2025/01/08 15:00
北海道生活
北海道 バラの育て方|1月 挿し木の方法の一つ「休眠挿し」
北海道でガーデニングを楽しむための、バラや宿根草などの植物、病害虫についてなど季節のお手入れ・管理をプロの皆さんが伝授。ここでは、「バラ」についてお伝えします。
文・写真:曽根 浩太さん(岩見沢市・いわみざわ公園バラ園)
オールドローズなどを挿し木から育てる「休眠挿し」の方法
「いわみざわ公園バラ園」のある岩見沢市は、12月は大雪に見舞われ、かなり大変な日々を過ごしておりました。皆さんも毎日の除雪、お疲れさまです。
大雪の岩見沢。12月下旬にはすでに2mの積雪
今回は、バラの挿し木の方法の一つ「休眠挿し」についてご紹介したいと思います。
現在流通しているバラのほとんどは、強い根を持つノイバラなどの台木に接ぎ木をした接ぎ木苗になります。反対に、挿し木で増殖させた挿し木苗は自分の根で成長するので、自根苗といいます。
挿し木は、夏の終わりに行なう「緑枝挿し」と、12月頃に穂木の採取を行なう「休眠挿し」があります。どちらの方が発根しやすいかは品種にもよりますが、ハイブリッド ルゴサやオールドローズは休眠挿しで発根しやすい傾向にあります。
休眠挿しとは、バラが休眠している間に枝を切って挿し木を行ない、温度と湿度を適度に加えることで、挿し穂の養分を使って芽と根を伸長させる方法です。
挿し穂の採取は、今年伸びた枝の先端から4節程度を1本として扱います。例えば、先端から8節とれば、2本の挿し穂ができることになります。
この枝には8節あるので、挿し穂を2本採取することができる
この挿し穂を霧吹きで濡らし、ジップ袋に入れ、冷蔵庫で2月~3月まで保管します。水が腐ってカビが発生することがあるため、たまに新鮮な水で洗ってください。ジップ袋の中には品種名を書いたラベルを入れるなどして、品種が分かるようにしておきましょう。
ジップ袋に採取日・品種名を記載し、霧吹きをかけて冷蔵庫に保管する
これで挿し穂の準備は完了です。休眠挿しで育ててみたいバラがあれば、まず挿し穂の採取に挑戦してみてください。
次回は、冷蔵庫から出した後の作業について解説したいと思います。
プロフィール
曽根 浩太
酪農学園大学卒業後、地方公務員を経て「いわみざわ公園バラ園」へ勤務。北海道のバラ栽培の専門家・工藤敏博氏(イコロの森)に師事し、バラ園の管理・栽培にあたる。今後の北海道のバラ栽培における専門家の一人。
Instagram iwamizawa_rosegarden
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