「AOAO SAPPORO」
住所/北海道札幌市中央区南2条西3丁目20 moyuk SAPPORO 4階-6階
営業時間/10:00~22:00(最終入館 21:00) ※季節によって変更する場合あり
定休日/なし ※施設メンテナンス等により臨時休館する場合あり
料金/【通常時】大人(高校生以上)2,200円、子ども(小中学生)1,100円、幼児(3歳以上)200円 ※入館料は時期により異なる、詳細はHPより料金カレンダーを確認
WEB/https://aoao-sapporo.blue/